それなりに暑い日もあるが、おおむね過ごし易い日が続く北陸である。
津幡町で見聞した、よしなしごとを簡潔にお届けする不定期通信。
レイニーシーズン直前にあたる今回は、以下の2本。
【柿の花。】
明治時代に『俳句革新運動』を興した文人、
「正岡子規(まさおか・しき)」は柿を題材にした歌を多く残している。
有名な一句はこれだろう。
柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺
樹上で赤く熟した柿の実をもぎガブリ。
豊かな甘みが口いっぱいに広がったところで聞こえる梵鐘の音。
古都・奈良の秋が思い浮かぶ。
「子規」の代表作の1つであり、時の風化に耐え、時代を超えた名句だと思う。
また、彼はこんな歌も詠んだ。
柿の花 土塀の上に こぼれけり
柿の花は夏の季語の1つ。
梅雨のころ、柿は黄みがかった白色の花をつける。
若葉と一緒に咲くため遠目にはあまり目立たない。
あなたはご覧になったことがあるだろうか?


先日、ご近所庭先の柿の木で見かけシャッターを切った。
意外と落ちやすい花である。
今日び「子規」のように土塀の上とはいかないが、
数輪が足元のアスファルトに散らばっていた。
【閉院。】
津幡銀座商店街(現:パピィワン通り)で長年医業を営んできた町医者、
「一林医院」の取り壊しが始まった。


詳しい事情は存じ上げないが、インフルエンザ予防接種、コロナワクチン接種などで、
何度も足を運んだお医者さんが姿を消すのは一抹の寂しさを禁じ得ない。
昨今、クリニック(無床診療所)を取り巻く環境はなかなか厳しいと聞く。
少子化による患者獲得競争。
経営者の高齢化に伴う事業承継問題。
電子カルテなど新たな業務・役割の拡大と負担増から人材不足に拍車。
--- 等々いずこの業界も色々あるのだ。
<津幡短信 vol.120>
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