昨夕(2024/05/26)2人の若武者が栄冠を手にした。
まずは大相撲夏場所に於いて幕内初優勝を飾った新小結、
「大の里 泰輝(おおのさと・だいき)」である。
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単独トップで千秋楽を迎えた「大の里」関。
勝てば初優勝が決まる大一番。
押し出しで「阿炎(あび」関を破り、12勝3敗で初優勝。
幕下付け出しデビューとしては、初土俵から7場所目での史上最速記録となった。
出身地・わが津幡町では町役場でパブリックビューイングが行われ、400人余りが観戦。
優勝が決まると笑顔と歓喜が広がったという。
取り組みの現場、両国国技館でも同様。
ニューヒーロー誕生に惜しみない拍手と歓声が降り注いだ。
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僕が印象に残ったシーンは、それら喧噪と一線を画するもの。
対戦相手を土俵の外へ退けた直後、彼は両眼を閉じ、天を仰ぐ。
その刹那、若武者の周りだけが静謐に包まれたように感じた。
優勝は意識せず自分の相撲を取り切る。
平常心を強調し、淡々と準備をして決戦に臨んで、
言い知れぬ重圧から解放された時、
「大の里 泰輝」から、束の間「中村 泰輝」に戻ったのかもしれない。
続いて「ボートレース オールスター」に於いてSG初優勝を飾った新鋭、
「定松 勇樹」(さだまつ・ゆうき)」である。
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5日間に亘る激闘を勝ち抜き最終決戦へ舳先を進めたメンバーは以下の通り。
1号艇:定松勇樹(佐賀)
2号艇:宮地元輝(佐賀)
3号艇:馬場貴也(滋賀)
4号艇:森高一真(香川)
5号艇:瓜生正義(福岡)
6号艇:毒島 誠(群馬)
レースそのものは特筆するところはさしてない。
枠番の入れ替わりはなく、スタートも凸凹のない横一線。
モーターが仕上がっていた若武者は見事な高速旋回を繰り出し、
ファーストターンで他艇を置き去りにした圧勝劇。
艇界の綺羅星の中に一際輝くニュースターが誕生した。
だが、簡単に勝てたのかと言えば、決してそんなことはない。
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ゴールを駆け抜ける瞬間、
「定松」は2度、3度と左手を振り上げた後、ガクンと頭を垂れた。
僕には、それが疲労困憊の現れに見えた。
この勝利は、本人が栄冠とビッグマネーを手に入れるだけに留まらない。
公営競技選手として背負わねばならない宿命、
億単位の掛け金のプレッシャーからの解放を意味している。
インタビューに答える表情に笑顔はほんの僅か。
紅潮した顔には無事に大仕事をやり終えた安堵が浮かんでいた。
何はともあれ、共に23歳が成し遂げた快挙である。
心から祝福を贈りたい。
おめでとう!