「悲喜交々(ひきこもごも)」とは、この事である。
本日(2024/09/21)、わが津幡町出身の関脇「大の里」が、
大相撲・秋場所14日目で2度目の幕内最高優勝を決めた。
結びの一番--- 対戦相手は大関「豊昇龍」。
過去、土俵で顔を合わせた3度の対戦は全て敗れていた“天敵”に、
一旦は“待った”を誘発する仕切りで揺さぶられたが、
迷わず双手で突いて出て、一気に土俵の外へ押し出し白星。
これで、場所後の大関昇進を確実にしたと断言していい。
初土俵から所要9場所での昇進は、昭和以降では最速。
出世の早さに髪の伸びが追いつかず、大銀杏(おおいちょう)を結えない、
前代未聞の“ちょんまげ大関”の誕生に拍手を送った。
---しかし--- 。
歓喜の瞬間を伝えるモニターには、厳しく悲しい現実も映し出されていた。
南から流れ込んだ温かく湿った空気が北からの風とぶつかり、
日本列島にかかる秋雨前線の付近で積乱雲が発達。
能登半島地震で大きな被害を受けた奥能登に局地的で猛烈な大雨を降らせた。
午後4時までの24時間降水量は、観測史上最大。
河川の氾濫や土砂崩れが相次いだ。
現段階で死者は珠洲市で1人、行方不明者は輪島市・珠洲市・能登町で各1人の計3人。
重傷者は2人にのぼっている。
輪島市では、復旧工事に携わっていた作業員4人と連絡が取れない状態になっているという。
僕は、金沢と能登を結ぶ幹線道「のと里山街道」近くで仕事に従事していたが、
午前から夕方にかけ、ひっきりなしに緊急車両のサイレンが聞こえた。
帰り道ですれ違った消防車・救急車には「福井県」の文字。
隣県から応援を請わねばならないほど切迫した状況なのかと愕然としたのである。
気象庁は、今後の天気について大気が不安定な状況が続き、
石川県のほか、新潟・山形など東北や北陸で
警報級の大雨となる可能性があるとしている。
どうか、ご無事で。