津幡町で見聞した、よしなしごとを簡潔にお届けする不定期通信。
--- 不定期とは言いながら同カテゴリーの投稿は実に半年ぶり。
秋めいてきた今回は、以下の1本。
【処暑の候~祭りと実り。】
8月半ばの旧盆が過ぎてから、夜な夜な街中に祭囃子が聞こえるようになった。
それは、わが津幡町旧市街に於ける風物詩。
獅子舞の準備が始まったのだ。

かつて藩政期には宿場として栄えた津幡町中心部の4つの地区、
清水(しみず)、庄(しょう)、津幡(つばた)、加賀爪(かがつめ)では、
今月半ば(2023/09/17)獅子舞が催行予定。
大きな獅子頭には町ごとの特徴アリ。
表面に朱色の漆を塗った加賀爪・白鳥会「赤獅子」。
白鹿の皮を張った津幡・太白会「虎獅子」。
黒熊の皮で仕上げ、目が左右に動く細工を施した清水・八幡会「熊獅子」。
やはり黒熊の皮を張った強面の庄・住吉会「大獅子」。
獅子頭の背後にあるカヤは、牡丹や巻毛模様をあしらった麻布製。
尾の高さは3.5m、全体の長さは5mあまり、幅2mほど。
複数人が操る大きな獅子に立ち向かうのが「棒振り」と呼ばれる役回り。
木製の薙刀、太刀、鎖鎌などの武具を手にして、お囃子に合わせ、
棒振りが武術の技を取り入れた舞いでやっつける「獅子殺し」が津幡の獅子舞。
当日は、4つの町内を早朝から獅子が練り歩き、
家の前で、薙刀を手にした棒振りが、霊獣を退治して厄払い。
演舞は世帯毎に行われますから、移動は駆け足。
そして日が暮れる頃、町の中心の四つ角に、それぞれの獅子が集合すると、
獅子舞頭合わせがスタート!
囃子方、獅子舞、棒振りが技を披露して競い合い、
四町の獅子頭がぶつかり合うと祭りは最高潮を迎える。
何とも勇壮な津幡の獅子舞。
機会と都合が許せばご覧になってみてはいかがだろう。

夏の終わりと秋の始まりを告げるフェスが近づく頃、田園が色づく。
おそらく品種は「ゆめみずほ」だと思う。
瑞穂の国の夢---ゆめみづほは、ひとめぼれと越南154号を交配して作られた。
祖父母にコシヒカリを持ち、粘りがほどよく軟質で柔らかい。
早稲のため、近年は新米のトップランナーとして市場に出回る。
漬物、味噌汁、煮魚、炊きたての新米ご飯。
それで充分。
今から食べるのが楽しみだ。
<津幡短信 vol.114>
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