岐阜県西南部「西美濃の旅」続篇2。
“偏った視点の街歩き”である。
今回の旅で草鞋を脱いだ大垣市の位置は、岐阜県の濃尾平野・北西部。
県庁所在地の岐阜市に次いで2番目の人口(15,000あまり)を有する。
異名は「水の都」。
木曾川・長良川・揖斐川など木曽三川を利用した舟運(しゅううん)が盛んで、
江戸~明治にかけ重要な交易ルートとして活用されていた。
また、地下自噴水も豊かで今も上水道の水源となっている。
一方、豊かな自然は、時として「脅威」にもなり得る。
大垣市も、度重なる水害に悩まされてきた。
水が付きやすい土地で発達したのが「輪中(わじゅう)」。
読んで字のごとく輪の中のことで「低地集落を堤防で囲んだ」のだ。
そして、戦時下の昭和20年、6度の空襲を受ける。
特に7月28日から29日にかけての第6回目の空襲は、苛烈。
上空に飛来した米軍の「B29戦略爆撃機」90機は、
100ポンド焼夷弾3000発、4ポンド焼夷弾17000発を投下。
多くの被害者を出し、広範囲が焼け野原に。
この時、国宝に指定されていた「大垣城」も消失。
(現在は昭和34年に再建された鉄筋コンクリート製の天守が建つ)
こうした経緯から、戦災復興を果たして以降の市街地が多い大垣は、
「昭和の面影」を留めているのではないか?
そう推測した僕は、スマホ片手にJR大垣駅周辺を歩き回ってみた。
以下、何枚かスナップを掲載する。
尚、画像は少々「フィルム写真」っぽく加工してみた。












いかがだろうか。
旅人にとっては郷愁を誘う光景なのだが、やや寂しさも漂う。
少子高齢化、中心部の空洞化などを反映しているかもしれない。
勿論それは大垣に生活基盤のない異邦人の勝手な言い分である。


大垣散策中に店構えが気になった喫茶店を見つけ、モーニングサービスを楽しむ。
厚切りバタートースト、ゆで卵、フルーツを乗せたヨーグルトを、
コーヒー代だけでいただけるのだ。
モーニングは愛知県・一宮市の発祥と聞くが、お隣・岐阜にも普及しているらしい。
後で調べてみると、ここは大垣の人気スポットとの事。
開店は昭和38年。
店名「サンパウロ」のロゴは日本を代表するグラフィックデザイナーの1人、
「亀倉雄策(かめくら・ゆうさく)」氏のデザイン。
(1964年東京五輪のエンブレムとポスター
1970年大阪万博、72年札幌五輪などのポスター
NTTのシンボルマークなどを手掛けた)
店内の雰囲気は、やはり昭和風味なのである。
充実、美味しい朝食になった。
ご馳走様でした!

<むすびに>
今回、大垣市内の移動は徒歩に加え、無料のレンタサイクルを使わせてもらった。
再整備した放置自転車を活用した「すいとGO!(水都号)」だ。
晴天に恵まれた旅の空の下、あちこち見て回るには最適。
数時間もサドルに跨ったのは何十年ぶりだろう?
乗り始めの運転はおぼつかなかったが、すぐに身体が思い出し快適に過ごせた。
ほゞ初めての散策だったため、ほんの一端しか覗けていない。
次はより深い魅力を探してみたい。
また訪れたい町ができた。
さて、前々回、前回、今回の小旅行3回シリーズ、
タイトルは全て「松尾芭蕉」に由来している。
--- と言うのも、大垣は「奥の細道 結びの地」。
元禄2年(1689年)「芭蕉」は江戸深川を出発。
東北・北陸地方を巡ること150日あまり、
全行程およそ2400kmの旅を大垣で終えた。
大垣には“俳聖”にまつわるスポットも少なくないが、
そのあたりは回を改め「不定期イラスト連載」で書いてみたいと考えている次第だ。
乞うご期待。
ログイン保持のPCからしかgoo-blogにアクセスできなくなり、疎遠になっていますが、近いうちに新しいアドレスに引っ越す予定です。
では、また。
3話とも、とても興味深く読ませて頂ききました。
松尾芭蕉の”奥の細道”といい
関ヶ原の戦いといい
第二次大戦時の大空襲といい
日本の歴史を代表する土地なんですかね。
写真とても良く撮れてます。
特に、モーニングサービスは昭和の特権ですよね。
りくすけサンは自転車に乗れるんですよね。
羨ましい限りです。
また拙写真に共感いただき、
誠にありがとうございます。
本文中にも書きましたが大垣は「昭和の面影」が、
色濃く残る町だと感じました。
一過性に終わらず、何度か訪れてみたいと考えています。
アクセスの不具合、
貴ブログ記事で拝読しましたが、詳細不明ですね。
新アドレス設定の際は、是非教えて下さいませ。
では、また。
拙ブログを玩味いただき嬉しい限り。
僕も貴ブログを楽しみに拝読しております。
今後ともよろしくお付き合いくださいませ。
西美濃の旅、
久しぶりの小旅行だったこともあり、
とても充実した時間でした。
愛知県を中心にした中京エリアでは、
喫茶店モーニングが栄えており、
この地域を訪れた際の楽しみの1つです。
自転車、本文中にも書きましたが、
数十年ぶりにペダルを漕いだ当初は、
フラフラ、ヨロヨロ。
運転するうち段々慣れてきて、
若い頃を思い出しました(笑)
では、また。
歴史に疎く、食い意地が張っている私は、
『とんかつのエビス』が特に気になりました。
私も以前、一度だけ大垣駅で下車したことがありまして。
そのときは『朝日屋』というお店で、「カツ丼」を食べました。
泡立てたようなフワフワの玉子をカツに乗せる、
見たことのないタイプでしたが、美味しかったです。
機会があったら、りくすけさんにも召し上がっていただきたいですね。
ありがとうございます。
「朝日屋」、
実は店の前まで行ったのですが、
ちょうど改装工事中でお休みでした。
まさに、そのかつ丼が食べたかったのですが断念。
次回訪問の際は「とんかつのエビス」と併せて、
食したいと考えております。
また「大垣けいりん」にも行ってみたい。
できれば「山口兄弟」が走るタイミングを狙いたい。
そう考えています。
では、また。