僕が少年だった頃、
映画の周辺情報を入手するツールは雑誌だった。
「キネ旬」や「映芸」は敷居が高い。
小遣いをはたいたのは「スクリーン」と「ロードショー」。
「スクリーン」(1947年創刊)は、映画評論の読み物や企画が充実。
後発の「ロードショー」(1972年創刊)は、くだけた誌面で読み易い。
好みは分かれるだろうが、どちらにも共通する読者の呼び水はグラビア。
多くの映画スターが誌面を飾った。
ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載 第百十九弾は「ソフィー・マルソー」。

柔和な垂れ目。
柔らかそうな栗色の髪。
口元から零れる白い歯と、両頬のエクボ。
日本人にとって親しみ易い面立ち。
整ったプロポーションとセクシーな肢体。
80年代の初め、彼女に熱を上げた中高生男子は、
僕一人ではないはずだ。
昭和41年(1966年)11月17日、フランス・パリ生まれ。
デビュー作は『ラ・ブーム』。
垣間見えるパリの暮らしや、フランスの恋愛観にも惹かれたが、
興味の大半は、数百人のオーディションから選出されたシンデレラ。
彼女の一挙手一投足、表情に釘付けになった。
実際、ストーリーとは余り関係のない、
アップやサービスカットが多かったと記憶している。
前述の専門誌では、表紙・グラビアの常連。
撮影レポートは勿論、そのプロフィールを記した特集。
付録に「サイン(印刷)付き生写真」。
来日記念臨時増刊まで刊行。
「フィービー・ケイツ」や「ブルック・シールズ」ら、
ハリウッドの綺羅星と肩を並べる「アイドル」だった。
そんな太陽のように明るい「ソフィー」に対し、
どこか仄暗い影を宿した美女がいた。
名前を「ナスターシャ」という。
・・・「手すさびにて候」カテゴリー、次回へ続く。
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