岐阜県は4日、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種について、県内の接種スケジュールを公表した。ワクチンの承認や接種体制の確保が前提となるが、2月下旬に国立病院機構の長良医療センター(岐阜市)の医療従事者向けに先行接種し、3月中旬以降には県内の医療従事者に優先接種の予定。その後は、高齢者に加え、高齢者施設の従事者も優先的に接種する。
厚生労働省は1月、医療従事者の先行接種を実施する国立病院機構の施設などを公表。県内では長良医療センターが対象となった。
その後は、病院や薬局、自治体などの新型コロナ対策業務で、感染症患者らに頻繁に接する職員や、患者を搬送する救急隊員ら医療従事者に優先接種する。県が調整主体で、県によると推計約6万4千人が対象。接種時期は3月中旬以降を予定している。
4月以降は高齢者向けの優先接種を実施する。推計約59万7千人で、高齢者のほか、医療従事者や高齢者施設従事者も対象。その後は、基礎疾患のある人らを優先し、5月以降に一般の人への接種を始める。いずれも市町村が調整主体となる。
ワクチンは零下75度での保管が求められる。保管する超低温冷凍庫は2月末までに県内では26台を設置し、6月までに164台まで増やす。
国からワクチンの発送量や時期などが示されていない中で、県と市町村は接種の人員や場所の確保、スムーズな接種などが課題となる。古田肇知事は「一大国家事業であり、最も合理的な体制で接種を進める必要がある。市町村などとオール岐阜でやり遂げたい」と述べた。