池田大作氏の原点は「平和」だった 取材した公明党で見聞きしたカリスマ的影響力
国内有数の宗教団体・創価学会の池田大作名誉会長が死去した。池田氏の経歴をあらためて振り返って感じるのは、平和な社会を目指すという原点だ。今の公明党はその原点を貫いているだろうか。(編集局次長・高山晶一)
池田大作・創価学会名誉会長の経歴からは、平和な社会を目指すという原点が感じ取れる。
少年時代に太平洋戦争で空襲に遭い、出征した長兄が戦死する体験を通じ、戦争ほど残酷なものはないという思いを深めたという。自伝的小説「新・人間革命」は、学会会長に就任した主人公「山本伸一」が、太平洋戦争開戦の地である米ハワイ・真珠湾を訪れ、平和を決意する話から始まる。
第3代会長として創価学会の組織を飛躍的に拡大させたのも、公明党の勢力拡大を支持母体として支えたのも、平和を旗印とする組織を大きくすることで、平和な社会を実現したい思いがあったのだろう。会員に浸透している「広宣流布」「立正安国」などの言葉には、平和な社会を建設するという思想が感じられる。池田氏は、学会会長を退いて名誉会長に就任した後も、カリスマ的な影響力を保ち続けた。私が公明党を担当していたころ、国会議員や秘書らは「人生の師です」などと居ずまいを正すのが常だった。その公明党は1999年に自民党と連立を組んで以降、自民党のパートナーであり続けている。社会福祉政策を推進する一方、集団的自衛権の行使容認など、安全保障政策の転換で自民党と歩調を合わせてきたのは否めない。岸田政権でも、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有に踏みきり、殺傷能力のある防衛装備品の輸出緩和の議論も進めている。平和な社会を目指した池田氏は、どう眺めていたのだろうか。
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