青木理が『モーニングショー』降板 政権批判コメンテーターを排除か 岡田晴恵の出演激減も…
番組HPより
またひとり、政権批判できるコメンテーターが姿を消してしまった。3月23日『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)終了間際に、ジャーナリストの青木理氏の降板が発表されたのだ。
青木氏といえば、共同通信出身で最近のテレビでは珍しいリベラルなスタンスを持つジャーナリスト。『モーニングショー』の前身番組『モーニングバード』開始の2011年4月以来、レギュラーコメンテーターを務めてきたが、安倍・菅政権を批判する姿勢を貫き、嫌韓や歴史修正主義に対しても世間の空気に迎合することなく異を唱えてきた。
こうした姿勢がリベラルな視聴者から支持される一方、出演するたびにネトウヨから炎上攻撃を受け、嫌韓ムードが最高潮だった2019年には「週刊文春」で、嫌いなキャスター・コメンテーター3位に選ばれたりもしていたが、その姿勢はまったくぶれることはなかった。
しかも、『モーニングショー』は看板コメンテーターの玉川徹氏らの政権批判を厭わない姿勢が支持され、4年連続で民放視聴率トップを独走しているが、青木氏も間違いなく功労者のひとりといっていいだろう。
そんな青木氏がいったいなぜ降板なのか。テレビ朝日関係者を取材したところ、やはり青木氏は自ら降りたわけではなく番組から降ろされたらしい。しかもまだ発表になっていないが、女優の高木美保氏とノンフィクション作家の吉永みち子氏も今週の出演を最後に降板になるという。後任は最近お試し出演していたシェアリングエコノミー活動家の石山アンジュ氏など意識高い系の若手コメンテーターらになるのではないかとみられている。
高木氏はともかく、吉永氏も青木氏同様リベラルなスタンスで政権批判をしてきた人物。リベラル排除のようなコメンテーター入れ替えはなぜなのか。
「表向きの降板理由は、世代交代だそうです。世帯視聴率は好調なものの個人視聴率で若年層の視聴率では『スッキリ』が急追しており、若手・女性にシフトしたいと説明しているようです」(テレビ朝日関係者)
たしかに1年ほど前から世帯視聴率より個人視聴率重視、しかも若年層重視というのはテレビ界全体に広がっている動きで、若い意識高い系のコメンテーター起用は他局の報道番組にも最近とみに見られる傾向だ。とはいえ、『モーニングショー』は世帯視聴率だけでなく個人視聴率でも昨年トップなのに、番組の性格すら変えてしまうほどコメンテーターを大幅に入れ替えるというのは説明がつかない。
実際、この青木氏の降板にはもうひとつの理由がささやかれている。それはズバリ、テレビ朝日上層部の意向を汲んだ、政権に批判的なコメンテーター外しだ。
ヨレヨレの菅政権にダメ押しとなるか。農水省の鶏卵汚職、総務省の違法接待問題に続き、文科省でも接待攻勢によって行政が歪められた疑惑が浮上。22日の「しんぶん赤旗」がスッパ抜いた。疑いの目を向けられているのは、安倍政権末期に文科副大臣を務めた自民党の亀岡偉民復興副大臣、それに藤原誠文科次官だ。官邸に大打撃となる可能性がある。
■2015年から19年末にかけて会食14回
赤旗によると、亀岡氏と藤原氏に繰り返し接待していたのは学校法人「豊栄学園」(宮崎県三股町)の清水豊理事長ら。2015年から19年末にかけて少なくとも計14回会食し、学園側が支払った総額は約95万円に上るという。私大支援やJAXA事業をめぐる汚職事件で当時、文科省は大揺れだったのに、お構いなしだ。文教族の亀岡氏が文科副大臣だった19年11月の会食では計8万4000円が支払われ、藤原氏は官房長時代の15年11月と17年11月にゴチになったという。
学園が疑いようのない利害関係者である点も大問題だ。文科省は18年4月に学園が経営する都城東高校を「教育課程特例校」に指定し、20年2月には私立高の産業教育施設を整備するための補助金約2400万円の交付を決定している。ちなみに、都城東高は偏差値50割れの底辺校だ。
亀岡氏の国会事務所に事実関係を問い合わせると、「質問はファクスで送ってください」とのこと。質問状を送付したが、期限までに回答なし。1日遅れで届いた書面にはこう書かれていた。
<(清水)理事長からは運動部を強くしたいとのご相談を受け、運動部関係者を紹介したのをきっかけにして、上京された際には関係者を交えて会食をすることもありました。会食の際は、交互に支払うようにしています>
<文部科学副大臣在任中は割り勘で支払っており、国民の疑惑を招くような行為をしておらず、したがって大臣規範などに違背することはしておりません>
藤原文科次官は異例の定年延長3回
疑惑の接待時期は安倍政権下ではあるものの、菅政権にもダメージが及ぶのは必至。というのは、藤原氏は「官邸のスパイ」とあだ名されるほど、政権中枢にベッタリなのだ。
「藤原次官は菅首相の懐刀である和泉洋人首相補佐官に非常に近い。加計学園問題で官邸に弓を引いた前川喜平元文科次官を慕う省内の抵抗勢力を排除するため、官邸の意向による異例の大抜擢で18年10月に事務方トップに就いた。霞が関イチのイエスマンですよ。3月末にこれまた異例となる3回目の定年延長をし、次官を続投するとみられています」(霞が関関係者)
前川氏は著書「面従腹背」で、こう書いている。
〈藤原教育局長からショートメールで、「和泉さんから話を聞きたいと言われたら、対応される意向はありますか?」と送られてきたのです〉
「藤原教育局長」は藤原次官、「和泉さん」とは言うまでもなく和泉補佐官のことだ。亀岡氏はもちろん、ヒラメ官僚も国会で説明させる必要がある。