正直に言って、これはやられたと思った。
■仮面ライダーディケイド 第24話「見参侍戦隊」
異なる世界を旅するディケイド兄さん。
既存の「仮面ライダー」の9つの世界は回り終わり、ついでに謎世界を2つも回り、今日は新しい世界へやってきました。
そこは「仮面ライダー」の存在しない世界。
すなわち。
「シンケンジャー」の世界でした。
今週は「シンケンジャー」さんはゴルフ中継でお休み。
そんな休日スケジュールを利用した、ニチアサヒーロータイムだからこそ出来たコラボレーション企画です。
素直に凄いと思った。
何が凄いって、きちんと話として成立しています。
この手のコラボ企画は得てしてただの蛇足回で終わりがちなものですが、「ディケイド」の根幹に関わる展開をさらりとやってのけている。
「シンケンジャー」はかなり強固な世界観を持つ戦隊番組です。
今までのシリーズの中でも確固たる設定を持っている。
それを上手く取り込み、「仮面ライダー&戦隊」の展開に全く違和感を覚えさせないのは凄い。
そして違和感がないことに、静かな恐怖を覚えた。
鳴滝さん:
「侵食される…」
「この世界もやはり、『ライダー』に」
やっと、鳴滝さんの懸念を理解した気がしました。
「シンケンジャー」ほどしっかりと作られた番組ですら、違和感なく「ディケイド」に取り込まれてしまう。
これが世界の破壊でなくてなんなのか。
この分だと、「プリキュア」の世界に「ディケイド」がやってくる展開も違和感なく受け入れてしまいそうです。
実写セーラームーンクラスの再現度の実写プリキュアと、ディケイド兄の共闘とか、ネタじゃなくマジであってもおかしくなさそう。
少なくとも私はそれくらいではもう驚かないですよ。それは「ありえる」の範疇になってしまった。
直接的に「ディケイド」が登場しなくても、「ディケイドプリキュア」は誰もが連想しました。
ていうか、実際にやった人も少なくありません。(私もやった。「ディケイドプリキュア」)
ですが「ディケイド」登場前には、こういう方向性のリメイク&セルフパロディな話を考え付いた人はほとんどいなかった。
今までにもコラボ企画や全員集合ものはありましたが、ここまで大々的に改編をアリだとしたのは「ディケイド」が初に近いと思います。
それもただの改編じゃない。
「スパロボ」のような「同一世界に○○が同時存在していたら」でも、スターシステムのような全く別の世界観でも、単なる性格反転や「if世界」でもなく、「既存テーマはそのままでストーリーが違う」というのは斬新に感じました。
この手法は本気で強力だし魅力的。これがアリなら、今までのお話作りの概念が崩壊します。
もう何でも「ディケイド」化できる。まさに世界の破壊者。もう、昔の発想には戻れない。
鳴滝さん:
「始まった」
「やはりこの世界にも『ライダー』が生まれてしまった」
これは鳴滝さんが恐怖するのも当然です。
過去のコンテンツが崩壊するだけでなく、今後のコンテンツまで崩壊した。
何を作っても「ディケイド」化できるのなら、どんな新番組を見ても「これが本物唯一絶対の展開ではない」となる。
例えば今後毎年、新しい「仮面ライダー」シリーズが始まると同時に、「劇場版ディケイド - ○○の世界」をやれてしまう。
まだ番組が終わってないのに、ディケイド化。もはやどっちが本家かも分からない。
実際にはそういう映像が作られなかったとしても、私たちはそういう展開を連想できてしまうし、受け入れてしまえる。一度この発想を与えられてしまったら、もう戻れない。
他の例。私事ですが、上述の「ディケイドプリキュア」ネタを考えた時に、現在放送中の「フレッシュ」の世界もでっち上げてみました。
テーマとゴールは明白なのだから、番組が終わってなくても「ディケイド」ネタは作れてしまう。
もちろん途中の細々した展開は全く予想できませんが(そしてそれが楽しみなわけですが)、大筋は既にはっきりしてる。
ブレずにテーマを貫いてくれることには絶大な信頼があるシリーズですから、逆に最後が予想できるし、だったら「ディケイド」化できる。
で、なまじ「ディケイド」的にクライマックスをでっち上げてしまったら、何か既に完結したような気分になってしまいました。
だってテーマを抽出して、美味しい所だけまとめてしまったら、話が終わっちゃうじゃん!
無論、「本家本元」と私ごときが適当に考えた展開を比較するなんておこがましいにも程があります。当然、予想を外したりテーマを読み違えることもありえます。
ただ、現段階の自分の中での「最終回」は作れてしまう。
ストーリー予想は確実に外すだろうけど、テーマ上の最終回は近いものが作れるだろうし、「ディケイド」理論に則れば、それも立派に「フレッシュ」の世界になる。
正直なところ、ここ最近のパッション登場の大山場に上手くノリ切れてなかった部分があるのですが、この辺が影響してる気がする。
やばい。せっかくの楽しみどころが…。おのれ『世界の破壊者』め…。
(一応言い訳すると、「なかよし」版で内容を先行して見ていたから、というのもあります。あと夏バテ)
と、同時に。言うまでもなく、ここから色んな新しいものも生まれます。
実際に「ディケイドプリキュア」をこそこそ考えた身としても、このネタは魅力的すぎる。
考えてて面白いし、切り口を変えて同じテーマ・キャラクターを描写することで、新しい世界を表現できる。
番組が終わったらそこで終わりの使い捨てが多い中、再度命を吹き込まれ、動きだすのは大きな可能性を感じます。
旧シリーズの復活は素直に嬉しかったし、感動しました。しかも、これが「アリ」ならまだまだ続くこともできる。
これらを「破壊」と取るか、「創造」と取るか。恐ろしい番組だ「ディケイド」。
ヒーロータイムは毎年定期的にお休み回があります。
あんまり定期的にお休みなので、自棄になった人たちが好き放題に脳内感想を書き捨てまくるのが常になってます。
思えば私も、随分と駄文を書き連ねた。
で、今回はそれを本家本元にやられた気分。
お休みだからって好き放題に嘘番組を流しやがって…。
公式に全力で悪ふざけされたら、素人の立場がないじゃないか。もっとやってください。
【蛇足】
ディエンドフォームの「隙間」からナナシさんが沸いて出たのは妙に納得。隙間ばっかりですね、あのライダー…。
【蛇足2】
今日はピンクの人がいつも以上におめかししてた気がする。お茶目さんだ。
■仮面ライダーディケイド 第24話「見参侍戦隊」
異なる世界を旅するディケイド兄さん。
既存の「仮面ライダー」の9つの世界は回り終わり、ついでに謎世界を2つも回り、今日は新しい世界へやってきました。
そこは「仮面ライダー」の存在しない世界。
すなわち。
「シンケンジャー」の世界でした。
今週は「シンケンジャー」さんはゴルフ中継でお休み。
そんな休日スケジュールを利用した、ニチアサヒーロータイムだからこそ出来たコラボレーション企画です。
素直に凄いと思った。
何が凄いって、きちんと話として成立しています。
この手のコラボ企画は得てしてただの蛇足回で終わりがちなものですが、「ディケイド」の根幹に関わる展開をさらりとやってのけている。
「シンケンジャー」はかなり強固な世界観を持つ戦隊番組です。
今までのシリーズの中でも確固たる設定を持っている。
それを上手く取り込み、「仮面ライダー&戦隊」の展開に全く違和感を覚えさせないのは凄い。
そして違和感がないことに、静かな恐怖を覚えた。
鳴滝さん:
「侵食される…」
「この世界もやはり、『ライダー』に」
やっと、鳴滝さんの懸念を理解した気がしました。
「シンケンジャー」ほどしっかりと作られた番組ですら、違和感なく「ディケイド」に取り込まれてしまう。
これが世界の破壊でなくてなんなのか。
この分だと、「プリキュア」の世界に「ディケイド」がやってくる展開も違和感なく受け入れてしまいそうです。
実写セーラームーンクラスの再現度の実写プリキュアと、ディケイド兄の共闘とか、ネタじゃなくマジであってもおかしくなさそう。
少なくとも私はそれくらいではもう驚かないですよ。それは「ありえる」の範疇になってしまった。
直接的に「ディケイド」が登場しなくても、「ディケイドプリキュア」は誰もが連想しました。
ていうか、実際にやった人も少なくありません。(私もやった。「ディケイドプリキュア」)
ですが「ディケイド」登場前には、こういう方向性のリメイク&セルフパロディな話を考え付いた人はほとんどいなかった。
今までにもコラボ企画や全員集合ものはありましたが、ここまで大々的に改編をアリだとしたのは「ディケイド」が初に近いと思います。
それもただの改編じゃない。
「スパロボ」のような「同一世界に○○が同時存在していたら」でも、スターシステムのような全く別の世界観でも、単なる性格反転や「if世界」でもなく、「既存テーマはそのままでストーリーが違う」というのは斬新に感じました。
この手法は本気で強力だし魅力的。これがアリなら、今までのお話作りの概念が崩壊します。
もう何でも「ディケイド」化できる。まさに世界の破壊者。もう、昔の発想には戻れない。
鳴滝さん:
「始まった」
「やはりこの世界にも『ライダー』が生まれてしまった」
これは鳴滝さんが恐怖するのも当然です。
過去のコンテンツが崩壊するだけでなく、今後のコンテンツまで崩壊した。
何を作っても「ディケイド」化できるのなら、どんな新番組を見ても「これが本物唯一絶対の展開ではない」となる。
例えば今後毎年、新しい「仮面ライダー」シリーズが始まると同時に、「劇場版ディケイド - ○○の世界」をやれてしまう。
まだ番組が終わってないのに、ディケイド化。もはやどっちが本家かも分からない。
実際にはそういう映像が作られなかったとしても、私たちはそういう展開を連想できてしまうし、受け入れてしまえる。一度この発想を与えられてしまったら、もう戻れない。
他の例。私事ですが、上述の「ディケイドプリキュア」ネタを考えた時に、現在放送中の「フレッシュ」の世界もでっち上げてみました。
テーマとゴールは明白なのだから、番組が終わってなくても「ディケイド」ネタは作れてしまう。
もちろん途中の細々した展開は全く予想できませんが(そしてそれが楽しみなわけですが)、大筋は既にはっきりしてる。
ブレずにテーマを貫いてくれることには絶大な信頼があるシリーズですから、逆に最後が予想できるし、だったら「ディケイド」化できる。
で、なまじ「ディケイド」的にクライマックスをでっち上げてしまったら、何か既に完結したような気分になってしまいました。
だってテーマを抽出して、美味しい所だけまとめてしまったら、話が終わっちゃうじゃん!
無論、「本家本元」と私ごときが適当に考えた展開を比較するなんておこがましいにも程があります。当然、予想を外したりテーマを読み違えることもありえます。
ただ、現段階の自分の中での「最終回」は作れてしまう。
ストーリー予想は確実に外すだろうけど、テーマ上の最終回は近いものが作れるだろうし、「ディケイド」理論に則れば、それも立派に「フレッシュ」の世界になる。
正直なところ、ここ最近のパッション登場の大山場に上手くノリ切れてなかった部分があるのですが、この辺が影響してる気がする。
やばい。せっかくの楽しみどころが…。おのれ『世界の破壊者』め…。
(一応言い訳すると、「なかよし」版で内容を先行して見ていたから、というのもあります。あと夏バテ)
と、同時に。言うまでもなく、ここから色んな新しいものも生まれます。
実際に「ディケイドプリキュア」をこそこそ考えた身としても、このネタは魅力的すぎる。
考えてて面白いし、切り口を変えて同じテーマ・キャラクターを描写することで、新しい世界を表現できる。
番組が終わったらそこで終わりの使い捨てが多い中、再度命を吹き込まれ、動きだすのは大きな可能性を感じます。
旧シリーズの復活は素直に嬉しかったし、感動しました。しかも、これが「アリ」ならまだまだ続くこともできる。
これらを「破壊」と取るか、「創造」と取るか。恐ろしい番組だ「ディケイド」。
(左画像) Journey through the Decade (右画像) CAST-PRIX SPECIAL 侍戦隊 シンケンジャー 公式ヴィジュアルブック 五侍粋変化 (GLIDE MEDEIA MOOK 35) |
ヒーロータイムは毎年定期的にお休み回があります。
あんまり定期的にお休みなので、自棄になった人たちが好き放題に脳内感想を書き捨てまくるのが常になってます。
思えば私も、随分と駄文を書き連ねた。
で、今回はそれを本家本元にやられた気分。
お休みだからって好き放題に嘘番組を流しやがって…。
公式に全力で悪ふざけされたら、素人の立場がないじゃないか。もっとやってください。
【蛇足】
ディエンドフォームの「隙間」からナナシさんが沸いて出たのは妙に納得。隙間ばっかりですね、あのライダー…。
【蛇足2】
今日はピンクの人がいつも以上におめかししてた気がする。お茶目さんだ。