赤い靴で 街あるき

横浜の波止場から~♪函館に。
街の散策やキッチンの片隅から。見たり聞いたりの「ひとかけら」を綴ります。

母と娘のプチ脱走

2014-07-12 | ババ弁&ババ語録

古い話です。

ペースメーカー交換のため、母が入院した昨年10月のことです。
(そろそろ・・・時効かと手に解釈して・笑)

ペースメーカー交換自体は、難しい手術ではないが
自由に動けない高齢者にとっては、10日間の入院中に
歩けなくなったり、認知症になったりのリスクがある。

そんな心配があるので、入院中は毎日、朝から病院へ行き、
朝食から夕食まで、病院で過ごしていた。

母が寝ている最中は、院内でお茶を飲んだり、病室で本を
読んだりして過ごし(幸い個室を確保できた)・・・

術後は、病棟廊下で歩行器で歩く練習をしたり・・・と。
(普段使っている歩行器を持ち込んでいた)

退院間近なある日のこと。
病院敷地内の外出はOKだったので、車椅子で外に出た。
北海道の10月にしては暖かくて、とても気持ちの良い日。
でも、念のために母にはコートを着せて、ひざ掛けを掛け、
帽子もかぶっての外出でした。

病院敷地内はバリアフリー。
「ちょっと、敷地外に出てみる?」
「うん。」
「車椅子でどこまで行かれるかしら?」

歩道は車道に向かって、やや斜めに傾斜しているが
車椅子を押すのに支障はなかった。
「シャバの空気は気持ちがいいね~」などと、いつもの
おバカ全開の母。
数分歩くと、某観光施設に到着した。(トップ写真)

中に入ってみると凄い人で賑わっている。
(体育の日の祝日でした)
風邪でもうつされたら大変!戻らなければ・・・
でも、母は楽しそうに周囲をキョロキョロ見てる。
「戻ろうか?」
「もう少し見ようよ」

本来は都会大好き。イベントも好きな母である。

・・・・迷った・・・。

でも、退院後、車に弱い母がここまで来ることはない。
こんなに晴れた日、こんな賑やかさの中にいられるのは
今日が最後かもしれない。
どんなに気をつけていても、風邪をひくときはひく。
ひかない方に賭けてみることにした。

「ソフトクリーム食べようか?」と母。
携帯と一緒に、小銭を持っていたのでラッキー。
「おいくつですか?」と声をかけられたり・・・
「どこからいらしたんですか?」と尋ねられたり・・・
(すぐ近くの病院から、脱走したとは言えない)
内心は「うぜぇな~」と思っているのだろうが
ニコニコと可愛らしく答えている<老女優>。

展望台も登りたそうな雰囲気だったが、いつもなら
すぐに登れる展望台も、混んでいるようなので
さすがに諦めた。

「只今戻りました~」とナースステーションに告げ
ニヤリと笑いながら、病室に戻った私たち。

その後、風邪をひくこともなく順調に退院。

「あの脱走は楽しかったね~」
「おとーさんだったら、真面目だから、戻ろうぜ。と
絶対に言うよね~」
ささやかな<プチ脱走>を、時々思い出しては
笑いあう母と娘。
基本マジメだが・・・臨機応変(?)さ多々ありの
割合が、よく似ています(笑)。

でも、あの日。並んででも、エレベータで登って
眺望を見せるべきだったのかも・・・。

風邪をひかない方に賭けたとはいえ、やはり
臆病になっていたワタシでした。


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