「快走爛漫Ⅱ」

アウトドア大好き人間です。 (since2005.10) 

8/14(水)  十勝岳、 大雪山

2013年08月18日 10時00分57秒 | 山歩き

 8/14(水)   晴れ、 曇り。

  

 「十勝岳」

 十勝岳に源を発した川が美瑛の町を流れている。 松浦武四郎が初めてこの地へ来て、その川の水を
 飲もうとすると、アイヌ人が「ピイエ、ピイエ」と叫んで留めた。ピイエとは油ぎったという意味で、
 それは十勝岳に噴く硫黄が混ざっているからである。 十勝は生きている火山という強い印象を与えられる。

 「大雪山」

 古い五万分の一の図幅にもヌタクカムウシュペを主にして大雪山は括弧の中に入っていた。(略)
 アイヌ名は次第に影をひそめていくばかりだろう。 北海道の山名にアイヌ語が存在することは私たち
 古典主義者には大変なつかしいのだが、時世の勢いには如何ともし難い。 その樹林の上にスックと
 そびえ立つ旭岳はこの上なく美しく気高い。 北海道の最高地点たるに恥じない。

                              深田久弥  「日本百名山」  より抜粋引用。


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 北海道にある百名山の中の最後の二名山に登りました。


 97座目、  十勝岳。

 望岳台の朝は涼しく気持ちいい。   昨日までの難儀登山は終わった。  
 これからの山は比較的楽に登れるハズ。 それでも何があるか分からないので気を引き締め望む。

 全員車中泊。  皆さん登る準備中です。 (笑)
 

 さて、 行くか。
 

 行く先の天気は怪しい。  昨夜の天気予報では十勝地方は雨時々曇り。
 それでも絶対晴れる! と信じて登るのみ。

 コースは火山礫を直登。  
 こういう火山道は晴れていれば先が見え安全に歩けるが、一度ガスに覆われたら行く先が見えなくなり危険かもしれない。

 

 非難小屋を過ぎ左に大きくカーブ (他の道は火山特有のガスが噴出していて立ち入り禁止) する。
 そしてやっと主稜に取り付く。  あとは真っ直ぐ登り詰めるだけ。

 

 望岳台が小さくなった。
 

 ここまで来てやっと十勝岳本体が見えてくる。
 

 まるで火星を思わせるような雰囲気だ。   (行ったことないけど)
 

 下から見えていた噴出煙が今は眼下に見えている。   ここまで登ってきました。
 

 (下からはあの煙が頂上だと思っていた。  (十勝岳は下からは見えない) )

 どこを登るのかなと思っていた。 ここまで来てやっと判明。  右側細尾根を詰める。
 

 ガスに巻かれたらどこ行っていいかわからないと思う。  

 ほ~ら晴れてきた。   (^^v
 

 振り返る。  先に見えるはお隣にそびえる美瑛岳。
 

 もうすぐ頂上。    この辺まさに壁。  
 

 十勝岳制覇!
 

 ここまで特に休む所もなく淡々と登ってきました。

 

 後続の外人さん(フランス人で横浜在住のグレン)と、 昨夜は上ホロ非難小屋泊の地元の女性、 そして真ん中のおじさん。
 特にグレンと若い女子との3人コラボが特に弾み(いつも大体ボクが話仕掛ける)、 楽しい頂会話と相成った。

 昨日登ったトムラウシが遥か遠方に見えている。  (写真じゃ霞んで見えないね)
 

 女性登山者は天気悪くなるので下山、 横浜グレンは美瑛岳周遊し下山すると。

 ボクもそろそろ下山します。
 

 振り返る。  もう頂上は雲の中。   
 

 あっという間に下山完了。   クルマもいっぱい。
 

 駐車場で一人の自転車野郎が近づいてきた。   なんとさっき頂上にいたおじさんだった。
 

 げっ!  自転車だったんですねえ。  

 話を聞くと昨日小樽FTに着き今日十勝岳に登った。  ここにもパワフルな方がいらっしゃいました。
 これから吹上温泉に浸かりゆっくりする、 寝るところは野宿等どこでも寝れるだって。  北海道恐るべし。

 お疲れさまでした。
 


 ここで一思案。。

 明日の天気は雨確80%    んっ?  ここから旭岳まで90キロ、 近い。   行っちゃう??

 ナビでセットしたコースはボクが頭の中で描いた短縮コースとドンピシャだった。
 もうこの辺りは地図など見なくとも目的地まで辿り着けます。   (って、 ほぼ一本道なので・・ )

 北海道に何回も来れば自然と道を覚えるよね。   ね、 石さん、 ぴろさん。   (^^v

 おし、 大雪山まで行くか。


 全線走り慣れた懐かしい道。   曲がる所も覚えている。 
 

 

 旭岳ロープウェイ駅着。   無料Pで靴を履き替えシャツを着替えスタート。
 

 すぐに乗れた。   (展開早いー )
 

 ロープウェイ降りて少し登った所にある姿見池。
 

 観光客の皆さんはここまで終わり。  この池の右側に着いている登山道を行きます。
 ここも火山岩がゴロゴロする岩場を登る。   もうこの時間は登る一少なく降りてくる人の方が多かった。

 火山ガスがジェットエンジンのようなゴーという音を立てながら噴出している。
 

 左奥が頂上。   この時間はガス出て視界は悪い。  予想していた景色、 仕方あるまい。
 

 ここも休みなく登り、、

 98座目。    大雪山系  旭岳登頂!
 

 これにて北海道百名山全山完登しました!    感無量です!!

 登った順に、 利尻岳、 羅臼岳、 斜里岳、 阿寒岳、 羊蹄山、 幌尻岳、 トムラウシ、 十勝岳、 大雪山。

 本州にある山と違ってなかなか来ることができず、 離島の山は本当に遠く厳しく難しかったです。 

 しかも天気予報では殆ど雨降り。  でも実際の山は曇り、 そしてボクが頂上に立つ時だけ晴れ。  
 日頃の行いの成果がここに来て発揮されたようです。  今回の山行120%OK! と言っていいと思います。

 下ります。
 

 希望の鐘まで降りてきました。   (左のにある石室は非難小屋)
 

 ロープウェイ発車までしばし休憩。
 

 そして空の人となる。
 

 思いもよらぬ二座完了しました!
 

 ってことで、 明日泊る予定だった昨夜浸かった吹上温泉まで90キロ戻ります。 (爆)

 またまた戻って来ましてん。   また十勝登っちゃう? (笑)
 

 ハイ、 到着。
 

 宿泊申し込み後温泉直行。   今回登った山を回想しながら今日も1時間入ってました。 

 よく登り、 よく走り、 よく飲み、 せまい車内でよく眠り、 また次の日もよく登り・・・。

 本当によくやりました。    やり遂げました。    オールOKです!! 


 ※ピークハント言われても仕方ないが予算や休暇取得の関係上、 離島や遠方の山は一筆書きする
  コースでないと完登は難しくやった人でないと理解してもらえないと思う。 これはこれで良しとする。


 ででで、、    北海道最後の夜は豪勢に自炊しますた。。     (← オイオイ)

 テキトーに焼いて久しぶりにTVなんか見ながら独りじっくり飲る。  これが自分へのサイコーのご褒美です。
  (具材は下界のコンビニで事前調達済みなのさ)

 

 腹減った。   

 太って帰ってこというメールを頂いた方にお応えして今夜は思い切り飲み、 腹一杯食いました。    

 


 俗世間ってこんな感じだったのね。     今、 充実感と安堵感でいっぱいです。


 これにて北海道百名山編、  以上です!


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 以降、 明日の帰り編とここまでの軌跡をダイジェスト版でUPしていきます。


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8/13(火)  トムラウシ山

2013年08月18日 06時05分22秒 | 山歩き

 「トムラウシ」

 美瑛富士の頂上から北を見ると、 尾根の長いオプタテシケの彼方にひときわ高く荒々しい岩峰を
 牛の角のようにもたげたダイナミックな山がある。 それがトムラウシであった。 
 それは私の心を強く捕らえた。 あれに登らねばならぬ。 私はそう決心した。
 あちこちに雪の解けた池があり、 その原が果てしなく広がっている。 この雄大、 この開豁、
 こんなおおらかな風景は内地では求められない。

                              深田久弥  「日本百名山」  より抜粋引用。

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 8/13(火)    小雨、 曇り、 晴れ。


 トムラウシ山に登ってきました。    

 ここはフツーの山なのですが、 幌尻岳や他の山とは違いクマの匂いプンプンでしかも前後に
 他者いなく本当ににクマの恐怖に怯えながらの山登りでした。   (この感じ行けばわかります)


 東大雪荘を3時半に出発。  昨日上った真っ暗林道を行けばトムラウシP着。
 今日は慣れた道、 そして出発準備し意気揚々で登り始めた。  (なんだか今日はイケル! と思えた)

 最初は小雨、 でもなんだか晴れそうな気がしてした。  というか晴れる、 を確信していたそんな感じ。

 

 この先がプーさんの生息地だ。    (ホテルの情報板による)
 

 緊張ー!!      

 わけ分からない半ば奇声出し(笑)、  鈴大きめに鳴らし今にも出そうな雰囲気ムンムンな笹道を歩く。

 

 この辺りドロ道で滑る滑る。   そしてすぐに膝下からがドロだらけになる。

 分岐着。   ここまで来れば一安心。   (やっと笹林を抜け稜線に出そうな雰囲気がしたから)
 

 ここから雪渓を登り詰める。
 

 岩岩を行けば・・
 

 前トム平着。    ここから気持ちのいい平原やだだっ広い尾根を登る。
 

 この辺りから晴れてきましたー!    これはもうカムイ (神) がかり??    


 ※ただし、、   
  数年前、どこかのツアー客が暴風雨の中強行突破し結果数人が倒れ遭難絶命した場所がこの辺り。  
  いまだ記憶に新しく、 この地を踏むとその時の苛酷な光景状況が脳裡をよぎる。   あの時は・・。

  なので今回ザックの中にはツェルトとダウン、ラジオ、数日分の簡易食料とアマ無線機そして発煙筒を持参。
  (大袈裟かもしれないが発煙筒以外の装備は四季どんな山にも持っていくモノです)



 ここからロックガーデンが続きます。   画面じゃわからないけど、ひとつの岩がデカイこと。
 

 この辺りもガスに巻かれたらどの方向に行ったらいいかまったくわからないと思う。  晴れてよかったです。

 トムラウシ公園を見下ろします。  上から見るととてもキレイな場所でした。
 

 頂上は右上。   
 この辺では鳴きウサギのキーキーというカワイイ鳴き声が聞こえてきた。  でも姿は見えず。。

 南沼キャンプ場との分岐。
 

 

 当時きっとこの辺も暴風雨で行く先が何も見えず難儀したことだろう。 自分のことだけで精一杯だったろう。

 合掌しました。


 最後の急登、  詰めるでー!! 
 

 トムラウシ山完了。
 

 宿作成のおにぎり食べてしばし休憩。

 もっと晴れてきた。
 

 ここで後続者が興奮気味で言っていた。   「ドロ道終わりごのお花畑でクマが出た。 その距離5m!」 と。

 クマ避けスプレーを片手に構え鈴を思い切り鳴らしたら笹の中へ消えていった、  って。 
  (唐辛子成分が入ったモノで1万円くらい。  ←値段じゃない、 生きて帰れれば安いモノだ)

 今朝の霧が立ち込めるあの深い笹道、 やっぱりな。    なんかあの辺り妙に気持ち悪かった。

 時間的に過ぎる頃は奥に引っ込んでいる? だろうがそれでも帰り十分気を付けよう。 


 下ります。  最後に見上げる。    ありがとうトムラウシ。
  

 トムラウシ公園内に咲いていたカワイイ花たち。
 

 

 ここは大雪山系縦走路コースの一部。   
 一番遠い人で層雲峡黒岳からの人や旭岳からの縦走者たちと前後する。  皆さんテン泊や非難小屋泊。

 ボクもいつかはやってみたいと思いました。   次回?はのんびりと数日かけての縦走もいいな、 と。

 雪渓を下る。
 

 ここが例の場所。       プーさまへ、  絶対出ないでよね!!
 

 ここから先1時間くらいはもう怖くて怖くて。  これマジっす。  
 見るもの触るもの (笹や枝) 何かの音 (鳥の声?) 、  全部が全部怖かった。  いつの間にか前後人いない。

 「あの笹の中からいきなり出てきたらアウトだな」     みたいな。。

 それでも笹道の切れ間から下界が見えた瞬間は嬉しいのなんのって。
 

 カムイ天上を過ぎた所でやっとひと息。   ここまで来れば安心だ。

 そして休んでいたら素晴らしい歩荷さんと出くわした。
 

 こういう方がいるから安全に登山ができる。

 この方が言った。   「凄いドロ道で有名なっちゃったね、 すみませんね」   と。
 ボクも言った。    「このドロと遊ぶのことでカムイ様と一緒に遊べた気がしました、  いいんじゃないですか」

 道中数か所にある看板に書かれていた。
    
 「このドロ道でカムイが遊んでいる、 なので皆さんもカムイと一緒にこのドロ道を楽しみ遊びましょう」 と。

 人間がカムイの聖域に入らさせていただいている。    なのでこんなドロ道なんて全然平気だよ。

 お疲れさまでした!
 

 駐車場で頭から水をかぶり着替え軽くストレッチ。  そして近くにいた明日登る方に情報提供。

 林道を下り、、
 

 ジムニーで来て良かったなー、   思えた瞬間。    (^^v   
 舗装路では他車に煽られまくる (笑) が  こういう場所では前を行く普通車が避けてくるのさ。

 えらいぞジムニー!!      旅の良き相棒。

 宿着。   ここでドロだらけの靴とスパッツ、 カッパズボンを洗い流した。
 

 しばし休憩後 明日登る予定の十勝岳目指しまたまた280キロ走ります。   (^^;

 曙橋にバイクが止まっていた。    数年前の自分を思い出し思わず声をかけた。
 

 ペンケ林道 ~ シートカチ林道 ~ 曙橋経由  ヌプントムラウシ温泉に入ってきたと。

 北海道は林道と素の温泉の宝庫。    ツーリングライダー気を付けてな!


 富良野を目指し狩勝峠を過ぎ、、    (ここも何回も走った峠)
 

 千葉のバイク仲間の石さんからメールが入った。  「佐野おぐら屋ラーメンにいるので全員集合!」 と。
 ボクのResはこうだ、   「狩勝峠まで出前願います!」  と。   バイク仲間いいもんですね。

 ルールルルル♪
 

 で、、   お目当ての吹上温泉着。     ここの温泉はサイコーなんです。
 

 

 1時間は入ってました。  弛緩されました。  

 ここの施設はデミトリー部屋があり自炊のみで安く泊まれるのです。 (2,600円)
 北海道最後の日に泊ろうと思います。

 そこから数キロ先にある十勝岳登山口のある望岳台へ。

 長い長い一日が終わります。
 


 白銀荘に行く前に下界のコンビニで買っておいたぬるいビールでトムラウシ登頂の祝杯をあげる。
 
 温いビール? 全然問題なし。  10時間歩いた後に280キロ走って着いたクルマの中は最高の居酒屋なので。

 ハイ、  明日も登ります。


 以上です!





 

 

 
 


 


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