「武尊山」
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武尊をホタカと読める人は、山好き以外にはあまりいないだろう。
山名は日本武尊ヤマトタケルノミコトからきたと言われている。
前武尊の頂上には高さ四尺くらいの銅像が立っているが、それは
日本武尊を現わしたものである。
日本武尊の東征と山とは縁が深い。碓井峠、四阿山、武甲山、
神坂峠、それからい伊吹山へと、みなこの古えの武将の言い伝え
が残っている。そして武尊山に至っては、名前までが同じである。
しかしここには伝説がるだけで、拠るべき旧記がない。
日本百名山より。
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武尊山、群馬県にある山である。
東には日光白根山、南は赤城山、西に谷川岳、そして北に至仏山。
そんな山々に囲まれた2,000m級の山が武尊山である。
11/7(土)
自宅5時発、R50を西に行き赤城東面道路を通り、老神温泉へ出て
から片品村へ。 ドン突きの武尊牧場スキー場ゲレンデ先が登山口。
「7:30登山開始」 ゲレンデ脇の蛇行林道を延々と登る。
スキー場ゲレンデ脇の舗装された林道を延々約50分登るとスキー場
終点に飛び出す。 そこを左に曲がり少し行った場所が正式な登山口。
「やっと正式な登山口へ」 ここまで約50分、結構急坂で汗びっしょり。
ここから気持のいいブナ林が続く。今は枯れ木だが新緑の季節や夏場は
清々しいだろう。 ブナ林周遊コースもあるのでのんびり歩くのもいいかも。
ブナ林を抜ける頃、今週降った残雪が多くなってきた。
登山道は稜線の北側を行くため、ずっと残雪の道を行くことになる。
~ 牧場を抜けるとそこは雪国だった・・ ~
「残雪のブナ林」 この先から足首埋まるくらいの残雪路が・・
「結構距離あるなあ」 雪に足を取られる。 気を付けて進んだ。
熊笹道が多く見通しが効かない尾根筋の道を歩く。
下の駐車場からずっと僕一人。 このコースはマイナー?なのか誰とも会わず。
なんだが熊が出そうで少し怖かったので、時折大声を出しながら歩いた。
雪には鹿の足跡に混じり、クマっぽい? 足跡も・・ ひょえ~
「稜線上に出た」 景色抜群で日光白根山や皇海山まで見渡せた。
「中の岳遠望」 なんだかイヤな予感。 あの雪が付いた尾根登るのかな?
「中の岳近望」 イヤな予感的中。 しかもその上はまるで氷の壁。 怖ェ~
「氷の世界♪」 写真じゃ分かりずらいけど、ここ、すんご~く斜度あります。
(下方の雪が付いたヤセ尾根を登ってきた。 写真撮るのも必死、心臓バクバク)
鎖は氷に埋まっていた。今日は誰も登ってはいないようだ。本日のトップ引きは僕だった。
鎖やトラロープがあればまだましである。 その両方がない雪の超急斜面では、
腰まで雪に埋まりズルッと落ちると本当にヤバイので腕を肩まで雪に突っ込み、
滑落しないよう工夫し必死の思いで、もがきながら少しづつ登っていった。
「すりりんぐぅ~」 ここも超急斜面。 雪と氷の壁をよじ登る。
「鎖が氷に埋まって引き出せないの図」 アイゼン持ってきてよかった~
やっとの思いで北斜面を乗越し稜線に出た。 でもここも雪の世界、気は抜けない。
「分岐」 左はオグナスキー場からの登山道で最短距離。 右が頂上。
ここから頂上まで巻き道が続く。
落ちるとヤバそうな凍った池をぐるりと回る。(斜面上を歩き)
その先が少々急登。 アイゼンが岩でズルッと滑って危ない。
日陰では膝下まである雪。 そんな雪をラッセルしながら登っていく。
「ずっと先に頂上」
「日本武尊」
「武尊山登頂」 おにぎり休憩 & 写真撮りまくり。
「頂上は20畳くらい?」 信仰の山のためお供え物が多かった。
360°の世界を十分楽しむ。 気温も高く暑いくらい。
次から次へと登山者が来る。 いろいろなコースがあるので面白い。
でも僕が登ってきたコースからは誰も来ていない。 帰りが心配である。
なんてったってあの恐怖の氷下りが待っているのだ! 誰か代わってくれ。
さ~て、、 そろそろ下るかな。。。
「キ、キター! 」 氷が好きになってきたよ。
「片手運転です」 写真じゃ短いように見えるけど、この下りすごく長かった。
「氷大好き♪」 アホです。 鎖より結び目がついたトラの方がありがたい。
「無事下って振り返る」 実物は絶壁。 右寄りの氷の壁を降りてきますた。
その後も残雪の尾根筋の道を下る。 笹道ではまた大声を出しながら歩いた。
途中広くなった場所でアイゼンを外し小休止。 水分補給とストレッチ。
スキー場まで2km地点からブナ林に変わる。
木漏れ日とブナ林が何とも言えない景観を見せていた。
「気持のいいブナ林」
「スキー場を延々と下る」 人っこひとりいない静かなスキ場。
結局、武尊牧場スキー場登山路から登ったのは僕一人だった。
寂しいやら静かな山行で良かったやら・・
一番の最長距離コースを登ってしまった。
でも、もしもの事を考え、前後見える範囲で他の登山者がいた方が安心かな。
最悪の場合の “見届け人” という立場の人がいた方がいい場合もあるので。
(危険な梯子下りや悪天候時、滑落時等、誰か見ている人がいた方がいい)
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初冬の山行。
今日は温暖な気温という予報で決行したが、上は完全な冬だった。
安全無事に帰宅できたからいいようなものの、全コース僕一人、
しかも危険な氷雪の急斜面もあった。 今回は結果良しだが
今日をもって北方面の山はお終いにしようと思う。
ただ、頂上の澄み切った空気の中の360°の景色は絶対に忘れない。
なので、今回は結果良しとする。 楽しい山行でした。。
行き) 2時間
登り) 3時間50分 (氷雪悪戦苦闘)
下り) 2時間40分
帰り) 2時間30分
これにて尾瀬方面の山は全て完了しました。
(平ケ岳、会津駒ケ岳、燧ケ岳、至仏山、皇海山)
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帰宅後徒歩で・・
久しぶりの麺屋一心、 またもや一人祝杯。
「野菜、大盛り、ニンニク、カラメ、生ビ」
登山の後は登山系で決まりっ!!