中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

南京の旅(4)上海から南京へ

2007-09-13 09:08:35 | 中国のこと
 敏敏と母親と一緒に南京に出かけた。敏敏の母親も久しぶりの里帰りのようだった。2003年に揚州、南京に行った時には車を使ったが、今回は列車の旅だった。

 中国の大きな都市の鉄道の駅(站zhan)はどこも大きいが、発着便数が多いのか非常に混雑している。駅の外では地べたに腰を下ろして乗車待ちをしているらしい人も多い。

 上海駅の構内通路。ここは駅のホールからエスカレーターで上がった2階にあり、この両側に発着便ごとの待合室がある。


 南京行きの便の待合室。私達が乗る列車の前後にも2本南京行きがあり、便ごとに座席が指定されている。


 やがて発車時刻近くになるとアナウンスがあり、皆は立ち上がってホームへの出口に向かう。しかし狭い出口に押しかけるので混雑する。1列に並んだらスムーズに行くのにと思うが、このあたりが中国的か。

ホームに下りて列車に乗る。列車は日本の新幹線型である。


 先頭車両。ノーズの形は新幹線の車両に似ている。この列車は和諧号と言い、中国で初めて時速200~250キロを出すように設計、製造された。使用される車両はCRH(China Railway High-speed)と呼ばれている。編成は1等車、2等車と食堂車。


 和諧(hexie)は「調和の取れた」と言う意味。胡錦涛政権が2004年に打ち出した新しいスローガンで、最近は中国の街のあちこちで「建設和諧社会」のように使われているこの言葉を見かける。都市と農村の発展の調和、地域の発展の調和、経済と社会の発展の調和、人と自然の調和ある発展、国内発展と対外開放の調和が目的だと言う。

車内。


 上海から南京までの路線は、上海を出ると西に向かい蘇州に至り、そこから北上して無錫、常州、鎮江を経てさらに西に向かって南京に至る。この間約300キロ、東京名古屋間くらいの距離だ。料金は片道約90元(約1,350円)。
 
 上海を出てしばらくして、時速246キロという最高速度に近い表示が出たが、その後は平均して140~160キロくらいの速度だったから、これはデモンストレイションだったのかも知れない。在来線の上を走るから新幹線よりも揺れを感じる。

 蘇州は通過して無錫に着く。無錫はかつて「無錫旅情」と言う歌謡曲で日本でも知られた都市で観光資源もあるが、改革開放政策によって急激に発達した近代的な工業都市である。とりわけ日本企業の進出が多いようだ。


 常州。2500年の歴史のある都市で、名所・旧跡が多くあると言う。常州駅に近づくと高い塔が見えたが古い時代のものか新しいものかは分からない。無錫と同じように工業が盛んになっているらしい。


 鎮江。古くから商業都市として発達した都市で、歴史的価値や記念的価値が高く、現在も継続して使われている都市を保護する制度によって、「国家歴史文化名城」に指定されている。「城」は中国では都市を意味する。蘇州、無錫には行ったことがあるが鎮江は知らないので一度行ってみたいと思っている。鎮江は鎮江香醋という黒酢の産地として知られている。この酢は日本でも売られていて私は好きだ。中国人は殊のほか黒酢を好む。


上海を出発して約2時間後に南京に着いた。




南京駅外観


駅の前面には玄武湖と言う広い池がある。


 駅の地下のタクシー乗り場からタクシーに乗って敏敏の祖父母の家に向かったが、乗り場で待つ乗客の列に次々に物乞いの男女が手を出してくるのはうっとうしかった。多くは障害者だった。