雑記
広州市での規制事項
広州市は人口約730万人、流動人口を併せると常住人口約1000万人の、上海、北京に次ぐ大都市である。市内は車で混雑し活気が溢れていて、上海や北京とはまた違った雰囲気である。ガイドの伍海珠(ウ・ハイチュウ)によると、市にはいろいろな規制があるようだ。
①バイクの禁止
バイクによる引ったくり犯罪が増えたためだそうだ。広州には北の地域の農村部からの出稼ぎの若者が多く、安い賃金で酷使され、そのためにドロップアウトして男は掏りなどの犯罪者に、女は売春婦などに堕ちる者も多いと聞いたことがある。
②電動バイクの禁止
これまで訪れた成都や紹興などの都市では電動バイクをよく見かけたが、音もなく後ろから通り過ぎるので、びっくりしたこともある。この電動バイクの禁止もバイクと同じ理由だろう。
成都で
③クラクションの禁止
市内で車がクラクションを鳴らすと罰金だそうだ。確かに市内には車が多いが、静かであった。
④臭豆腐の禁止
これにはちょっとびっくりした。臭豆腐は豆腐の発酵製品で、油で揚げて食べるが、揚げる時には非常に臭い。私は杭州の路上で初めてこの臭いを嗅いだ時には、鼻が曲がる感じだった。食べても特有の臭気は残っているが今では慣れてしまい、旨いと思うようになった。中国人は非常にこれを好むが、やはり臭いと敬遠する人もかなりいるのかも知れない。それにしても禁止とはと思ったが、広州は交易都市で外国人も多いから、配慮したのかも知れない。好きな者は困るだろうと海珠に尋ねたら、真空パックしたものを売っていますと言って、土産にくれた。
⑤犬の飼育
中国でも近年ペットの飼育が盛んになっているようだ。広州では犬を飼うのには許可証が要るそうだ。これは珍しいことではなく、北京でもかなり厳しい規制があると聞いた。しかし建前はそうなっていても北京では無許可で飼う者が増えたという。広州では実態はどうなのか。もっとも田舎に行けば自由に飼っていて、たとえば貴州のミャオ族の居住地では、ミャオ犬と呼ばれる犬がどの家にもいたし、江南地方の鎮でも多く見かけた。ペットと言うよりも、単なる飼い犬というようなものだ。
紹興安昌鎮で
浙江省西塘で
食膳の風習
広東では料理店に行くと、陶器製の直径15センチほどの皿と直径10センチくらいの椀と湯飲みとがセットになって出される。広東人達は料理が出される前に、まず湯飲みに茶を注ぎ、次にそれを椀に移し、小さな洗面器のようなものに捨てる。要するに食器をすすぎ洗いするのだ。店のほうでも心得て、茶を捨てる容器を出してくれる。肇慶のレストランで夕食をした時には、食器は透明なラップで包まれて密閉されていたが、それでも同席のガイドや友人達は、ラップをはずすと同じように洗った。昔からある習慣なのか、このような風習は中国の他の地域では見たことがなかったので珍しく思った。
広東語
普通、中国語と言うのは北京語音を標準音としてつくられた標準語(普通話プゥトンホワ)である。これには方言が多くあり地方に行くと違う言葉かなと思うことがある。これまでに上海にはたびたび行ったが、上海人同士は普通には上海語で話し、これは普通話とは非常に異なり中国語以外の言語だ。小学生になると普通話を学ぶから上海人はバイリンガルだし、施路敏や唐怡荷は日本語も話せるからトライリンガルだ。
広東では広東語が話される。この広東語も中国語とはまったく異なる言語だ。広東滞在中、周囲で話されるのはすべて広東語で、ガイドの伍海珠もトライリンガルだが、彼女があちこちで話すのは広東語だった。私の中国語はほんの入門程度の貧弱なものだが、それでもまったく知らない言語の中にいると落ち着かないこともあった。滞在中に中国語を聞いたのは2回だけ、1回はホテルのフロントで係員が電話で話していた時、もう1回は私達の車の運転手が携帯電話で話した時で、この時には何かしらほっとした感じになった。
これを機会に少しは広東語の単語でも覚えようと思ったが、結局覚えたのは「無い」を意味する「モゥ」だけだった(中国語では「メイヨゥ」)。
歴史的には上海の地も広東の地も、昔の中国の中心である北の中原から見れば、遥か遠い地の異国だから言葉が違うのは当然なのだろう。実際、広東語も上海語も中国語の方言ではなく、広東人や上海人は自分達の言葉が中国語だと言っていると聞いたことがある。
広州市での規制事項
広州市は人口約730万人、流動人口を併せると常住人口約1000万人の、上海、北京に次ぐ大都市である。市内は車で混雑し活気が溢れていて、上海や北京とはまた違った雰囲気である。ガイドの伍海珠(ウ・ハイチュウ)によると、市にはいろいろな規制があるようだ。
①バイクの禁止
バイクによる引ったくり犯罪が増えたためだそうだ。広州には北の地域の農村部からの出稼ぎの若者が多く、安い賃金で酷使され、そのためにドロップアウトして男は掏りなどの犯罪者に、女は売春婦などに堕ちる者も多いと聞いたことがある。
②電動バイクの禁止
これまで訪れた成都や紹興などの都市では電動バイクをよく見かけたが、音もなく後ろから通り過ぎるので、びっくりしたこともある。この電動バイクの禁止もバイクと同じ理由だろう。
成都で
③クラクションの禁止
市内で車がクラクションを鳴らすと罰金だそうだ。確かに市内には車が多いが、静かであった。
④臭豆腐の禁止
これにはちょっとびっくりした。臭豆腐は豆腐の発酵製品で、油で揚げて食べるが、揚げる時には非常に臭い。私は杭州の路上で初めてこの臭いを嗅いだ時には、鼻が曲がる感じだった。食べても特有の臭気は残っているが今では慣れてしまい、旨いと思うようになった。中国人は非常にこれを好むが、やはり臭いと敬遠する人もかなりいるのかも知れない。それにしても禁止とはと思ったが、広州は交易都市で外国人も多いから、配慮したのかも知れない。好きな者は困るだろうと海珠に尋ねたら、真空パックしたものを売っていますと言って、土産にくれた。
⑤犬の飼育
中国でも近年ペットの飼育が盛んになっているようだ。広州では犬を飼うのには許可証が要るそうだ。これは珍しいことではなく、北京でもかなり厳しい規制があると聞いた。しかし建前はそうなっていても北京では無許可で飼う者が増えたという。広州では実態はどうなのか。もっとも田舎に行けば自由に飼っていて、たとえば貴州のミャオ族の居住地では、ミャオ犬と呼ばれる犬がどの家にもいたし、江南地方の鎮でも多く見かけた。ペットと言うよりも、単なる飼い犬というようなものだ。
紹興安昌鎮で
浙江省西塘で
食膳の風習
広東では料理店に行くと、陶器製の直径15センチほどの皿と直径10センチくらいの椀と湯飲みとがセットになって出される。広東人達は料理が出される前に、まず湯飲みに茶を注ぎ、次にそれを椀に移し、小さな洗面器のようなものに捨てる。要するに食器をすすぎ洗いするのだ。店のほうでも心得て、茶を捨てる容器を出してくれる。肇慶のレストランで夕食をした時には、食器は透明なラップで包まれて密閉されていたが、それでも同席のガイドや友人達は、ラップをはずすと同じように洗った。昔からある習慣なのか、このような風習は中国の他の地域では見たことがなかったので珍しく思った。
広東語
普通、中国語と言うのは北京語音を標準音としてつくられた標準語(普通話プゥトンホワ)である。これには方言が多くあり地方に行くと違う言葉かなと思うことがある。これまでに上海にはたびたび行ったが、上海人同士は普通には上海語で話し、これは普通話とは非常に異なり中国語以外の言語だ。小学生になると普通話を学ぶから上海人はバイリンガルだし、施路敏や唐怡荷は日本語も話せるからトライリンガルだ。
広東では広東語が話される。この広東語も中国語とはまったく異なる言語だ。広東滞在中、周囲で話されるのはすべて広東語で、ガイドの伍海珠もトライリンガルだが、彼女があちこちで話すのは広東語だった。私の中国語はほんの入門程度の貧弱なものだが、それでもまったく知らない言語の中にいると落ち着かないこともあった。滞在中に中国語を聞いたのは2回だけ、1回はホテルのフロントで係員が電話で話していた時、もう1回は私達の車の運転手が携帯電話で話した時で、この時には何かしらほっとした感じになった。
これを機会に少しは広東語の単語でも覚えようと思ったが、結局覚えたのは「無い」を意味する「モゥ」だけだった(中国語では「メイヨゥ」)。
歴史的には上海の地も広東の地も、昔の中国の中心である北の中原から見れば、遥か遠い地の異国だから言葉が違うのは当然なのだろう。実際、広東語も上海語も中国語の方言ではなく、広東人や上海人は自分達の言葉が中国語だと言っていると聞いたことがある。