中国湖南省臨武県の中心部で、路上でスイカを売っていた50歳代の農民男性が、街頭の秩序維持などを担う行政組織である都市管理局の職員に殴られて死亡したというニュースを見ました。男性の親族によると、この事件に反発した住民数百人以上が、警官隊と衝突し、住民数十人が負傷したようです。男性は、無許可営業を理由に、職員から罰金100元(約1600円)を徴収され、職員と口論になって殴られて死亡し、一緒にいた妻も殴られ負傷しました。その後、現場に残された男性の遺体の周りに住民多数が結集、駆けつけた警官隊とにらみ合いましたが、警官隊は警棒で殴るなどして住民を強制排除し、遺体を郊外に運んで屋外に遺棄しました。遺体は間もなく発見され、家族が引き取ったということです。
英国のBBCはこれについて次のように言っています。
このような暴力事件は今回が初めてではなく、都市管理局員のイメージは今や地の底まで落ちている。警察の補助的な役割を果たし、都市の秩序管理や軽犯罪の処理を行う都市管理局員だが、人権団体は昨年発表した報告書で、都市管理局員の「暴力行為」は一般市民の大きな怒りを買っており、社会不安を招いていると指摘した。「暴力」「違法な拘束」「窃盗」というのが、人々の目から見た都市管理局員のイメージである。
中国での人権無視の状態は今更のことではありませんが、改めてこのようなニュースを見ると、この国の状況はひどいものだと思います。経済的には大国ですが、法治国家、文化国家としては二流、三流以下です。やはりこの国の政治体制のありようが根幹にあるのでしょう。このような人民抑圧を続ける限り、この国の未来はないと思います。