地には平和を(小松左京 新風舎文庫)
半世紀近く前のSF短編集。時間テーマが多くて、アイディアはまあ当然ながら古びて見えるのだけど、小説としての面白さは損なわれていないなあと思えた。
表題作は、デビュー前にコンテストに応募して佳作となった作品。歴史が操作されて太平洋戦争が終結せずに本土決戦に突入した日本で味方とはぐれたしまった少年兵を描く作品。
まだ「戦後」感が高い時代に書かれているせいか、少年兵の行動がやけにリアルで、孤独感がひしひしと伝わってきた。時間テーマのSFにするより、架空戦記ものにした方が良かったのでは?と思うほどの迫力だった。
ショートショート3作品(釈迦の掌、コップ一杯の戦争、ホクサイの世界)は、どれもよかった。この頃は星さん以外でもSF作家は皆ショートショートで競っていたような気がする。今やこのジャンルは滅亡してしまったのだろうか。
特に「失格者」「お茶漬の味」が良かった。
「失格者」は、主人公が次第に追い詰められていくさまが迫力満点だった。
「お茶漬の味」は、タイトルから浮かぶイメージとは異なって、けっこうハードなSF。
半世紀近く前のSF短編集。時間テーマが多くて、アイディアはまあ当然ながら古びて見えるのだけど、小説としての面白さは損なわれていないなあと思えた。
表題作は、デビュー前にコンテストに応募して佳作となった作品。歴史が操作されて太平洋戦争が終結せずに本土決戦に突入した日本で味方とはぐれたしまった少年兵を描く作品。
まだ「戦後」感が高い時代に書かれているせいか、少年兵の行動がやけにリアルで、孤独感がひしひしと伝わってきた。時間テーマのSFにするより、架空戦記ものにした方が良かったのでは?と思うほどの迫力だった。
ショートショート3作品(釈迦の掌、コップ一杯の戦争、ホクサイの世界)は、どれもよかった。この頃は星さん以外でもSF作家は皆ショートショートで競っていたような気がする。今やこのジャンルは滅亡してしまったのだろうか。
特に「失格者」「お茶漬の味」が良かった。
「失格者」は、主人公が次第に追い詰められていくさまが迫力満点だった。
「お茶漬の味」は、タイトルから浮かぶイメージとは異なって、けっこうハードなSF。