司馬遼太郎短編全集-1(司馬遼太郎 文芸春秋)
最初期(福田定一名義で発表されたものも含む)の短編集。
日本を舞台にした歴史小説は少なく、モンゴルもの、学者もの、大阪商人ものなどが収録されている。
司馬アディクションの私も読んだことがない小説がほとんど。
大阪商人ものは、昔懐かしい感じ(花登筺さんのTVドラマを思い出した)で意外と楽しめたが、本書収録の中では主力作?といえる「ペルシアの幻術師」などは、後の司馬さんの作品からは考えづらいような幻想的なストーリーで、初期作品に慣れていない私としてはかなり違和感があった。
同じモンゴルものでも、おおよそ史実に沿っているように思われる作品(テムジンを描いたもの)は面白かったのだが。
最後に収録されている「兜率天の巡礼」は、「ペルシアの幻術師」をはるかに超えたファンタジー。
何しろ秦氏=ネストリウス派のユダヤ人説というトンデモな(そうでもないか?)テーマで、ストーリー展開があっちに行ったりこっちに戻ったりといった感じで落ち着きがなく、若気の至りなのか、注文に応じたのか、原因はわからないけど、これまた違和感ありまくり。
司馬さんが書いたものという前提がなければ、普通の面白い小説なんですけどね。
最初期(福田定一名義で発表されたものも含む)の短編集。
日本を舞台にした歴史小説は少なく、モンゴルもの、学者もの、大阪商人ものなどが収録されている。
司馬アディクションの私も読んだことがない小説がほとんど。
大阪商人ものは、昔懐かしい感じ(花登筺さんのTVドラマを思い出した)で意外と楽しめたが、本書収録の中では主力作?といえる「ペルシアの幻術師」などは、後の司馬さんの作品からは考えづらいような幻想的なストーリーで、初期作品に慣れていない私としてはかなり違和感があった。
同じモンゴルものでも、おおよそ史実に沿っているように思われる作品(テムジンを描いたもの)は面白かったのだが。
最後に収録されている「兜率天の巡礼」は、「ペルシアの幻術師」をはるかに超えたファンタジー。
何しろ秦氏=ネストリウス派のユダヤ人説というトンデモな(そうでもないか?)テーマで、ストーリー展開があっちに行ったりこっちに戻ったりといった感じで落ち着きがなく、若気の至りなのか、注文に応じたのか、原因はわからないけど、これまた違和感ありまくり。
司馬さんが書いたものという前提がなければ、普通の面白い小説なんですけどね。