あなたの本当の人生は (大島真寿美 文藝春秋)
作家志望の國崎真実は、デビュー2作目がなかなか書けない。担当編集者の鏡味は、ベストセラー作家:森和木ホリーに弟子入りを勧める。森和木の大ファンである國崎は森和木の屋敷に住み込みを始める。森和木邸にはマネジャーの宇城圭子がいて森和木の身の回りの世話をしていた。森和木は大ヒットシリーズの「錦船」の続編の執筆を望まれていたが、手をつけようとしない。しかし、森和木は國崎を(「錦船」に登場する猫の名前である)チャーチルと呼び始め、鏡味は機が熟したかと期待するが・・・という話
ストーリーらしいストーリーはなく、創作の難しさや苦しさをテーマとしてかつての大作家森和木ホリーの生涯をカットバックしながら描く。タイトルである「あなたの本当の人生は」というのは、森和木が宇城をスカウト?するときに問いかけた言葉で、だれもが「ここではないどこかへ」と望むものの、それが叶うことはなく、自分が過ごしてきたもの以外に人生はないんだ、ということを意味している(のかな?)。
コロッケを作らせた天下一品の國崎が、森和木の元夫の子供と田舎で総菜屋を始める経緯もなかなか面白かった。幻想的な方向へ行ってしまいそうな物語を現実につなぎとめるような働きをしていたと思う。
作家志望の國崎真実は、デビュー2作目がなかなか書けない。担当編集者の鏡味は、ベストセラー作家:森和木ホリーに弟子入りを勧める。森和木の大ファンである國崎は森和木の屋敷に住み込みを始める。森和木邸にはマネジャーの宇城圭子がいて森和木の身の回りの世話をしていた。森和木は大ヒットシリーズの「錦船」の続編の執筆を望まれていたが、手をつけようとしない。しかし、森和木は國崎を(「錦船」に登場する猫の名前である)チャーチルと呼び始め、鏡味は機が熟したかと期待するが・・・という話
ストーリーらしいストーリーはなく、創作の難しさや苦しさをテーマとしてかつての大作家森和木ホリーの生涯をカットバックしながら描く。タイトルである「あなたの本当の人生は」というのは、森和木が宇城をスカウト?するときに問いかけた言葉で、だれもが「ここではないどこかへ」と望むものの、それが叶うことはなく、自分が過ごしてきたもの以外に人生はないんだ、ということを意味している(のかな?)。
コロッケを作らせた天下一品の國崎が、森和木の元夫の子供と田舎で総菜屋を始める経緯もなかなか面白かった。幻想的な方向へ行ってしまいそうな物語を現実につなぎとめるような働きをしていたと思う。