蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

峠 最後のサムライ

2023年01月14日 | 映画の感想
峠 最後のサムライ

幕末、北越戦争を指導した長岡藩家老:河井継之助を描く。

事前に想像していたより随分よかった。
原作は半分くらい河井が家老になるまでの話なのだけど、ここをバッサリ削って北越戦争に絞り、説明も最低限にしたところがよかったと思う。なので史実や原作を知らないと何の話がわからないかもしれないが。

戦闘場面の描写もそれなりにリアルでよかったけど、北越戦争の本質(というか長岡藩が勝勢だった部分)は前半戦だっと思うのだがそこが省略されていたのはイマイチかも。
あと、官軍のユニフォームは日中戦争のころの陸軍みたいで(多分長岡側と見分けやすくするための演出だろうけど)工夫の余地があるかなと思えた。

実戦ではガトリング砲はさほど活躍しなかったみたいだが、映画の演出としては河井自身がぶっ放す場面をもっと派手にしたらよかったかな。

河井の従僕役の永山絢斗さんがよかった。
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長い一日

2023年01月14日 | 本の感想
長い一日(滝口悠生 講談社)

著者らしき主人公と妻が8年住んだ借家は、老夫婦がかつて二世帯住宅として建てたもので、二三階を借りていた。大家の夫は長年鉄くず回収を仕事にしていたが最近引退した。
著者と妻は日当たりがよく大家との関係もいいその借家を気に入っていたが、引っ越すことにする・・・という話。

私小説みたいで、登場人物の多くが実在するみたい。ストーリー展開はなくて家探しエッセイみたいな感じなんだけど、なんてことない平凡な暮らしぶりや生活に対する考え方などになぜか共感できてしまう。
でも、年取った今読むから面白くかんじられるような気もする。若い頃に読んでいたらすぐに放り出していたかも。

実在するスーパー・ストアチェーンのオオゼキが絶賛されている。多分、著者は本当にオオゼキのファンなのだろうが、あまりに(品揃えや店員の接遇が)褒められているので、行ってみたくなった。
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