ものすごく、緊張した。
なにも、大きな舞台で歌ったわけでもなく、
テストを受けたわけでもない。
昨年末から 習いはじめたドイツ・リート。
ドイツ歌曲だ。
有名なところでは シューベルトの「野ばら」。
日本でいえば
「赤とんぼ」とか 「浜辺の歌」とか みたいなイメージかなあ…
はでではないけれど、
歌詞や 旋律の美しい歌が たくさんある。
1曲ずつでも 習っておぼえられたら、
フンフンと 鼻歌まじりに口ずさめるようになれたら
楽しいだろうな
…そう思って 習いはじめた。
指導して下さるのは
以前にいた合唱団で 発音・発声指導を受けていた
なじみのある先生で、
一緒に習うメンバーも、
合唱団関係の顔見知りや
いまもおなじ合唱団で おなじみのお仲間がほとんどで、
10人前後である。
私は習いはじめて ようやく2期目に入ったところ。
先日が その2期目の初日だったのだが、
1曲ひととおり習ってしあげると、先生が
「では、ひとりで歌ってみたい人、どうぞ歌ってみて下さい」
という時間をつくって下さる。
前回のクールでは、とてもそんな勇気はなく、
次々 ひとりで歌ってゆくメンバーたちの歌声を
ひょえ~ ひとりで歌うなんて!
すごいなあ…
という思いで 聴いていた。
人前で ひとりで歌うなんて、カラオケでしか経験がない。
長いこと 合唱を続けているけれど、
パートごとに歌わされるだけでも、
「ソプラノ1列目! 2列目!」
と 何人かずつ歌わされるだけでも
ビビリまくって 声はかぼそく、
いつも出せる高さの音も出せず、
心臓は早鐘のように打ち、
汗がふきだし、ノドはカラカラ、
息はたえだえ。。。になってしまうというのに、
ひとりで歌う!??
とんでもないっっ
というのが 正直な気持ち。
でも。。。
いつも 合唱団の一員として、
みんなに助けられながら歌い、
自分も みんなと声を合わせてハーモニーをつくることに
ひたすら心をくだいている私が
ひとりの歌で なにかを表現するとしたら
どんなふうになるんだろう…
えーい、誰にだって はじめての時はあるんだ
やっちゃえ!!
ヘタなのはもとから百も承知で 歌わせてもらった。
曲は 前回の最後の日と 今日いっぱい指導を受けた
シューベルト An die Musik…「楽に寄す」
ものすごく、緊張した。
スリリングな2分間。
録音したのを聴いてみたら。。。
ものすごく、ヘタ だった
緊張のあまり 息がつづかなくて
息が流れていないとか
歌詞がぶつ切りになっているとか、
そもそも
ドイツ語の発音が まるでなっていないとか。。。
ダメダメだらけ。
でも、
ちいさな練習室で わずか10人たらずお仲間の前で とはいえ
とにもかくにも ひとりで歌える勇気を出せた自分に
その日は ひそかに拍手して カンパイ♪
ここからが はじまりなのかも知れない。
これから 自分なりにすこしずつでも
うまくなってゆけたらいいなあ。
ダメだらけな私は 成長の余地がいっぱいあるはず??