これまでにいちどだけ
音楽の発表会でご一緒したことのある牧師さまが、
ご自身の日記(ブログ)に書かれていたことで
なるほどなと感じ入ったことがある。
”ユーモア”
についてのドイツの定義のひとつに、
「にもかかわらず笑う」
というのがあるのだそうだ。
たとえば、
今、現在は笑える状況にないのだけれど、
そのような状況でも笑うこと。
これが本当のユーモアだと。
そして humor(英語)は、
もともとラテン語のhumores(フモーレス)で、
体液を意味するらしい。
体液とは、
人間が生きていくために絶対に必要な血液、リンパ液などのこと。
”笑い”もまた、
人間が生きていくために絶対に必要だということなのだろう。
むかし観た、
「ライフ・イズ・ビューティフル」
という映画を思いだした。
ユダヤ人を迫害していたナチスから
自分の息子を守るために、
幼い息子が 戦争の影や空気におびえないよう
恐怖のために こころがこわれてしまわないよう、
起こるすべての事象や状況を いのちがけで
笑いや ゲーム といったものに変換して
息子に伝えるユダヤ人の父親の姿があった。
あれが、わたしの思い浮かべるユーモアの姿。
知性と 愛情と つよさに裏打ちされた意志的な笑い…
といえばよいのだろうか。
すぐにおろおろして、
自分をなだめるためであれ
人を励ますためであれ
気のきいたことのひとつも言えないわたしだけど、
そんな ユーモア を
身につけられたらいいな と思う。