CINEMAとMOVIE?

英語&米語

映画大好き、ごきげんな毎日・・・そして、やってきた猫の話

浅田次郎・著「一路」

2015-11-23 12:00:11 | 読書


浅田次郎さんのちょっとオモシロ本
参勤交代を描く時代小説、


小野寺家は代々続く御供頭、
当代である父親が国元で失火のため命を落とし、
19歳で江戸詰めの嫡男一路は急きょ跡を継ぎ、
参勤交代の供頭をしていくお話、
失火は大罪につき、道中に不手際あれば即刻家名断絶の瀬戸際、

うつけ者のお殿様、一路を取り巻く周辺、
登場人物のエピソード、
そして、大きく藩ののっとりの人物やらが蠢いて、
たいへん面白うございました、

まず、焼け跡から唯一残った参勤交代のマニュアル本が出てきまして、
まあそこには、江戸時代の初め、制度の何たるかを書いてあるわけで、
「いざ・鎌倉!」ならぬ、「参勤交代は行軍、戦そのものである」で、
いかに効率よく、しかも戦いに赴くかが書かれているわけです、

一路は江戸詰めの身で後継ぎらしいものは一切行われていなかったし、このマニュアル本が頼りなわけです、
で、国元である西美濃・田名部藩のお殿様が蒔坂左京大夫(まいさか さきょうのだいぶ)、
この人物が世継ぎとして生まれるまで、藩主が叔父である蒔坂将監(まいさか しょうげん)だったわけで、
うつけ者のお殿様では世が成り立たんとばかり、転覆をはかっていくんですね、

そんなこんなも知らぬ一路が出立までの供揃えから、道具、宿の手配を一切合切していくんです、

はじめは失火大罪の家なわけなもんで、かかわりを避けようと人々はそ知らん顔をするんですけど、
そこには、やっぱり訳しりな人たちも居るもので、

道中先者、供奴、馬たちまで立派な行列が出来上がって、
各宿場での出来事、雪中峠越え、関所、殿様の病気・・・
多難苦難の連続であります、

しかし、旅に付いている占い師や髪結い、坊主たちも良い働きをします、
陣をはる宿場での差し合い(宿泊藩が重複すること)、藩主とのいざこざ、・・・
それを、お殿様左京大夫は誠意を持って処して、一致団結して行軍し続けて、めでたく完結します、
最後にオチもあるし、


浅田次郎さんと言えば「蒼穹の昴」「終わらざる夏」はシリアスもののイメージで、
でも、これは一種コメディ?と思えるほど愉快に読めました、
最後ホロっともさせていただきましたし、

あ~ユカイでした


佐々木蔵ノ介主演の映画「参勤交代」も可笑しかったようですけど、
こっちも読みごたえたっぷりで、大満足でした、
いやあ、本は良いですなあ
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天童荒太・著「歓喜の仔」

2015-10-01 11:57:15 | 読書


≪あらすじ≫
暗い古いアパートの一室に暮らす、
植物状態の母親、17歳の誠、12歳の正二、そして幼稚園に通う6歳の香、
父親・信道は借金で一年前から失踪、

その筋の金融屋の取り立てに、ヤバい仕事をする長男と次男、
長男は朝早くから市場で働き、夜は中華屋で働き、
夜中は正二とふたりで薬のパケ作り、
正二は学校からは無視され続け、ただひたすら家に人が来ないことだけを目的とし、
寝たきりの母親の面倒を見ている、

香はあるときから、死んだ人が見えるようになり、
外国人の子どもたちが多くいる園で過ごしている、
何もかもに「くさい」と言う言葉がつながる
彼女にだけに父親が会いに来る・・

・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*

夜逃げしたにもかかわらず、借金の身代わり返済した金融屋に行政の不手際で居所をつかまれ、
追い詰められ、窓から転落した母親が入院し、
その後、好転しないまま退院、
薬の仕事をさせられながら、借金の返済を待つ兄弟、

誠に仕事をさせている組関係は裏切りもあるなかで、
彼の口の堅さは誰もが認めている、

福祉が入ることはそんなわけで避けている、
生活は労賃と差し引きで組が面倒を見ている、

・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*

※ネタバレあります

父親のストーリーや、
母親のストーリーがつまびらかにされたり、

また兄弟には、
誠に好きな人ができたり、
正二に難民のルスランと出会って愛以上のものを見つけたり、
香はクラスメイトの遠く離れた刑務所に居る母親にところへ「群れ」で行ったり、

とそれぞれの物語が語られ、





で、最後ここは驚きでした、

香が見えていたお父さんは既に死んでいて、
そのお父さんを死なせたのは母親であって、
その現場を見た正二が押し入れの下を掘って埋めた、・・・と

だからなおさら人が来ることも嫌がったり、
引っ越しも出来なかったり、
香がお父さんが見えたり、
母のショックが大きくて病になったりと、

最後はつらいですね、

じゃあなんで「歓喜の子」だと?
誠は幸せに暮らしてた時、音楽が好きで、独唱とかしたり、
それが「歓喜の歌」
こどもたちが片寄せあって、でも強くて、愛情もあって、
スゴイよこの子たち、

天童荒太さん、骨太ですね、
誠が作った妄想の「外国の少年兵士リース」の話はちょっと飛ばし読みしてしまいましたが、

良かったですね、
最後まで読んで、
相変わらずとっても暗くて、キツくて、でも良かったです、
映像はダメですね
「家族狩り」「悼む人」も本では読めるけど、

「永遠の仔」が再び本を読みだすきっかけだったもんで、
天童さんのファンです、

しんどかったけど、やっぱり良かった












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新田次郎・著「銀嶺の人」

2015-09-10 12:22:10 | 読書


≪ストーリー≫
勝ち気で何もかもよく出来る「泣かない子」駒井淑子、
無口で芯を持つ若林美佐子、
ふたりは天候の荒れた八ヶ岳で遭遇、
小屋で避難するが、美佐子は口数少なく、ひとりしゃべる淑子

数日後そこにやってきたJAC山岳会の3人の山男たちと出合う
そして、岩登りに誘われ、ふたりは魅了される

JACに入会し、岩壁登攀を繰り返し、ものにしていく
敏子は医大の医師となり、
美佐子は鎌倉彫の若手の彫刻家として未来を期待される、

JACは彼女たちを「マッターホルン北壁」登攀に挑戦するように勧め、ふたりは熱いものを感じながら成功させる
日本で女性の初登攀の結果を出したことで会は一躍注目を浴びるが、
ジャーナリストたちに追われ、話すことが苦手な美佐子は会を辞めてしまう、

その後淑子は、医師の仕事をしながら、会とともに登攀を続け、
同じように美佐子は鎌倉彫の文様に悩みながら山を続けていた、

JACは、アイガー北壁にアタック、淑子もメンバーに入るが、
男たちの中で先兵にはなれず、また過酷な状況で幾度も危険な場面に遭う、

成功させた会のリーダー佐久間から求婚された淑子は断るが、
佐久間はそのままスイスに残り、帰国した彼らの会は解散する、

美佐子は仕事に行き詰まりを覚えながらも没頭していた、
そのなかで、初心者ふたりを岩登りに連れて行くことを約束させられ、周りの山だけに登っていたが、
ふたりには才能がなく、
最後にそのうちのひとり、ひろみの懇願で冬の谷川岳に入ることになるが、
ひろみの性急さで遭難してしまう、
助けをじっと待つふたりに、救助に来たのが、JACのメンバーと淑子だった

美佐子と淑子はときを同じに婚約者を持ち、
淑子は結婚式を「グランドジョラス」ですることに、
そしてすでに夫婦となっていた美佐子は新婚旅行で同じくドリュー西壁へと、・・・

・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*

山に詳しくもないのに山岳小説が好きなんですよね
新田次郎さんは「孤高の人」を読んでから、ちょっと尊敬しますね
崇高な感じがして、

この小説、今井通子さんと若山美子さんがモデルだそうです
今井さんはよくメディアにも登場していたし私でも知ってるけど・・

※最後のネタバレしますが




美佐子はこの岸壁で夫も一緒に亡くなるんです、
哀しくも美しく、

また淑子のほうも難局に遭いながらも、なんとか生き延びます
美佐子の声を聞きながら・・

女性登山家の話なんで、んん?と思いながら古本をゲットして、
~上巻が古くて字が小さかったw

切り口は柔らかく、繊細で、良かったですね

山行のくだりはやっぱり一気に読みます、

色んな男性が出てきます
そして、ふたりに恋心を持ちます
そんな恋愛部分もありながら、

サスペンス要素がたっぷりです、やっぱり好いですね





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阿刀田高「旧約聖書を知っていますか」CD

2015-08-27 11:36:45 | 読書
英会話仲間のM子さんが持ってきてどうぞ、って
それがもう2か月くらい前、
映像がないし、話聞くだけ、やったから、ついつい借りっぱに・・・

やっとその気になって聞くと、
これがなかなか面白い
阿刀田高さん本を出してはるようで、そこは全編語られてるのかな?

1枚目には、
1.アブラハムと息子イサクの物語
2.子沢山のヤコブとヨセフ一族の繁栄
3.出エジプト
4.シナイ山でのモーセの十戒

2枚目
1.有能なヨシュアとイスラエルの12の部族
2.怪力サムソンと美女デリラ
3.あまりにも人間的な英雄ダビデ王
4.偉大なるソロモン王とシバの女王


クリスチャンの端くれの私ですけど、
まず、映画や本を読むうえでこれらのことがちょっと知ってるだけでももっと面白いのかなと、

で、聞いて興味津々でしたよ

1枚目は、名高い「出エジプト記」の前後のお話で、
何ゆえか、~こんなん言ったらオイオイって突っ込まれるんでしょうけど~、
神様はアブラハムを見込んで啓示を授け、
子々孫々の繁栄を約束するんですね

その信頼の証しに息子のイサクを生贄に捧げよ、と言わはるんですが、
アブラハムは神の言葉は絶対と、言われたとおりにします
しかし、最後の最後にイサクは救われ、神はアブラハムの信心を試したのだと言うくだり、でした

阿刀田さんは、アブラハムの子孫の名前を、アイヤ〰ヨ♪、と覚えると簡単と言うてはりました、
ア:アブラハム
イ:イサク
ヤ:ヤコブ
ヨ:ヨセフ

で、このヨセフが家族からつまはじきされてエジプトに行くんですね、
彼は能力もあってかなり高官になるんですけど、時代も過ぎて、
彼の子孫たちが増え広がって、時のファラオはこの部族を恐れ、奴隷にしちゃう、と

で、モーセの出現となって・・・なんちゃらかんちゃらあって・・・「エクソダス」


阿刀田さんはクリスチャンではないんで、一般目線で読み解くところがイイよね
まあ、いろいろありまして、とか、
そこは神様だからってこともあるんでしょうが・・・みたいな言葉がしょっちゅう出てきまして、
なんちゅうか、正直でおもしろい、

聖書はほんと難しいのですよ、

2枚目はもうすでに忘れちゃってる
映像だと良いのにね




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岸見一郎・著「アドラーの教え・嫌われる勇気」

2015-08-15 14:35:59 | 読書


すべての悩みは対人関係にある、と
それは納得です

最近、ある人間関係が行き詰って、この本を手にしたんですけど
まず、トラウマ論の否定です
「過去の原因ばかりに目を向け、原因だけで物事を説明しようとすると、話はおのずと『決定論』に行きつきます。
つまりそこから起因すると、未来は決定済みである。」


フムフムそうそう、何ぼ分析して原因を突き止めても、そこから次のステップにはいけないこともあるよ
過去の事ばかりにとらわれて、人のせいにしていくと「あなた、そこはなんだか違うんじゃねえ?」
って思ってて、ひとり頷いてました

次に自分のことが嫌いな人のこと
人のことを羨む、
「大切なのは何が与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである。
交換ではなく、更新なのです。」
「ライフスタイルが先天的に与えられたものではなく、自分で選んだものであるなら、再び自分で選びなおすことが可能なはず」


劣等感とは
「客観的な事実ではなく、主観的な解釈」たしかに「性」ではなくて「感」ですもんね
自慢は劣等感の裏返し
「不幸であることによって『特別』であろうとし、不幸であるという一点において人の上に立とうとします。」
不幸を武器に相手を支配しようとする・・・家族や友人を心配させその言動を束縛し、支配しようとする

もしも面罵されたなら、その人の隠し持つ「目的」を考える。
そのことによって、反論をすると、おたがい勝つことによって、自身の力を証明したい方向へと行き、
負かされた方は次の段階「復讐」へと進む。
子どもなら自傷行為に走ったりして、親が困って自分のせいだと己を責めていく・・「親への復讐」


それを回避するには相手へリアクションを返さない
「誤りを認めること、
謝罪の言葉を述べること、
権力争いから降りること、これらはいずれも『負け』ではありません。」



~私も一時期ずっと責めつづけられ、かなり落ち込みましたが、ここを読んで少し気持ちが軽くなりました~

愛のタスク
「他者はあなたの期待を満たすために生きているのではない。」

嫌われる勇気
「他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを恐れず、承認されないかもしれないというコストを支払わない限り、自分の生き方を貫くことはできない。」

「人は自分には価値があると思えた時だけ、勇気が持てる。
わたしは他者に貢献できている、と思えること。」

「ここに存在しているだけで、価値がある。」
ありのままで良いんだよ、って言葉最近どんだけ使ったことか、

「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」
を持って、共同体感覚が持てる


ワーカホリックの父親は、
「『行為のレベル』でしか、自分の価値を認めることができていない。」ここも納得

「過去にどんなことがあったかなど、あなたの『いま、ここ』には何の関係もないし、未来がどうであるかなど『いま、ここ』で考えることではない。」
~この年のなるとここも解るけど・・~



難しくてなかなか前に進まなかったです、
その時の自分の悩みからはとっても癒されましたが、
2度読んでもちゃんと理解したかというとまだまだ、

はっきり言えることは、
ソクラテスの言葉を書き残したのは弟子のプラトンだった、ってこと
って、おいおいそこかい(^^ゞ

哲学と心理学は別物だし、
人の幸せを考えていくのは、計り知れなく抽象で、掴めなくて、
人それぞれで、だから「いま、ここ」を大事に生きる
「嫌われる勇気」を持ちながら、
「ありのまま」を受け入れながら、「愛のタスク」を持って、
共同体にしていく・・・



夢をかなえるゾウ」は読みやすかったし、わろうたけど、
この本、なかなか手ごわいゾウ、ふ~む難しかった

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宮部みゆき・「負の方程式」

2015-07-28 16:14:32 | 読書
娘がある人から頂いた手作りの線香花火を持ってきまして、
tちゃん、私の友人と一緒にしました
もうそんな年ごろでもない者たちが、その灯りにけっこう癒やされまして、
幼稚じゃんと思ってたのに、ね、
不思議ですね


先日読んでた「ソロモンの偽証」の後に「負の方程式」という後日談がありまして、
ソロモン・・からおおよそ20年後ですかね


ある私立中学で起きた事件の解明に探偵・杉山三郎(「名もなき毒」「ペテロの葬列」の主人公ですね)が登場するわけです
彼は、生徒から依頼され真相を追求しますが、
その相手学校側に立ったのが藤野涼子です

この学校では不測の事態が起きたときの対応のシュミレーションをしているわけで、
生徒たちは夜の学校に一晩泊まります

その時火野教諭を落とし入れるために、何人かの男子が計画するもので、
子どもたちの偽証の根本をさぐっていくわけです

そこには教諭とある生徒の糸がつながってて、・・・

ってことですね

「ソロモン・・」はかなりの大作だったんで、気が抜けた状態で読んでました
はじめつかめず、??でしたけど、
は~、そういうこと、と
杉山三郎もって、あちゃって感じでしたね
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「しろねこ 英国の古城に暮らす猫を訪ねて」

2015-07-25 21:43:45 | 読書
石井理恵子、横山明美 著


イギリスの中世の古城に住むネコ
白い猫じゃあありません、

スコットランド、イングランドの古城の数々
残念ながら映画と共通するような城はなかったですけど、
唯一チューダー期のチューダー様式というのがあって、
そうそうあの頃ね?なあんて、

ベネディクト・カンバーバッチの「シャーロック・ホームズ」にも出てきたような、
リーアム・ニーソンが、メル・ギブソンが、ここで撮ったのかな?みたいな・・

古城に住むネコたち、やっぱり撮り方も姿もお上品ですよ、気品があるっちゅうか、
プライドがありそうな、

飼い主さんは城の持ち主だったり、ガーデナーだったりで、
それぞれが愛おしそうに抱いてはる、

この本少し前にネコ好きの友人から頂戴したもので、
私の雰囲気・・らしいっす

おっと、それって買いかぶり過ぎやで

この本アクセスとか書いてんのよ、行きとなるやん、
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宮部みゆき・著「ソロモンの偽証」

2015-07-17 12:16:20 | 読書
台風11号の風は止みました、雨は相変わらずですね

ソロモンの偽証、文庫本で全6巻、長かったです
数か月かかりまして、推理しながらいきますけど、やっぱり初めの方のいきさつがどっかへ行っちゃってて、
またリピートしまして、
そういうことか、と

<あらすじ>






まず、中学二年生の柏木卓也の死体がクリスマスの朝に野田健一によって発見されます、

自殺と言うことですが、数か月後に三宅樹里なる人物が告発状を3通投函します、
内容は彼女をイジメていた大出俊次が犯人で、自分はそれを目撃していたと、

一通は父親が刑事の藤野涼子(卓也の同級生)に、一通は学校長あて、そしてあと一通は卓也の担任の森内教諭の自宅あてに、

ところが、森内のことを妬ましく思う隣人が手紙を盗んでテレビ局へと送ります、

それを受け取っ茂木記者は張り切って事件の取材を始めたりして、
学校は窮地に立っていき、

ついに涼子は、釈然としない学校生活を整理するため真相を見つけるため、学校内裁判をすると言いだします、

涼子が検事となり、かつて塾で一緒だった他校生の神原和彦が弁護士となります、
~まあもちろんそこに至るまで困難ではありますけど~

で、みんな協力の元裁判が始まって、
検事側、弁護士側は証人集め、証言集めをするんですけど、

ことは深く、
卓也の深層、和也の環境、健一の心理、俊次の家庭、樹里の友人関係やらもろもろあって、

・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*

まあ最後まで読んだらやっぱり何だか涙がホロホロ流れてきて・・
涼子の秀才で家庭にも恵まれていて、的な
和彦のバックに言いきれないしんどいものを持っていて、
多分メインはこのふたりの話でしょうね、

健一にも問題を抱えていたけど、この事件で強くなっていく、
樹里も、

文章は平易なんでまだついていけます、
まあ、中学生設定ですもんね、
現実こんなことはないけど、こんな賢い中学生おらんやろ、みたいな、

時代設定は20年ほど前になるのかな?
後日談のところはまだ読んでないんですけど、


とにかく長くかかりました、
リフォームもあったりで、疲れ切って横になるとバタン、な感じでしたから、

でもやっぱり引き込まれました、
宮部さんの長編小説好きです

あと、タイトルですが彼女はソロモンとかペテロとかよく用いますが、
聖書もかなり読み込んでるんでしょうねえ

本を踏まえて映画見るノン楽しみにしてます
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山田悠介・著「その時までサヨナラ」

2015-04-08 11:55:05 | 読書
帯封に惑わされて買いましたけど、「最後は号泣」って書いてあったんですよ
全然ダメでした
これしきでは泣けませんよ

山田悠介さん「リアル鬼ごっこ」は映画で見ましたけど、自分には合わないって思ってました
でもこの本、父子愛だし、また違って良いかも・・・って

<お話は、
出版会社に勤める主人公、
妻と息子がいるけど、仕事にかまけて家は一切かまわず、
夫婦愛は冷めて妻は子どもを連れて家を出て、

ところが、たまたま妻が乗っていた電車が脱線転覆
彼女は命を落とす、息子は生き残るが、
父親は子育てなんてできもせず、
義父母に迷うことなく預けようと思っていた

ところが、そこへ現れた妻の親友と名乗る女性、
女性の、父親に対する子育て猛特訓が始まる、

しかし、その女性の真実の姿は・・・

・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*

ってことなんですが、この本2008年に文庫本で出版してるんですけど
妻が乗ってた電車と言うのが福島で起きた地震による脱線って設定で、
てっきり、震災後に書かれたものと思ってて

震災と、JR福知山線の事故を合わせてるのかと、
でも、たまたまだったようで、そこはちょっとびっくりしました


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黒川博行・著「国境」

2015-03-31 20:33:17 | 読書


<あらすじ>
建設コンサルタントの二宮は、北朝鮮の趙成恨から重機の買い入れを依頼され村居商会を紹介する、
重機は納めたもののL/Cが無効になっており、入金されない
 
詐欺にかけられたと知った村居はやくざの組仲間にも損は及び、ひっくるめて3億円、
二蝶会の桑原も出張ってくる
二宮と桑原は北に逃げた趙を追いかけお金を取り返すこととなる、

桑原の強引さに引きずられながらも、
一度目は寸でのところで趙に逃げられる、
伝手を頼っての二度目の渡航は、中国経由で国境を越え北朝鮮へもぐりこむ

趙を追い詰め話を聞くと、そこには日本の黒幕が居ることが分かる・・・

・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*

「疫病神」シリーズの二宮と桑原コンビですけど、
大阪なんで言葉の行き交いがめっちゃ面白いですよ
桑原は下品でめちゃくちゃなんですが、義理と人情には厚い真っ直ぐな一匹狼タイプ
ボスに「死ね」と言われりゃ「死にます」的な、

二宮は堅気やけどかつて父親はその筋の者でした
なもんで、根性は開き直るとそこそこ強い
桑原は彼のことを疫病神と呼んでいる

ふたりと中国人の李さん(この歯抜けのおじいちゃん強者なんですよ)の3人で国境越えするんですけど、
そのシーンなんかもうハラハラドキドキもんですわ
よくぞまあ生きて戻ってきたよな、
スゴいサバイバル、ウルル・・

帰国後の彼らの活躍はまたまた目を見張ります
組連中、議員秘書、企業と渡り合う
とってもハードボイルドです
映画みたい
映像化は無理か、北やし


北とロシアとの国境近くにある豆満江、川の上流は中国なんですが、
このあたりは、朝鮮族と言う中国人が住んでる
密入国者も多い、とか


黒川博行さん、多分北に行ったんでしょうね、リアルな感じ
この北朝鮮の資料は大変だったでしょうね
ハリウッドの「インタビュー」思い出すわ

文庫本で800ページを超える、実に長い、重い、
でも面白い、
組名やら、個人名やら、どんどん忘れていくけど、やっぱり面白い
最後の最後まで、李さんのとこまで面白かった

黒川さんファンのM子さんから借りました
後妻業」「疫病神」も面白かった


しのぎ:金を得る
ゴロをまく:けんかする
かちこみ:殴り込み
こんな言葉がごろごろ出てきます

ついでに、
東野圭吾さんと親交が深いとか、
東野さんの高校時、美術の先生が黒川さんだった?

え~~、ウチ東野さんとおんなじ高校やし、そうやったん!(@_@)


いやいやウチはずいぶん先輩やし



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