いちよう:二千和会だより

 会報「いちよう」を通して、人生がさらに豊かに広がるよう「今も青春!」の心がけで楽しく交流しながら散策しましょう。

王朝の恋(伊勢物語)

2008年02月07日 | SO-Color


 9階出光美術館から皇居方面を眺める
『源氏物語』よりもいち早く成立した恋物語『伊勢物語』、
男女の間に行き交う、うたかたの恋をテーマに出光美術館で開催されている。

 

「ある男」なる貴公子を主人公に、王朝の人々が、和歌のやり取りを交えながら雅な時を過ごす125段のエピソード。時には許されない悲恋に病み、時には遊興にふける貴公子や女性たち。恋のゆくえは、いつも波瀾万丈。
 また恋の舞台には、和歌に詠まれる名所を設定し、同時にその魅力も紹介するなど、『伊勢物語』は画題としても充実した物語で、歴代の画家たちは、この物語をテーマに、男女の心理状況までも描き出そうと試みてきたが、何点かそれに因んだ絵画、やきものなどが展示される。(出光美術館)

 しばしの時、雅な気持ちになって、その物語の女性の心に移行させてもらったりして、はたまた自分の若かったころを思い起こしたりしたのでした。

 展示された伊勢物語に浸って後の、私たちは夢や希望、そして安らぎの時を醸し出すような…三人はそんな表情になって…と言ってもお許しください。モザイクをかけました。

 一部の王朝の人たちはなんて贅沢な読み物を楽しんでいたのだろうか!…すべて手書きの文字や彩色が施されている豪華な絵画の巻物を、見て読んで楽しんでいたのですね…和歌もそこはかとなく相手に思いを伝え、受け手もその想いを更に膨らまして読んでいる「恋」に恋するようなときめき…優雅です。
 現代に思い起こせば、ダイレクトな表現で言葉に映像に畳み掛けるように訴えなければ、若者は心が動かないのでしょうか?


 私たち世代は若者に対して誤解しているのかも知れませんが…今の様子を窺うとどうもそんな感じさえ受けるのは私だけなのでしょうか?
 いや、それよりもそのような子どもたちを大人たちの勝手で、商業的に売れさえすれば良いだけの視点で人間を、日本人を替えていったのでしょうか? 卵が先か鶏が先かの論争にもなりかねないのですけれど…。
 この出光美術館の伊勢物語を拝見して、心の深いところをちょっと散歩してみた…という思いで、ご一緒の三人は行く時に比べて、見た後の車中では口数少なくそれぞれの思いを辿っていたように思いました。ティケットを下さったTさん、ありがとうございました。 
  
 JR有楽町駅に向かう。稲毛駅まで真っ直ぐ帰り、その近辺でお茶して家路につきました。