学会で発表するためにテキサス州ダラスに来ています。
今回の学会では、「ある治療をしても、結果はその治療をしない場合と同じ」という研究結果が多く発表されました。少し専門的になるのですが、そういう研究結果をご紹介したいと思います。
腎臓につながる動脈は腎動脈と呼ばれて、動脈硬化が原因で細くなると、腎臓は血圧が低いと勘違いして血圧を上げるホルモンを余計に分泌したり、腎臓そのものが悪くなったりします。
その腎動脈が細くなった場合に、そこをステントで広げると、患者の予後がよくなるかどうかという研究です。
↓論文は発表と同時にNew England Journal of Medicineに掲載され、ココから無料でダウンロードできます。
http://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa1310753
ステージ3以上の腎機能障害(ここが肝心です)で、高血圧症を伴っていて、腎動脈に60%以上100%未満(平均67%)の狭窄がある患者947人が、ステント治療する群としない群に、無作為に分けられました。腎機能はeGFRという指標で平均58、平均年齢69歳です。
心臓病や腎臓病による死亡、心不全、脳卒中、腎機能障害の進行、腎移植への進展が、その後5年間調査されました。
ステージ3以上の腎機能障害に陥っている患者では、ステント治療してもしなくても、「心臓病や腎臓病による死亡、心不全、脳卒中、腎機能障害の進行、腎移植への進展」に関して、5年間の予後は同じでした。(上図)
やってもやらなくても効果が同じである治療は、やってはいけません。当たり前のことです。
↓なるほど~と思われた方、こちらもぽちっと、応援よろしくお願いいたします!
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心臓病や腎臓病による死亡、心不全、脳卒中、腎機能障害の進行、腎移植への進展が、その後5年間調査されました。
ステージ3以上の腎機能障害に陥っている患者では、ステント治療してもしなくても、「心臓病や腎臓病による死亡、心不全、脳卒中、腎機能障害の進行、腎移植への進展」に関して、5年間の予後は同じでした。(上図)
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