秋の健康診断の季節ですので、前回、大腸ポリープが見つかった場合のその後の経過についてお伝えしました。
便潜血検査の有用性に関しては、以下のような否定的な意見もありますが、
http://www5.ocn.ne.jp/~kmatsu/gan048.htm
今ではその有用性は確立しています。
その根拠となる論文のうちの1編をご紹介します。
Randomised controlled trial of faecal-occult-blood screening for colorectal cancer
Lancet 1996;348:1472
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★★)
1981年から1991年まで、イギリスのノッティンガム地方の45歳~74歳の住民のうち研究への参加を同意した約15万人が、隔年で便潜血検査を受ける群と、便潜血検査を全く受けない群に分けられ、平均約8年間追跡調査されました。
結果は、上の右図のように、全ての理由による死亡は両群で12,624人対12,515人と差がなかったのに、大腸・直腸ガンによる死亡は、便潜血検査を受けた群で360人、受けなかった群で420人と、便潜血検査を受けた群で有意に少なくなりました。その比は0.85(95%信頼区間:0.74~0.98)でした。
左の図は便潜血検査を受けないコントロール群と検査を受けたスクリーニング群の経時変化による死亡率のグラフです。便潜血検査を受けた群では15年間で大腸・直腸ガンによる死亡は1000人あたり約4.5人(約0.45%)で、受けない群では約5.5人(約0.55%)ですから、便潜血検査は15年で大腸・直腸ガンによる死亡を1000人に1人減らすことになります。
便潜血検査のコストが1000円と仮定すると、2年に1回1000円がかかるので、15年で1人8000円、8000円x1000人=80万円で1人の大腸・直腸ガンによる死亡を減らせることができます。
便潜血検査のコストを2000円としても、160万円で1人の大腸・直腸ガンによる死亡を減らせることができます。悪玉コレステロールを低下させる薬では数千万円かけないと1人の心筋梗塞の発症を減らせないのに比べ、低い費用で効果があることがわかります。
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Randomised controlled trial of faecal-occult-blood screening for colorectal cancer
Lancet 1996;348:1472
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★★)
1981年から1991年まで、イギリスのノッティンガム地方の45歳~74歳の住民のうち研究への参加を同意した約15万人が、隔年で便潜血検査を受ける群と、便潜血検査を全く受けない群に分けられ、平均約8年間追跡調査されました。
結果は、上の右図のように、全ての理由による死亡は両群で12,624人対12,515人と差がなかったのに、大腸・直腸ガンによる死亡は、便潜血検査を受けた群で360人、受けなかった群で420人と、便潜血検査を受けた群で有意に少なくなりました。その比は0.85(95%信頼区間:0.74~0.98)でした。
左の図は便潜血検査を受けないコントロール群と検査を受けたスクリーニング群の経時変化による死亡率のグラフです。便潜血検査を受けた群では15年間で大腸・直腸ガンによる死亡は1000人あたり約4.5人(約0.45%)で、受けない群では約5.5人(約0.55%)ですから、便潜血検査は15年で大腸・直腸ガンによる死亡を1000人に1人減らすことになります。
便潜血検査のコストが1000円と仮定すると、2年に1回1000円がかかるので、15年で1人8000円、8000円x1000人=80万円で1人の大腸・直腸ガンによる死亡を減らせることができます。
便潜血検査のコストを2000円としても、160万円で1人の大腸・直腸ガンによる死亡を減らせることができます。悪玉コレステロールを低下させる薬では数千万円かけないと1人の心筋梗塞の発症を減らせないのに比べ、低い費用で効果があることがわかります。
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