2009年1月にパーキンソン病治療薬のゾニサミド(商品名:トレリーフ錠25mg)が製造承認を取得しました。パーキンソン病のうち、レボドパ含有製剤に他の抗パーキンソン病薬を使用しても十分に効果が得られなかった場合が適応であり、ゾニサミドを処方する際にはレボドパ含有製剤と併用することが定められています。
ゾニサミド自体は、商品名:エクセグラン錠100mgとして1989年6月からてんかんの治療に使用されていました。このゾニサミドがパーキンソン病治療に応用されるようになったのは、けいれん発作を偶然に起こしたパーキンソン病患者にゾニサミドを投与したところ、けいれんが抑制されるだけでなく、パーキンソン病症状の著明な改善が見られたというエピソードがきっかけになっています。
ただしゾニサミドは、てんかん治療で使用する場合とパーキンソン病治療に使用する場合で、用量が異なります。具体的には、パーキンソン病治療には1日1回25mgで使用するのに対し、てんかん治療では「通常、成人は最初1日100~200mgを1~3回に分割経口投与する。以後1~2週ごとに増量して通常1日量200~400mgまで漸増し、1~3回に分割経口投与する」となっています。
ここまでは何も問題はないのですが、問題はその薬価です。
1989年からてんかんの治療で使用されていたエクセグラン錠は現在100mgで33円。20%の散剤は1g(200mg)で62円です。それに対して、全く同じ成分でも、パーキンソン病の治療に使用するため名前が変わったトレリーフ錠は25mgで1084円です。全く同じ成分なのに、名前を変えるだけでなぜこんなに高い値段で承認されたのでしょうか?
それでは、てんかんの治療エクセグランの散剤を1日0.2g(12円)ぐらいで内服すればいいのではないでしょうか?
先日、以下のような記事がありました。
(以下、日本経済新聞より引用)
政府は薬や医療機器の公的保険への適用を厳しくする新基準を作る方針を固めた。効果に比べ過大な費用がかかるものは適用しない。2016年度をめどに一部で導入する。公的医療費の増加を抑え、制度を支える国民負担を和らげる。適用外となる高額の先進医療は、一部費用を公的保険で補う仕組みを拡充し、希望者は利用できるようにする。厚生労働省が新基準の「費用対効果評価」の設計を始め、年内に対象分野や審査基準をまとめる。来春から製薬企業から関連データを集める。先行導入の候補は高額の抗がん剤や生活習慣病の薬、心臓ペースメーカーなどだ。
将来は全面導入を検討する。新薬は有効性や安全性を確認する薬事承認審査にかかる。現在は承認された薬は、ほぼ全て公的保険が適用されている。全ての薬を誰でも使えるようにするのが皆保険の理念のためだ。結果的に高額なわりに効果が低い薬も大量に公的保険に適用されている。保険適用だと少ない負担で高額の薬を使えるため患者はコスト意識が薄れやすい。
英国では費用に対する延命効果や生活の質の改善などを指標化し、基準を下回れば保険適用を見送っている。抗がん剤の場合、薬代が3万ポンド(約500万円)以内で1年間普通に暮らせなければ保険適用されにくい。日本では保険がきく抗がん剤「アバスチン」などは英国では適用が見送られている。新基準は英国などを参考に設計する。新薬にかかる費用に対し(1)どれぐらい延命効果があるのか(2)既存の薬などと比べて治療効果が高いのか(3)生活の質はどれだけ改善するのか――などだ。政府の専門組織が審査する。
基準に届かなかった新薬は原則、公的保険を適用しない。いったん保険適用した後2~3年後に改めて審査し、見込みを下回れば保険から外す案もある。一方、費用対効果に基づき薬の保険適用を厳しくすると、製薬企業の新薬開発意欲は弱まる恐れもある。創薬意欲をそがないために、保険適用外となった場合でも、先進的な薬や医療機器は費用の一部を公的保険で賄う「混合診療」の拡充で対応することを検討する。現在、混合診療は原則禁止で、公的保険に適用するまでの暫定措置という位置づけで例外的に認められているだけだ。
公的保険から外れた薬の多くは患者が全額負担するしかない。混合診療を拡充し、公的保険を外れた薬を使いたい患者の選択肢を広げる。医療給付費は毎年1兆円のペースで増えている。保険適用を厳しくすると「所得によって医療サービスに格差が生まれる」と反発が出る可能性はある。ただ、現状のままでは、企業や個人が負担する保険料の引き上げや税負担増に拍車がかかる。平等に保険でカバーする医療と、患者が自ら自己負担で選択する医療の最適なバランスを考える必要がある。
(以上、日本経済新聞より引用)
「費用対効果」、私がこのブログで以前から訴えてきた当たり前の事です。むしろ厚生労働省のアクションが遅すぎます。
それなのに、同じ成分で、エクセグラン錠は100mgで33円、トレリーフ錠は25mgで1084円?厚生労働省は国民をバカにして製薬会社の肩を持つのは止めていただきたいものです。それともまた天下りの件ですか?
「現状のままでは、企業や個人が負担する保険料の引き上げや税負担増に拍車がかかる。」
同じ成分に別の効果があるとわかったのだからその値段で売り出せばいいじゃないですか。
これ以上 薬代を上げないで下さい。
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ゾニサミド自体は、商品名:エクセグラン錠100mgとして1989年6月からてんかんの治療に使用されていました。このゾニサミドがパーキンソン病治療に応用されるようになったのは、けいれん発作を偶然に起こしたパーキンソン病患者にゾニサミドを投与したところ、けいれんが抑制されるだけでなく、パーキンソン病症状の著明な改善が見られたというエピソードがきっかけになっています。
ただしゾニサミドは、てんかん治療で使用する場合とパーキンソン病治療に使用する場合で、用量が異なります。具体的には、パーキンソン病治療には1日1回25mgで使用するのに対し、てんかん治療では「通常、成人は最初1日100~200mgを1~3回に分割経口投与する。以後1~2週ごとに増量して通常1日量200~400mgまで漸増し、1~3回に分割経口投与する」となっています。
ここまでは何も問題はないのですが、問題はその薬価です。
1989年からてんかんの治療で使用されていたエクセグラン錠は現在100mgで33円。20%の散剤は1g(200mg)で62円です。それに対して、全く同じ成分でも、パーキンソン病の治療に使用するため名前が変わったトレリーフ錠は25mgで1084円です。全く同じ成分なのに、名前を変えるだけでなぜこんなに高い値段で承認されたのでしょうか?
それでは、てんかんの治療エクセグランの散剤を1日0.2g(12円)ぐらいで内服すればいいのではないでしょうか?
先日、以下のような記事がありました。
(以下、日本経済新聞より引用)
政府は薬や医療機器の公的保険への適用を厳しくする新基準を作る方針を固めた。効果に比べ過大な費用がかかるものは適用しない。2016年度をめどに一部で導入する。公的医療費の増加を抑え、制度を支える国民負担を和らげる。適用外となる高額の先進医療は、一部費用を公的保険で補う仕組みを拡充し、希望者は利用できるようにする。厚生労働省が新基準の「費用対効果評価」の設計を始め、年内に対象分野や審査基準をまとめる。来春から製薬企業から関連データを集める。先行導入の候補は高額の抗がん剤や生活習慣病の薬、心臓ペースメーカーなどだ。
将来は全面導入を検討する。新薬は有効性や安全性を確認する薬事承認審査にかかる。現在は承認された薬は、ほぼ全て公的保険が適用されている。全ての薬を誰でも使えるようにするのが皆保険の理念のためだ。結果的に高額なわりに効果が低い薬も大量に公的保険に適用されている。保険適用だと少ない負担で高額の薬を使えるため患者はコスト意識が薄れやすい。
英国では費用に対する延命効果や生活の質の改善などを指標化し、基準を下回れば保険適用を見送っている。抗がん剤の場合、薬代が3万ポンド(約500万円)以内で1年間普通に暮らせなければ保険適用されにくい。日本では保険がきく抗がん剤「アバスチン」などは英国では適用が見送られている。新基準は英国などを参考に設計する。新薬にかかる費用に対し(1)どれぐらい延命効果があるのか(2)既存の薬などと比べて治療効果が高いのか(3)生活の質はどれだけ改善するのか――などだ。政府の専門組織が審査する。
基準に届かなかった新薬は原則、公的保険を適用しない。いったん保険適用した後2~3年後に改めて審査し、見込みを下回れば保険から外す案もある。一方、費用対効果に基づき薬の保険適用を厳しくすると、製薬企業の新薬開発意欲は弱まる恐れもある。創薬意欲をそがないために、保険適用外となった場合でも、先進的な薬や医療機器は費用の一部を公的保険で賄う「混合診療」の拡充で対応することを検討する。現在、混合診療は原則禁止で、公的保険に適用するまでの暫定措置という位置づけで例外的に認められているだけだ。
公的保険から外れた薬の多くは患者が全額負担するしかない。混合診療を拡充し、公的保険を外れた薬を使いたい患者の選択肢を広げる。医療給付費は毎年1兆円のペースで増えている。保険適用を厳しくすると「所得によって医療サービスに格差が生まれる」と反発が出る可能性はある。ただ、現状のままでは、企業や個人が負担する保険料の引き上げや税負担増に拍車がかかる。平等に保険でカバーする医療と、患者が自ら自己負担で選択する医療の最適なバランスを考える必要がある。
(以上、日本経済新聞より引用)
「費用対効果」、私がこのブログで以前から訴えてきた当たり前の事です。むしろ厚生労働省のアクションが遅すぎます。
それなのに、同じ成分で、エクセグラン錠は100mgで33円、トレリーフ錠は25mgで1084円?厚生労働省は国民をバカにして製薬会社の肩を持つのは止めていただきたいものです。それともまた天下りの件ですか?
「現状のままでは、企業や個人が負担する保険料の引き上げや税負担増に拍車がかかる。」
同じ成分に別の効果があるとわかったのだからその値段で売り出せばいいじゃないですか。
これ以上 薬代を上げないで下さい。
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他のパーキンソン病薬も同じくらいの価格ですし。