コンドロイチン(コンドロイチン硫酸ナトリウム)は軟骨の成分の1つでもあり、コンビニや通信販売でサプリメントとして売られたり、医薬品としても関節痛などに使用されたりしています。
しかし、コンドロイチンは膝関節や股関節の痛みに全く効果がないという結果の総説が発表されています。
Meta-analysis: Chondroitin for osteoarthritis of the knee or hip.
Annals of Internal Medicine. 2007;146:580.
(インパクトファクター★★★★☆、研究対象人数★★★★★)
1990年代の前半頃には、コンドロイチンが関節痛に有効であるという報告がかなりありました。この総説の著者は、それらの論文や最近の論文あわせて20編を注意深く分析しました。
その結果、コンドロイチンが関節痛に有効であると報告した論文では、研究の対象者が多くても100名以下(中には研究の対象が36人や17人という論文もありました)であり、特に大きな問題点として、薬剤の投与が盲検化されていない、すなわち研究に参加した患者自身がコンドロイチンの実薬を投与される群に割り付けられたのか、あるいは偽薬を投与される群に割り付けられたのかを知ることができてしまう研究デザインであることが判明しました。
効果の判定は痛みの程度を数値化することで行われるのですが、痛みの程度というのは患者のみが判断することであり客観性に乏しいため、コンドロイチンの実薬を投与された患者はなんとなく効いた気になっていたのです。
これは、大規模の二重盲検研究(医者も患者もどの患者がどちらの群に割り付けられたか知ることができない研究)で、コンドロイチン投与群と偽薬投与群で、関節痛の改善のスコアーに差がなかったことからも分かります。
Glucosamine, chondroitin sulfate, and the two in combination for painful knee osteoarthritis.
N Engl J Med. 2006;354:795.
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★☆)
「痛みの程度のスコアー」などという客観性のない数値を研究に用いる場合、必ず盲検化しなければならないことは科学者として常識です。
さらにコンドロイチンが関節痛に有効であると報告した論文には別の問題点もありました。Intention-to-Treat Analysis、すなわち研究に参加する時点でコンドロイチン投与とされた群の結果は最後までコンドロイチン投与群のものとして最後まで反映しなければいけないということがなされていませんでした。
つまり、ある患者がコンドロイチン投与群に割り付けられ、効果がないために関節痛が改善せず、研究への参加を続けることができなくなり別の鎮痛剤を内服し研究から脱落した場合、脱落としてその結果を解析から除いてしまうと、コンドロイチンの投与でも痛みが改善されないという証拠が結果に反映されなくなるということです。
これも少し考えてみたら当たり前のことです。1980年代の後半までは、解析方法に疑問が残るこのような研究がかなりあり、その結果が今でも正しいとして一人歩きしている場合が多くあります。
この総説の著者は、16ページにも及ぶ論文の最後で、そのような偽りの情報が一人歩きしていることに怒りを行間ににじませる感じで、「大規模で方法的に正しい研究の結果から、コンドロイチンを膝関節や股関節の痛みの改善のために日常的に使用するのは全く勧められない」と結論づけています。
上の図で、丸が下の方にプロットされていればコンドロイチンが有効という意味ですが、正しい方法でなされた研究である右の4つの黒丸は中央の線上、つまりコンドロイチンの有効性は認められないということを示しています。残りの16の研究は正しい方法で行われていませんでした。(黒丸は研究対象者が200人以上、白丸は200人未満の研究)
↓大々的に宣伝しているので参考にさせていただきました。
ゼリア新薬
効果のない薬(真実性)を、効果があるかのように販売するのは国民の不利益(公共性・公益性)になるので、止めていただきたいものです。
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しかし、コンドロイチンは膝関節や股関節の痛みに全く効果がないという結果の総説が発表されています。
Meta-analysis: Chondroitin for osteoarthritis of the knee or hip.
Annals of Internal Medicine. 2007;146:580.
(インパクトファクター★★★★☆、研究対象人数★★★★★)
1990年代の前半頃には、コンドロイチンが関節痛に有効であるという報告がかなりありました。この総説の著者は、それらの論文や最近の論文あわせて20編を注意深く分析しました。
その結果、コンドロイチンが関節痛に有効であると報告した論文では、研究の対象者が多くても100名以下(中には研究の対象が36人や17人という論文もありました)であり、特に大きな問題点として、薬剤の投与が盲検化されていない、すなわち研究に参加した患者自身がコンドロイチンの実薬を投与される群に割り付けられたのか、あるいは偽薬を投与される群に割り付けられたのかを知ることができてしまう研究デザインであることが判明しました。
効果の判定は痛みの程度を数値化することで行われるのですが、痛みの程度というのは患者のみが判断することであり客観性に乏しいため、コンドロイチンの実薬を投与された患者はなんとなく効いた気になっていたのです。
これは、大規模の二重盲検研究(医者も患者もどの患者がどちらの群に割り付けられたか知ることができない研究)で、コンドロイチン投与群と偽薬投与群で、関節痛の改善のスコアーに差がなかったことからも分かります。
Glucosamine, chondroitin sulfate, and the two in combination for painful knee osteoarthritis.
N Engl J Med. 2006;354:795.
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★☆)
「痛みの程度のスコアー」などという客観性のない数値を研究に用いる場合、必ず盲検化しなければならないことは科学者として常識です。
さらにコンドロイチンが関節痛に有効であると報告した論文には別の問題点もありました。Intention-to-Treat Analysis、すなわち研究に参加する時点でコンドロイチン投与とされた群の結果は最後までコンドロイチン投与群のものとして最後まで反映しなければいけないということがなされていませんでした。
つまり、ある患者がコンドロイチン投与群に割り付けられ、効果がないために関節痛が改善せず、研究への参加を続けることができなくなり別の鎮痛剤を内服し研究から脱落した場合、脱落としてその結果を解析から除いてしまうと、コンドロイチンの投与でも痛みが改善されないという証拠が結果に反映されなくなるということです。
これも少し考えてみたら当たり前のことです。1980年代の後半までは、解析方法に疑問が残るこのような研究がかなりあり、その結果が今でも正しいとして一人歩きしている場合が多くあります。
この総説の著者は、16ページにも及ぶ論文の最後で、そのような偽りの情報が一人歩きしていることに怒りを行間ににじませる感じで、「大規模で方法的に正しい研究の結果から、コンドロイチンを膝関節や股関節の痛みの改善のために日常的に使用するのは全く勧められない」と結論づけています。
上の図で、丸が下の方にプロットされていればコンドロイチンが有効という意味ですが、正しい方法でなされた研究である右の4つの黒丸は中央の線上、つまりコンドロイチンの有効性は認められないということを示しています。残りの16の研究は正しい方法で行われていませんでした。(黒丸は研究対象者が200人以上、白丸は200人未満の研究)
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