医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

新型コロナウイルス感染を年齢別致死率から考察する

2020年03月20日 | 感染症
新型コロナウイルス感染に関して、徐々にデータが蓄積されてきました。

上の図は3月17日に厚生労働省から発表された【厚労科研】新型コロナウイルス感染症診療の手引き(第1版)から引用したもので、新型コロナウイルス感染の年齢別の致死率です。

これを見ると、50歳以下の者にとって、新型コロナウイルス感染は必要以上に恐れるものではないことがわかります。

逆に、60歳以上の者にとっては、もう少し生きたいなら、注意を要した方が良いことがわかります。

だからこそ、全ての疑い患者にPCR検査して、軽症患者のために医院・病院の医療資源が枯渇し、重症患者が入院・治療できなくなってしまうことの方が、今後起きてくる深刻な問題です。陽性でも自宅待機(他人に感染させないことは重要です)で軽快する軽症患者数をどうこういっても今後は意義がありません(他人に感染させないことは重要です)。

以前、70歳代の男性がクルーズ船から下船後に、政府から2週間の自宅待機を要請されたことに対してSNSに「せっかく神戸製鋼のラグビーの試合を観戦しに行こうと思っていたのに」と政府を批判して、皆から批判を受けました。

また昨日、ノルウェーへの観光旅行から帰国した60歳代女性が、発熱があるにもかかわらず空港の検疫で申告せず帰宅し新型コロナウイルスに感染していたことが明らかになり、埼玉県から「これ限りにしてほしいものです」と苦言を受けました。

60歳以上の者は新型コロナウイルス感染による致死率が高いにもかかわらず、60歳以上の一部の者が言いたい放題・やりたい放題です。

有名なマキャベリズムを説いたマキャベリは著書君主論 (岩波文庫)の第25章「運命は人事においてどれほどの力をもつのか、またどのようにしてこれに逆らうべきか」(183ページ)の中に、「あらゆる人間の予測を超えて、日毎に、変転する大事態が見られたり、いまも見られつつある、私たちの時世にあって、このような意見はますます信じられやすいものとなってきた。・・・・以下省略」と、「君主論」は500年前に書かれたにもかかわらず現代を予見していて、大変興味深いことを書いています。

このマキャベリはきっと、「60歳以上の者が言いたい放題・やりたい放題やって、致死率の高い自らの命を落としてしまえば、国家という観点からみれば、これらの者にこれ以上年金を支払う必要がなくなり有益である」と思っていることでしょう。

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