気管支喘息には、抗炎症薬(アレルギー薬とステロイド)と気管支拡張薬が使われています。抗炎症薬としては吸入ステロイドが最も重用視されており、臨床症状や呼吸機能を改善させるという多くのエビデンスがあります。今回はその中の大規模無作為試験の1つをご紹介します。
Early intervention with bubesonide in mild persistent asthma: a randomised, double-blind trial.
Lancet. 2003:361:1071.
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★★)
対象は5歳から66歳までの気管支喘息の患者さん72,41人で、これまでの治療のみの(抗アレルギー薬、気管支拡張薬)非使用群(3,597人)と、budesonide(商品名パルミコート)使用群(3,568人)に振り分けられ3年間調査されました。成人は1日400μg、小児は1日200μgを吸入しました。両群で、性別、人種、喫煙癧、内服内容、喘息の重症度に違いはなく、両群ともに喘息発作の頻度は週1~3回が35%程度、週4~7回が35%程度でした。喫煙は11%に認められました。
内服治療の内容は、テオドールやユニフィルに代表される気管支拡張薬の投与が11%、ベータ刺激薬といわれる気管支拡張薬が64%、経口のステロイドが4%に投与されていました。
試験を開始してから、最初の大きな喘息発作がエンドポイントとされ、3年以内に大きな喘息発作を起こした割合は、吸入ステロイド使用群で3.8%、非使用群で6.3%と有意に使用群の方で発作が少ない事が示されました。
こういう臨床試験をみると、吸入ステロイド薬非使用群の方が、不利な事はあっても有利な事はないのに、7千人もの方が参加する意気込みは、参加に対する謝礼の問題もあるのでしょうが、さすがアメリカと思ってしまいます。
日本で大規模無作為臨床試験を行おうと外来でその説明をすると、その場では了解が得られても、自宅に戻られて家族と相談したあとに来院された時、約半数の方が断るそうです。
さて、パルミコートは1瓶56日分(1日400μg使用)で2,338円です。
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内服治療の内容は、テオドールやユニフィルに代表される気管支拡張薬の投与が11%、ベータ刺激薬といわれる気管支拡張薬が64%、経口のステロイドが4%に投与されていました。
試験を開始してから、最初の大きな喘息発作がエンドポイントとされ、3年以内に大きな喘息発作を起こした割合は、吸入ステロイド使用群で3.8%、非使用群で6.3%と有意に使用群の方で発作が少ない事が示されました。
こういう臨床試験をみると、吸入ステロイド薬非使用群の方が、不利な事はあっても有利な事はないのに、7千人もの方が参加する意気込みは、参加に対する謝礼の問題もあるのでしょうが、さすがアメリカと思ってしまいます。
日本で大規模無作為臨床試験を行おうと外来でその説明をすると、その場では了解が得られても、自宅に戻られて家族と相談したあとに来院された時、約半数の方が断るそうです。
さて、パルミコートは1瓶56日分(1日400μg使用)で2,338円です。
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