
日比谷公園
とまりぎ
日比谷公園には思い出がある。
現在の西新橋にあった事務所へ通う毎日を、地下鉄霞ヶ関駅から日比谷公園を通り抜けていたからだ。
公園の高台から向い側を見ると、背の高いビルが壁のように立っている。
霞ヶ関の官庁街のはずれだ。
公園内の池には亀が甲羅干しをしている。
白鷺も魚を漁っている。
公園の出口にはパンジーの色の濃い花がいっぱいだ。
短い期間だったが、毎日歩いた公園は忘れがたい。
町工場での苦い体験の記憶があったから事務の仕事を選んだのだが、中身があまりにも技術から離れていた。
誰でもできる事務系の仕事を退社したのは、得意な技術方向の仕事へ切り替えるためだった。
時間はかかったが、結果的にはその決断は大成功だった。
そんなことを思い出していた。