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つり橋のみち
とまりぎ
宿へ入って荷物を置くと、温泉へ入る前に近くを散策することにした。「おだまき」が咲いている。赤谷湖へ注ぐ西川の流れの上流へ旧三国街道をしばらく歩いて、降りる。急坂もあるので、帰りの登りを気にしながら。
三国街道の三国とは、標高1244mの三国峠が上野・越後・信濃三国の国境に位置する三国山に由来するというが、現在の国境は峠より西方の白砂山である。
つり橋がある。だが昔の木でできたつり橋とは趣が変って、しっかりとした鉄の欄干がある。構造上つり橋になってはいるが、つり橋の面影はない。しかも湖面が上昇しているのか、すぐ下は流れと云うより湖だ。
橋から上流側を見ると、湖の縁に公園が見える。ここまで行ってみることにした。
公園の奥には、駐車場に数台の自動車が停まっている。今まできた道は歩行者かバイクぐらいしか入れなかったから、さらに奥の方に国道へ出る道があるのだろう。
公園には、ほたるの涵養地らしく、小川にはカワニナがいる。
湖面を見ると木が水に浸かっている。こんな景色を見たことがあるなと思ったら、上高地だ。ちょっと似ていていい景色だ。
対岸の風景も面白い。
さあ、そろそろ宿へ戻ろうか。
途中の田んぼの中を歩いて、旧三国街道へ出ると苗代だ。これから田植えの季節だ。季節感の乏しい都会では目にすることがない。
往復で、約一時間の行程だった。
旧三国街道を観光の目玉にしようと、地元では山路を整備したようで、橋の位置も形も変っている。