セレンディピティ ダイアリー

映画とアートの感想、食のあれこれ、旅とおでかけ。お探しの記事は、上の検索窓か、カテゴリーの各INDEXをご利用ください。

ローズメイカー 奇跡のバラ

2021年06月27日 | 映画

この日、もうひとつ見たフランス映画は、カトリーヌ・フロ主演のヒューマンドラマです。

ローズメイカー 奇跡のバラ (La Fine Fleur / The Rose Maker)

フランスの田舎町で小さなバラ園を経営するエヴは、倒産寸前に追い込まれ、巨大企業のラマルゼル社に買収を持ちかけられていますが、父の遺したバラ園をつぶすわけにはいかないと、孤軍奮闘していました。

そんな中、秘書のヴェラが職業訓練所から格安で助手を3人雇い入れます。その一人、フレッドに嗅覚の才能を見出したエヴは、新種のバラを生み出して、バラの新品種コンクールに挑戦することを決意します。

バラが好きなのと、ヘレン・ミレン主演のイギリス映画「グリーンフィンガーズ」が大好きなので、なんとなく似ていそうだな~と期待して、楽しみにしていた作品です。

ちなみに「グリーンフィンガーズ」は、刑務所の更生プログラムでガーデニングに参加した受刑者たちが、庭作りのおもしろさに目覚め、フラワーショウへの出場を目指す、という実話に基づく映画です。

本作は、カトリーヌ・フロ演じるエヴが身勝手すぎるように思えて、最初はなかなか共感できませんでした。最初に、新種のバラを作るもとになるバラを手に入れるために、助手たちを犯罪に巻き込むところから、個人的には受け入れられませんでした。

それに、自分のバラ園がつぶれそうなことを隠して、助手たちを雇い続けたり、資金繰りが厳しくなったら、秘書のヴェラの貯蓄まで当てにしたり、と自分のバラ園を守りたいがために、従業員たちを危険にさらすのは、経営者としていかがと思ってしまいました。

むしろ、敵対するラマルゼル社の社長の方がよっぽどまともに思えて、エヴがあそこまで毛嫌いする理由がよくわからなかったくらい。^^;

でも、エヴがフレッドに嗅覚の才能があることを見出して、彼の才能を伸ばそうと背中を押すところは、とてもよかったです。また、彼女が細心の注意を払って交配したバラではなく、助手たちが練習用に交配したバラが成功したのも、深いと考えさせられました。

エヴがフレッドに贈った花ことばのメッセージも、彼女らしくてすてきでした。

コメント (8)