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銀座レカン

2022年10月08日 | グルメ

1974年創業の老舗フランス料理レストラン、銀座レカンでアニバーサリーランチをいただきました。

1階入口からエレベータで案内されて地下のダイニングルームに着くと、そこは地上のにぎわいから隔絶された異空間。ガラスの球が流れるように配されたシャンデリアの下、秋のはじまりを感じさせる深い赤色の花を大胆に生けたアレンジメントがみごとでした。

この日は車ででかけたこともあり、食事の前にノンアルコールのスパークリングカクテルをいただきました。りんごのほかフルーツを組み合わせたカクテルはほのかに甘くすっきりとした印象です。

アミュージュブーシュ。詳細忘れてしまいましたが、いろいろなお味を重ねた繊細な一皿でした。上に重ねた、赤と金、蝶をあしらった絵皿が美しく、どことなく和を感じたので一瞬森英恵さん?!と思いましたが、フランスのリモージュのお皿だそうです。

鰆のフュメ 柚子とフヌイユのヴィネグレット マイクロハーブの菜園仕立て。脂ののった鰆も、マイクロハーブとあわせてさっぱりといただけました。鰆は春の魚と思われがちですが、秋も旬なのだそうです。

鰆の上にのっているのは黒白2色の胡麻とチーズを焼いてパリパリにしたもの。これはお家でもやってみたい。お皿の縁の青いストライプに、私は土星の環を思い浮かべたのですが、このお皿もリモージュだそうです。

パンはこの日4,5種類くらいあったでしょうか。これは、バゲット生地のパンと全粒子のパン、私はこの後に赤ワインを使ったきれいな色のパンをいただきました。どのパンもお料理によく合いました。

太刀魚とホタテ貝のヴィエノワーズ カリフラワーとムール貝のヴルーテ チョリソ風味。左のヴィエノワーズとはウィーン風という意味ですが、帆立に太刀魚を巻いて、上にパン粉をのせて焼いたお料理でした。

右は小さなムール貝とカリフラワーをあわせた上に極々薄いチョリソーをのせているのがおもしろい組合せ。クリーミーなソースがよく合いました。上にのっているのは豆苗? つるが絵になります。

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このあと、メインのお料理に「ブルターニュ産仔牛のブレゼ オルロフ風」をいただいたのですが、なぜか写真を撮り忘れてしまったようです。柔らかい仔牛肉がとてもおいしくて、シャンピニオンやごぼうを使った付け合わせが美しかったです。

肉料理のお皿が、鰆のフュメのお皿に似た茶色の縞模様だったので、色違いかと思いましたら、なんとこちらは日本 (大阪) のお皿とのことでした。お皿は料理長が代々好みのものを増やされ、膨大なコレクションの中から選ばれるそうです。

食前にいただいたノンアルコールのカクテルの後は、スパークリングのミネラルウォーターをいただきましたが、福島の奥会津金山という日本酒の酒蔵が作っているお水とのことでした。

季節のデザート。右はいちじく。左はアイスクリームにチョコレートのパリパリを合わせたものだったと思います。

この日は予約時にアニバーサリーのことを伝えていましたら、特別なデザートを用意してくださっていました。しかも2人に一皿ではなくそれぞれに用意してくださっていて、感激しました。

コクの深いコーヒー。

最後にお店のスタッフが大きな漆塗りの宝石箱をワゴンでもってきてくださいました。左、手前、右、上と引出しを開けると、それぞれに美しい小菓子がきれいに並んでいます。全部で20種類くらいあったでしょうか。

いくつでもどうぞ、とおっしゃってくださいましたが、私は控えめに3つ。ラズベリーのギモーヴと、ラベンダーのマカロン、オランジェットをいただきました。

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お料理もどれもすばらしかったのですが、スタッフのみなさまのホスピタリティ、そしてお料理、飲み物、器、すべてに関する知識の深さにも驚かされました。日頃からよく勉強されていることが伝わってきました。

この日は8組くらいお客様がいらっしゃいましたが、どのテーブルも理由はさまざまながらお祝いごとだった様子で、まさに晴れの日にふさわしい特別なレストランであることを実感しました。

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