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奈良・山焼き(2025・冬)若草山焼き

2025年03月01日 | +奈良

奈良・山焼き旅行記の続きです。これまでの記事はこちら。

1.奈良・山焼き(2025・冬)粟 ならまち店

奈良の若草山焼きは、毎年1月第4土曜日に行われる伝統行事で、春日大社の背後に連なる若草山全体を燃やすものです。若草山は山というより丘に近く、一面が芝生で覆われたなだらかな地形をしています。

私は、奈良の山焼きは野焼きのようなもので、芝を均一に伸ばすために行われるのだと思っていました。しかし、実際には春日大社・東大寺・興福寺が関わり、先人の霊魂を鎮めるための祭礼なのだそうです。

とはいえ、県庁前では和太鼓の演奏が行われ、参道には屋台が立ち並び、山焼きの前には花火も打ち上げられます。多くの観光客が集まる、早春の一大イベントとなっています。

私が気になったのは、「若草山にいる鹿たちはどうなるのか?」ということ。彼らは何かを感じ取ってどこかに避難しているのか、それとも誰かによって誘導されているのか。この日は、いつもより鹿の姿が少ないような気がしました。

飛火野(とびひの)という広場で行われる「大とんど」。事前に段ボールに集められた大量のお札やしめ縄などが、消防署員によって次々と投げ込まれ、燃え上がる様子は圧巻でした。

若草山のすぐ麓から山焼きを見ることもできますが、私たちは少し離れた広場から眺めることにしました。向こうに見える芝生の山が、若草山です。

辺りがだんだん暗くなってきました。先ほどの大とんどで燃えた御神火を受け取り、聖火行列が山まで運びます。山の麓では、かがり火が点火されている様子が見えました。暗い夜空には冬の星座が輝き、その美しさにも心を打たれました。

18時15分から花火が打ち上げられました。大輪の菊のような花火、カラフルな花火、さらには鹿の顔をかたどった花火も上がり、会場は大いに盛り上がりました。

18時30分から、いよいよ山焼きが始まります。消防団員の方々による一斉点火が行われ、赤々と燃える炎が少しずつ広がっていく様子は大迫力でした。

帰り道、奈良公園では「なら燈花会(とうかえ)」が開催されていました。一面に灯された無数のろうそくの光は幻想的で、とても美しかったです。なら燈花会は毎年8月に行われる行事ですが、この日は山焼きに合わせて特別に開催されていました。


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