2011年3月29日、私たちの任期 最後の議会(第1回定例会)が
終了しました。
そこで述べた「みんなの党・世田谷行革110番」の会派意見を、
以下、ちょっと長いですが、貼り付けます。
興味とお時間のある方は、ぜひ読んで下さい。
『みんなの党・世田谷行革110番』は、予算案に賛成の立場から
意見を述べます。
その前に(私たちも)今回の東日本大震災で犠牲になられた方々
のご冥福をお祈りし、被災された皆さまに心よりお見舞い申し
上げますとともに、今なお、不自由な生活を強いられている多く
の方々に、国をあげての支援をもっともっと強化するよう政府に
要望いたします。
さて、今回の予算委員会は、当初から国の予算関連法案が通る
見込みがないことから、世田谷区においても、巨額の予算を占める
「子ども手当」等の執行が不確かな、異例の状況で始まりました。
さらに3月11日の大震災によって、国の予算は大幅な補正を迫られ、
新たな財源が求められる事態となっています。
このことについて3月25日のNHKの「時論公論」では次のように解説
委員が明言しています。
「当面の財源を捻出するには、来年度予算案を抜本的に組み替える、
とりわけ2兆円を超える巨額の財源を必要とする『こども手当』に
ついては、制度のあり方を大幅に見直すべきです。今日明日の生活
がままならない被災者の方々の厳しい現実を考えますと、高額所得
者でも給付される『こども手当』には、やはり違和感があります。
『こども手当』を以前のように所得制限を設けた『児童手当』に切り
替えたとしても、国民の理解は得られるはずです。それこそが政治
判断です。普通の国民感情だと思います。厳しい財政事情である
からこそ、未曾有の災害には素早い政策転換が必要ではないかと
考えます。」
以上がNHKの「時論公論」での主張ですが、まさにこれは国民の声
でありましょう。政府は何をやっているのか、官邸は何をやっている
のか、国会が一つになれないのは、政府与党の政治判断の遅さに
尽きる、と言えます。この非常時に、こんなことでいいわけがない、
と多くの国民が大変不安に感じていることは、私が言うまでもない
ことだと思います。
国の予算が定まらなければ、世田谷区の予算も確定しません。
これまでもそういうことは、ままあったわけですが、いわゆる想定
の範囲で、区の予算としても事後的に補正で修正していくという
ことで、事足りていました。
しかし今回の国政の状態、そして未曾有の大震災に伴う国の
予算の組み替えとあっては、世田谷区の予算も大幅な影響を
免れないことは、現時点で明らかであります。
これらのことから、今回の予算審査は、執行の上で未確定の
部分が相当数、残されていることを踏まえた上での賛成ということ
であります。
次に「世田谷型の福祉」について申し上げます。本来ならこのことが、
今回の予算審査を通して大きなテーマとなるところでしたが、国難
ともいうべき事態と、それに伴うさらに大きな財政措置という課題
の影に隠れてしまった嫌いがあります。
今、言われている「地域主権」の根幹は、福祉の追求にある、という
ことだと思いますが、実際問題、福祉には財政的な制約がある、と
いうことが、今回の大震災で、さらに強まることは必至です。
今、私たちは、世田谷の福祉について大きな分かれ道に立っていると
思います。 一つは、少なくとも23区の中で比べて、足りない部分を
補う道です。簡単に言えば、この道の先にあるのは「23区の中で平均
的な区の姿」ということです。
もう一つは「世田谷区の特長的な部分の福祉を伸ばす」ということに
特化した道、です。この道の先にあるのは、見方によっては随分と
評価の異なる世田谷区の姿、だと思います。
わかりやすい、例えで言えば、算数が得意で体育が苦手な子どもに、
得意な算数を伸ばす教育をすべきか、それとも苦手な体育を教育す
べきか、という問題に似ています。
もっと具体的に言えば、23区の中で、福祉予算の構成が世田谷区
と異なる足立区とか江戸川区、これらの区はそれぞれの事情や住民
構成に応じてそうなっているのですが、それらの、例えば足立区と
世田谷区を足して2で割ったような福祉政策で良いのか?或いは
江戸川区と足して2で割った区政で良いのか?ということです。
自治体というのは、そこに住む皆さんによって財政構造が決まって
きます。それらは23区それぞれ異なりますし、その調整装置として
財調があるわけですが、今後の財調機能は今までのように機能しない
ことが予想されます。
つまり、今後は、特別区民税をメインに据えた身の丈にあった、税収
の範囲で予算を組むということにならざるを得ないであろうという
ことです。
これまでのように23区は一体、という考え方ではなく、23区それぞれ、
行政、政治、そして区民の皆さんに我慢していただく部分が少しづつ
違っても仕方ないでしょう。
なぜなら、世田谷から見れば、まさに、そのことは、世田谷ブランド
の維持につながるものとなると思います。23区が同質化するなら、
それこそ大政奉還でもして東京市に戻れば良いのであり、区民に
とっては東京都とNHKさえあれば十分ということになります。
加えて教育分野について言及すれば、世田谷教育委員会の進める
「教科日本語」は今回もいろいろと批判があったようですが、
それは違うと思います。「教科日本語」は素晴らしい内容です。
是非とも胸を張って頑張って戴きたいと思います。
現場からの批判は、ある意味当然とも言えるでしょう。なぜなら、現場
の先生方は東京都の職員だからです。23区が同質化することの方が
当たり前、と思っている立場にあるからです。なぜ、世田谷区だけ違う
ことをしなければならないのか?という疑問が、批判の根本にあるの
だろうと思います。
この点からも教員の人事権の移管は進める必要があります。
世田谷らしさ、世田谷の良さを伸ばす教育を、私たちは見誤っては
なりません。それこそが、世田谷ブランドに繋がるからです。
さて、任期の最後にあたって考え方を色々と述べさせていただきました。
私たちの力の及ぶ範囲は事実上、今定例会をもって終わります。
ご勇退される熊本区長には様々な事を申し上げ、また教えられることも
多々ありました。また多くの職員の方々にはお世話になったことをこの場
を借りて御礼申し上げます。
世田谷区にとっても、また日本にとっても、この最大級のピンチの時に
発言の場が一旦閉ざされることは非常に残念なことであると思いますが、
新しい議会の姿がどうなろうと、世田谷区がこの困難を克服して日本を
代表する立派な地方自治体となることを心から願い、「みんなの党・
世田谷行革110番」の意見といたします。
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