「世田谷ナンバーを考える会」のHP、ぜひご覧ください
本日は、世田谷区議会第3回定例会の最終日でした。
各会派から、決算認定についての賛否の意見が開陳されたのですが、
うちの会派「みんなの党・世田谷行革110番」は、私が登壇し、以下の
反対意見を述べました。
少し長いですが、内容は熾烈だけどその通り!と思う区民の方が沢山
いらっしゃることと思います。
2013年3定 決算・意見開陳 田中優子
みんなの党・世田谷行革110番の「平成24年度一般会計決算認定」に
反対の立場から意見を申し上げます。
反対の理由は、世田谷ナンバー問題。まさに、ここに、現在の区政の問題
点が象徴されています。
昨年12月、一部の団体からの要請に、保坂区長はわずか1ヶ月で世田谷
区および関連団体を巻き込み、運動の先頭に立ちました。
世田谷ナンバーの効果として、地域振興と産業活性化、世田谷らしいまち
なか観光、世田谷の知名度の向上、世田谷ブランドを全国に発信する、と
いう、もっともらしいコジツケで「世田谷ナンバー」の導入を推進し始めたの
です。
世田谷区を観光地にして、全国から世田谷区を訪れる人を増やせば、
商店街もにぎわい、産業も活性化するだろうという、まことにチープな発想
の延長線上に、この世田谷ナンバー導入の目的があります。
しかし、それは間違いです。
しかも、保坂区長が即断即決した背景には、区内の商工団体の意向を受け
入れることで、次なる区長選を有利に運べるという打算があること。
それは、区政関係者ならずしても、誰もが感じることであり、政策が私物化
されています。
これから、間違いについて述べてまいります。まず、第一に、世田谷区は
観光地ではない、ということです。
世田谷区は住宅地であり、今後も良好な住宅地として発展し続けなけれ
ばなりません。
どこかの学者の間違った認識、地方での成功例をそのまま世田谷に持ち
込む愚かさに、どうして世田谷区は気付かないのでしょうか。
具体的に申せば、仮に、世田谷区を観光地化できたとしても、商店街活性
化にはつながりません。
観光客を集客できたとしても、結局、一見の客であり、一部のおみやげ屋や、
キャラクターグッズの店だけが繁盛し、地元の商店街は素通りで、かえって
衰退の速度を早めるだけです。そんなことは東京スカイツリーの例を挙げる
までもなく、分かりきったことではないでしょうか。
世田谷の商店街のトップがこのように、地方では成功しているかもしれない
観光振興と、都市部の商店街活性化を混同しているようでは、早晩、コンビニ
に淘汰されてしまうでしょう。
実際、スーパーやコンビニは消費者ニーズをしっかりとらえ、それに応え、
進化しているのを実感します。
かたや、世田谷区の商店街振興策は、プレミアム付き商品券の乱発であり、
安くて得するなら買うだろう、という単純な発想です。結果として、安い時だけ、
得する時だけ買う、という、繰り返しであります。
しかも区民意識調査、これは昨年の調査ですが、プレミアム付き商品券を
購入したことがあると答えたのはたったの9.9%です。
一部の特定の人たちのみが利用していることが推定され、商店街の活性化
とは無縁の政策であることがわかります。
二番目の間違いは、補助金漬けの商店街は誰のためにもならないということ
です。今回の世田谷ナンバーでも、多くの商店街にノボリが立ちました。
また署名集めも、仲間はずれにされるので断れなかった、という話をあちこち
で聞きました。
その背景には「商店街には区からの補助金が出ている」という厳然たる事実を
抜きにしては考えられません。
プレミアム付き商品券をばら撒いても、そんな小手先で世田谷の消費者の
心は動きません。
いかに消費者のニーズに応え、商店街自身に魅力があるか、が問われている
からです。
残念ながら、商売の現実を知らない公務員が考えるのは、他の自治体の成功例
に飛びつくコト。前例のないことを嫌う公務員にとって、他自治体の成功事例は、
責任回避の魔法の杖かもしれません。しかし、単なるモノマネや模倣で成功した
事例はほとんどないのです。
今回の世田谷ナンバーについても、仮に地方での成功事例があったとしても、
それは、それぞれの地方の諸条件があってのことで、世田谷区には当てはまり
ません。
一部の商工団体が自分たちの利益になると考えて発想した世田谷ナンバーに、
区長は即行で乗ってしまった。
それはこれまで述べたように、「観光地化すること」と「商店街活性化」を混同した
間違った考えなのに、地元の権力者に擦り寄ることに頭が一杯で、何の冷静な
判断もせずに世田谷ナンバーを推し進めてしまった保坂区長のセンスには呆れ
るほかありません。
副区長答弁では、たしか、世田谷ナンバーにしたら優遇策が考えられると予算
委員会で答えていらっしゃいました。
商店街を通じてそういう促進サービスをするとか。このような発想にも驚かされ
ますが、来月開催されるという保坂区長の政治資金パーティーにおいても、
会費が、1万5千円、1万円、5千円、と、同じパーティーでありながら3つに分け
ていることにも驚かされました。招待というのもあるそうです。
第三の間違いは、世田谷区には商工関係者しかいないのか、ということです。
世田谷ナンバーの話に戻りますが、車というのは道具ではありますが、多くの
人が、大きさとか性能だけで選ぶことはありません。色やデザイン等々、好み
は多種多様で、値段もいろいろ。ある人たちにとっては自己表現の一部にさえ
なっている場合もあり、そういう人たちにとっては、ナンバープレートは一種の
エンブレムのようなものなのです。
そしてそれは、それなりの付加価値というものが歴史的につくられていて、個人
の財産でもあります。それは目には見えないし、形のないものですが、そういう
こだわりを大切にするのが、これからの消費者の姿でもあるのです。
産業政策部や商業課は、一体どこを向いて仕事をしているのでしょうか。
商工関係者より、はるかに消費者の側に、産業振興の決定権があることを
ご存知ないようです。世田谷区の商店街や工業会の振興・発展には、まず
第一に、消費者の動向です。
消費者は何が欲しいのか、何を望んでいるのか、何を用意すれば売れる
のか、を考え、分析すること。
先にも述べましたが、このことを研究しつくしているのがスーパーやコンビニ
です。そこから学びとれるのは、商売の基本は、消費者の小さなこだわりをも
見逃さないで大切にする、ということです。
私たちは、区が行なった「世田谷ナンバー」のアンケート結果は信じません。
統計学的に破たんしており、結果が無作為抽出ではないことを証明しています。
おそらく平成17年の区民意識調査の方が実態に近いでしょう。
そこでは区民の5割が反対でした。賛成はわずか27%。しかし、です。
仮に、8割が賛成だとしても、2割もの区民が反対し、ナンバーに “こだわり” を
持っているというのは、商売をされている方にすれば、見逃せないこだわりでは
ないでしょうか。
それを、保坂区長は、自身の選挙対策への期待から、バッサリ切り捨てたのです。
とりかえしのつかない愚かなことをしてしまいました。
今回の件で、世田谷区が嫌になってしまった区民が少なからずいます。
世田谷ナンバーを導入しなくても、特段、世田谷区を嫌になるという区民はいない
でしょう。なぜなら、世田谷ナンバー賛成と言っても、あればいいな、という程度で
あって、なければ困ると言っている区民はいないからです。
しかし、世田谷ナンバーを強制されることで世田谷区を嫌になってしまった区民は
確実にいるのです。世田谷区が嫌になる政策を区民に押し付ける区長とは、最悪
ではないでしょうか。そして、残るのは、誤った考えに染まった商工関係者
への区長のご機嫌取りだけ。
まさに区民置き去りの区政です。それが、最大の間違いであります。
最後に、世田谷区の商業発展のために、私なりの考えを述べさせていただきます。
それは、商業課の人事です。
実は、商業課が誕生して以来、歴代の課長はすべて男性です。
商業振興のカギが消費行動にあるとすれば、日常の買い物は主婦が大半であり、
消費の目線は女性目線にあると言えるでしょう。つまり、女性心理や女性の消費
行動というものがわからなければ、商店街のリピーターは増えないし、活性化もない、
ということです。
商業課は、係長級もそのほとんどが男性ばかりです。
この辺りは改善の余地があるのではないでしょうか。
このほか、反対意見として言いたいことは、まだまだ山ほどありますが、定例会の
代表質問~決算委員会での意見も含めての反対意見であるということを付け加
えます。
なお、11月12日に開催される、区長の政治資金パーティー「保坂のぶとと世田谷
の未来をひらく会」は、本日午前現在、政治団体の届け出が出されていないことを、
私共も都選管で確認しております。
主催者は誰なのか?政治資金は何のために遣われるのかが不明なパーティー
に職員を巻き込むことは厳につつしむべきであるということを重ねて申し上げ、
みんなの党・世田谷行革110番の意見といたします。
政治家(市区町村)人気ブログランキング、455人中、第7位です!
応援ありがとうございます!引き続きクリックよろしくお願いしまーす
ぜひこちらもクリックを