@錯覚を利用したデザインは、視覚的な演出や物、デザインを通して錯覚を起こすことができる手法で、人間の感覚を巧みに操るテクニックが商業施設やプレイパークなどで活用されている。有名な例としては、ミュラー錯覚、フィック錯覚、ジェストロー錯覚などがあり、蜃気楼、飛び出し絵、隠し絵や騙し絵なども同様の効果を生み出しているのは面白い。一方で、味覚錯覚の一種である「ミラクルフルーツ」は、食べ物の味を甘くする効果があります。また、文中には無いが、ワサビの後にコーラを飲むと辛味が消えるのも、味覚錯覚の一例だと思う。
『五感を騙す錯覚の科学』斉藤勝裕
「概要」人間の目・耳・舌・鼻・肌などは多くの情報収集と分析をしますが、時に騙されもします。これが「錯覚」という現象です。本書では視覚、味覚、嗅覚、聴覚、触覚の5種類の感覚器官の仕組みから錯覚を起こす原因、医療への活用など錯覚のメカニズムについて科学的にわかりやすく解説します。
1 錯覚とは、錯覚の種類
不注意性:見間違い、聞き違い、人違いなど
感動:物の影が人に見えたり、物音で人の気配を感じたりする
パレイドリア:雲の形や火の形が違ったものに見えたりする
生理的錯覚:幾何学的な錯覚や音階が無限に上下するような錯覚
ー物理的なものは「蜃気楼」空気の温暖さで見える幻想的な錯覚現象
熊本の「不知火」漁船の光が横に伸びてゆらめく現象
「逃げ水」道路等に現れる水たまりのような現象
「ドップラー効果」救急車などの音波による音差の違いを感じる現象
ー感覚的な錯覚・社会的原因の錯覚
同期刺激(ラバーハンド錯覚):敷板を立てて擬似手を刺激すると自分の手の様に感じる
エジプト絵画:人物像を方面からと横からを描いた絵
遮光器土器:埴輪などに何かに見立てる(女性、宇宙人とか)
2 感覚器官のメカニズム
5感による感覚(視覚、味覚、聴覚、臭覚、触覚)
味覚のメカニズムは基本は4つ「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」
さらに「うま味」「カルシウム味」「脂味」「コク味」が加わる
味覚の地図:手前は甘味、次いで塩味、側面で酸味、奥で苦味を感じる
臭覚のメカニズム:収穫の感度は味覚の感度の1000倍以上ある
皮膚メカニズム:「触覚」「圧覚」「痛覚」「温覚」「冷覚」の5つ
聴覚メカニズム:人は20~2万ヘルツ、犬5万、猫10万、イルカ15万ヘルツ
3 視覚の錯覚
光の3原色(赤、緑、青)を混ぜると白色光になる
虹で見える色赤は42度、紫40度、つまり一定の角度だけで見える
4 だまし絵の錯覚
ミュラー・リアー錯視:矢印の内向き外向きで長さが違って見える
ポンゾ錯視:三角形の内下に2本の線 上のせんが長く見える
フィック錯視:縦と横のいたをTの字にすると縦が長く見える
オッペルト・クント錯視:等間隔に3本線を平行に引きABC, AとBにはさらに細かく引いてBとCの間には線をひかないでみるとAとBの感覚が広く見える
ザンダー錯視:菱形を斜めに潰し3分の2のところで区切対角線を引いても同じ長さになる
デルブーフ錯視:黒い丸に重ねて丸いものと大きいものを作る
エビングハウス錯視:黒い点にさらに小さい点と大きい点を描く
ジャストロー錯視:扇形の色紙を2つ並べると内側の色紙が大きく見える
ツエウナー錯視:横の棒に縦の線を右からと左からと描く
ポッゲンドルフ錯視:斜めの線を紙の下に、2本の線を延長線上に描く
フレイザー錯視:渦巻き状に見える円を描いた象
飛び出した様な絵・天井絵・上下絵(日本)・寄せ絵(日本)
多義図形:遠近の反転するマッハの絵(折り紙を立てる)
ネッカーの立方体・シュレーダーの階段・ルビンのツボ・隠し絵・ドクロの隠し絵
5 味覚の錯覚
ミラクルフルーツ(西アフリカ産の果物)次に食べた物を甘く感じさせる能力
6 嗅覚の錯覚
香りと記憶(プルースト効果)
7 触覚の錯覚
かゆみ・ドライスキン(なかなか治らない痒みにはヒスタミン・肥満細胞)
8 聴覚の錯覚
耳鳴り・幻聴・骨導音・めまい
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