@歴史を振り返りその遺跡などを旅するのは新たな史実を発見することにもつながる。特に社会的に悪行行為、人権的な事件事故など、庶民を犠牲に革命した独裁者の史実では知ることができない。この書で知ったことは多くの地域で昔の女性へ人権は「モノ」扱いが多く悲惨な歴史があったことで、現代では秘話として実在していることだ。
『忘れられた日本史の現場を歩く』八木澤高明
「概要」北海道から九州まで全国19ヵ所…
気鋭のノンフィクション作家が、自らの足で日本の“裏面史”を歩いた記録的一冊!私が好んで歩いてきたのは、アイヌの人々の歴史であったり、東北の蝦夷、江戸時代の大飢饉の記憶、悪所と呼ばれた色街、明治時代に海を渡った日本人の娼婦からゆきさん歴史的に弾圧されてきたキリシタンなど、どちらかというと、由緒正しきものではなく、悲劇や血に彩られた哀しい歴史であった。
●独自の呪術信仰“いざなぎ流”/拝み屋が暮らす集落(高知県香美市)
「医者にかかっても治らないものが祈祷で治る」と言われた場所
人間の心の裏も面も美しさも見つめ続けて言えることは「人間が一番難しいぞよ」
●パンデミックの悲劇/面谷村(福井県大野市)
銅山で賑わった村がパンデミックで壊滅
●インドから帰ってきた女性/からゆきさんがいた村(山口県岩国市)
からゆきさんは中国等から、あめゆきさんは米国等からの娼婦
貧しい村での生き残りさくは娘を働き口に出すこと
●かつて栄えた風待ちの港/大崎下島(広島県呉市)
遊女たちの色街
●『遠野物語』に記された“デンデラ野”/姥捨山(岩手県遠野市)
飢餓に耐える工夫で60歳を超えたら昼は農作業、夜は山に籠る生活
●海外への出稼ぎ者が多かった土地/北米大陸に繋がっていた村(静岡県沼津市)
米国カナダへ遊女として出稼ぎの街(人身売買の拠点)
●国家に背を向けた人々の“聖域”/無戸籍者たちの谷(埼玉県秩父市ほか)
1920年国勢調査が始まって分かった無戸籍村、200余人
●潜伏キリシタンが建てた教会/中通島(長崎県南松浦郡新上五島町)
3千人が移った五島列島(信仰の自由を求めて)
●難破船と“波切騒動”/大王崎(三重県志摩市)
難破船多発場所(江戸ー紀伊)飢餓で難破船の荷を盗む)
●古より遊女が集まる場所/青墓宿(岐阜県大垣市)
古代から中世にかけて傀儡女と呼ばれた遊女の拠点
●江戸時代の大阪にあった墓地群/大阪七墓(大阪府大阪市)
梅田は田を埋めた墓地帯・大阪駅近辺
●自由に立ち入れない場所/津島村(福島県双葉郡浪江町)
