@アニメの「怪盗ルパン」のイメージが強い分、小説のルパンは数度の窮地をどのように乗り越えるのか興味津々、一気に読み終えたくなる。それは変装し現場に赴くと相手は既にルパンの正体を知って逆手に取りルパンを窮地に追い込む。最後の最後まで騙す、騙されるを繰り返すが危機一髪で事件を解決に導く。
現代、世の中の金を使い権力を持っている輩がいる。が、金で得たものはやはり金でしか解決しない。人は常に「情」を持って人は従うのを忘れている。
『水晶の柱』モーリス・ルブラン
「概要」政界の黒幕ドーブレック代議士の別荘へ侵入したルパン一味。ところが計画が狂い、ルパンが可愛がっていた青年ジルベールを含む二人の部下が逮捕されてしまう。怪盗の部下逮捕の報に世間は沸きたち、迅速な死刑が決定した。部下救出に策を凝らすルパンは、そもそもの発端であるドーブレックがその力の源とする、ある品物に狙いを定めるが……迫りくるタイムリミット、強大な敵との対決。ルパン最大の苦闘が、今始まった!
ーこの小説の背景にはリアルな疑獄事件があった。1869年のパナマ運河に関わる国会議員の過半数、全ての官僚、新聞界の半数以上など大掛かりな賄賂と買収があり、実際1903年に起訴されたのは元建設大臣一人だったのである。
ー貪欲な政治家ドーブレックに振り回されたルパンは正体を暴かれ3度窮地に立たされる。ルパンの知恵が何処まで勝るか、乗り越えれるか。ローブレックの先手先手で周りを買収し、情報を集め、次の手を打つ。誰が何処までの人物を買収しているのか疑問が残る中、ルパンはあるきっかけでそれを見破り危機一髪を乗り切る。
ードーブレックは国を司る主要人物たちに対して強い立場に立っている理由は、運河贈与に関わった27人の隠されたリストを持っていたことで、世間にバレると破綻するほどの威力を持っていた。それが「水晶の栓」にあるとのことで、ルパンはついにその「水晶の栓」を手に入れるが隠されていた場所が謎だった。
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