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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

あえて今訴える、牛丼なら『吉野家』!

2022年05月18日 | 丼もの
ちょっと前に、『吉野家』の不祥事がいくつか報じられた。
ネットでは大騒ぎになり、「ファンだったのに裏切られた」「もう吉野家には行かない!」などと、批判が続出。
数年前のペヤングのとき(詳細は触れない)もそうだったけど、わざわざ批判の投稿をするヤツなんて、真のファンじゃないし、
むしろ承認欲求の強いバカだろうから、「どうぞ二度と来ないでくれ」と切に願う。
あと、意外と多かったのが「松屋(orすき家)の牛丼の方がウマいし、吉野家はつぶれてもいい」といった意見。
いくら匿名で投稿できるからって、よくこんな非常識な発言ができるな。
「つぶれてもいい」とはヒドい、と感じた方もいるだろうが、私があきれたのは「吉野家よりウマい」の方だ。
これって、「私は味覚オンチの恥知らずです」と、広言するようなモンだからね。
バカどもの意見はさておき、吉野家のイメージダウンは著しく、株価も暴落するなど、かなりピンチの様相だが、
こんなときこそ、のび太君の言うとおり、拙ブログはあえて、吉野家を支持・応援する
 (C)藤子・F・不二雄 (C)小学館

ただ、このような擁護は、騒動の直後に表明するのが望ましく、今回のブログのように数日経過したタイミングだと、
世間が忘れかけたところを蒸し返す形になるので、むしろ逆効果かもしれない(苦笑)。吉野家、ゴメン。

いくつかの事件のうち、最も大きく取り上げられたのが、「生娘シャブ漬け」発言だ。
知らない人もいるようだけど、発言主の常務取締役は、「吉野家一筋30年!」のようなベテラン社員ではなく、
5年前に外部からスカウトされた、いわゆる雇われ幹部であり、叩き上げの取締役ではない。
なので、「吉野家で上層部に出世するのは、こんなクズばっかりなのか!」という批判は誤りである。
とはいえ、こんな人物に立派な肩書きと、普通の社員よりは明らかに多い報酬を与えていたのだから、
彼を起用した社長及び上層部は、猛省しなくてはならない。
発言主の伊東某という輩は、コンサルタントだの、アドバイザーだの、マーケターだの、
いろんな肩書きがあるようだけど、私に言わせりゃ単なる予想屋である。
ただ、競輪場にいる予想屋さんは、自分が売っている商品(予想)に誇りを持っている。
おカネや自分は大好きだが、自社の牛丼はさほど好きでもない、そんな人間を重用したのが吉野家の悲劇であった。
この騒動、悪いのは暴言を吐いた取締役であり、雇った社長であり、
現場の従業員や牛丼は悪くないので、一部のバカ以外は、これからも吉牛を食べてくれよ。
ただ、真偽はさておき、吉野家本部の対応がよろしくないとの噂は、数年前から出回っている。
さっき書いた「上層部はクズばっかり」が、事実でないことを願いたい。

さてここからは、牛丼の味について擁護させていただく。
以前どこかで告白したと思うが、私は吉野家と松屋で、バイトした経験がある。
なので、そんじょそこらの評論家や常連客も知らない、内部事情も理解している。
以下で、ネットなどにはあまり出回っていない(と思う)、牛丼の具材=「丼肉」の仕込み方を記していく。

ここまで、のび太君の画像しか載せていなかったので、直近で食べた吉野家牛丼の画像を掲載しておく。


注文したのは、「ねぎ玉牛丼」544円+「しじみ汁」173円。詳細はまたのちほど。

丼肉の作り方は、どのチェーン店も多分同じ。シンク状の大きな専用鍋にタレを注ぎ温めて、
そこへ玉ネギと牛肉を投入。脂やアクをすくい取りながら、数分煮込めば完成
牛肉と玉ネギは、店舗に袋詰め状態で届く。肉の量は、ひと袋あたり5キロだったかな。
完成後は鍋から丼肉をすくい出し、鍋に隣接された、ステンレス製のフタ付き肉置き場(名称知らず)に移して保存。
注文が入るたびに、この置き場からタレの入った鍋に肉を移し、再加熱してツユをまとわせ、ご飯に盛りつけ提供。
松屋も吉野家も、使用食材はほぼ同じ。牛肉は薄く切られた脂身の多いもので、玉ネギもカットされたものが店舗に届けられる。
タレも、袋詰めで届いたものを使う。タレだけを舐めた感想は、吉野家は生姜の風味が効いており、コクがあるのにまろやか。
松屋も使用調味料は似ているはずだが、醤油のしょっぱさがダイレクトに伝わり、ややトゲがある印象だった。

調理法や使用食材に大差はないのに、味が違う理由はズバリ、追加調理にあった。
丼肉が減ってきたら当然、肉と玉ネギを新たに仕込まなくてはならない。
松屋では再度、推定5キロの肉を投入。客の少ない深夜帯などは、半分の2.5キロしか煮ないこともある。
一方吉野家は、ピークタイム以外は約200グラムしか煮込まない
計量器を用意し、客の来店に合わせて約200グラムずつ計り、鍋に投入していく。
当時の牛丼並盛の肉量は85グラム(現在は90)。玉ネギ分を引いても、200だと2~3人前しかない。
大量の肉をいっぺんに煮る方が楽だが、吉野家はあえて、調理仕立ての丼肉を提供すべく、同じ作業を何度も繰り返す。
無論、複数の客が同時に来店した場合は、400グラムなどに増量するため、お客を待たせるケースはほぼ皆無。
脂とアクもしっかり取るし、煮込むたびに、鍋の火力を上げ下げ(加熱と保温)するのも忘れない。
そして、松屋との最大の違いは、吉野家は追加調理のたびに、タレも必ず追加するのである。
松屋が5キロの肉を1回煮込む間に、吉野家は単純計算で、200グラム×25回煮込むことになる。
つまり、タレを1回しか追加しない松屋に対し、25回追加する吉野家。どちらの味が安定しているかは明らかだ。
他のチェーンも、やり方は松屋と同じはず。人手不足のブラック企業・すき家は、もっと手を抜いている可能性もある。
以前チラッと紹介した、新橋の『なんどき屋』もそうだったけど、
肉は少しずつ煮込んだ方が、脂臭さが肉にまとわりつかないし、アクなども取りやすいはずだ。

※なんどき屋の「牛めし並」650円+「玉子」50円

以上、私が「牛丼は吉野家が一番ウマい、他店をウマいと主張するヤツは非常識だ」と述べた理由は、
吉野家は丼肉をこまめに調理しているという、事実に基づく正論であり、
決して、自分の好みを押しつける強引な主張ではないことを、理解していただきたい。

ここでひとつ告白、というかお詫び。私が双方の店で働いていたのは、今から20年以上前
現在は松屋も、こまめに調理しているかもしれないし(すき家は絶対やってない)、
逆に吉野家は、最近は牛丼以外のメニューも増えたため、テキトーな調理になってしまった可能性もある。
そもそも、当時の吉野家は、朝定食の時間帯が終わると、メニューは牛丼・牛皿・牛鮭定食しかなく、
来客の99.9%は丼肉を頼む(たまに酒だけのジジイが来る)ため、肉の調理に気合を入れるのは当然だった。
繰り返すが、さっき紹介した調理法は今から20年以上前のことなので、現在のやり方は不明。
補足しておくと、私が勤務していた吉野家はもちろん、松屋もなかなかの繁盛店で、
仕事のできるバイトも多く、マニュアルはちゃんと守っており、本社からの評価は高かったと記憶している。
ただし、私自身は酔った状態で夜勤or二日酔いで朝出勤のケースが多く、評判はよくなかった(苦笑)。

最後に、さっき載せた吉牛画像の詳細をつづっておく。食べたのは京王線の中河原駅近くの店舗。
牛丼に青ネギは不要だと思うが、野菜不足なので頼んでみた。玉子と紅生姜も乗せて食べる。


しじみ汁は初注文。しじみエキスは健康にいいらしいから…って、
野菜不足とかしじみで健康とか、牛丼を喰うだけなのに、いちいち面倒なことを考える自分がイヤになるね。
そのしじみ汁、目に付いたのは身のない殻ばかり。ムカついたので、青ネギが入っていた器に、殻を移し数えていく。
文字どおり、身のないカラの殻ばかりだったら、店員に抗議しようかと思っていたが、
汁の底に、身だけ沈んでいたりして、殻と身の数が近付いていく。
結果的に、殻が40に対し身が36。許容範囲の差であった。というか、40個の殻って結構な数だよ。


さすがは吉野家。殻だけなどと疑って申しわけなかった。しじみ汁、また頼ませてもらうよ。
そういえば、牛丼自体の味は、肉の臭みをちょっとだけ感じた。脂取りが足りなかったのかな。
ところが、久しぶりに食べた他チェーンの牛丼は、もっとダメダメな仕上がりであった。
近日中に「牛丼チェーン以外の牛丼を食べた」シリーズ番外編として、「吉野家以外のチェーン牛丼を食べた」を公開!
追記:公開したので、よかったら読んでください→こちらをクリック

他店の牛丼を食べてみて、改めて確信した。
だいぶ前にも主張したけれど、牛丼なら、やっぱり『吉野家』だよ!
いろいろ問題はあるようだけど、ファンとして、元従業員として、吉野家には踏ん張ってもらいたいね。
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