素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

万城目学『鹿男あをによし』やはり一気読み

2012年02月01日 | 日記
 第三章神無月に入ると縦横無尽に展開する万城目ワールドにすっかり虜になってしまい寸暇を惜しんで読みきってしまった。
 東大寺の転害門の絵も気に入ってます。奈良市内に行く時、般若寺の駐車場に車を止めて歩いて行くことが多い。ちょうど中間点にポツンとある。観光客もここまではあまり来ないが風格のある門である。

 「プリンセス・トヨトミ」の時、映画と小説を比べたが、小説の面白さや深さを映像で表現するのは困難であるという思いを強く持った。私は「鹿男あをによし」のテレビドラマは見ていないが、ヴォーチェ千里さんのコメントで小説は小説、ドラマはドラマとして割り切った方が良いみたい。

 デビュー作の『鴨川ホルモー』はまだ本棚で温めている。映画は行きたいと思いながら機会をはずしてしまったが、結果として良かったかもしれない。しばらくは鹿男の余韻を楽しみたい。この言葉は王手という感じであった。

 人間という生き物は文字にして残さないと、何もかも忘れてしまう。本当に大事なことは、文字にしてはいけない。言葉とは魂だからだ。だが、そのことを人間はすっかり忘れてしまったらしい。
コメント (2)
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