素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

第6回『大腸がん 死亡ゼロを目指して』に

2012年02月26日 | 日記
 毎日新聞社が主催している関係で招待状をもらった。会場の南御堂・御堂会館大ホールは800人を越える人でほぼ満員。
 最初に、二十数年にわたって大腸がん検診の普及につとめられてきた医療法人健正会理事長の濱崎寛氏の『大腸がん検診について』の話。60歳から大腸がんになる率は急増するとのこと。そのため年1回の便潜血検査と3~4年に1回の内視鏡検査による早期発見・早期治療を繰り返し強調されていた。

 次に、大阪医科大学第二内科教授で消化管疾患の病態生理、内視鏡的治療、カプセル内視鏡などが専門分野である樋口和秀氏の『内視鏡検査の進歩~ここまで進んだカプセル内視鏡』の話。大腸がん検診を受ける率が日本では極端に低い現状がある。その要因の一つに内視鏡検査の苦痛もある。私も経験者の話を聞いたことがあるが、積極的に受けてみようと思わなかったのが正直なところ。小腸を見るカプセル内視鏡の映像を見ながら、技術開発の現状を興味深く聞かせてもらった。大腸用のカプセル内視鏡は3年後ぐらいには実用化されるであろうということ。

 最後に登場した、大阪医科大学一般・消化器外科准教授 奥田準二氏の『大腸がんに対する外科治療の進歩』は写真と実際の手術映像を見ながらの話でインパクトがあった。大腸がんなどの内視鏡治療や外科治療を専門とし、とくに腹腔鏡下大腸手術と直腸がんに対する肛門温存術のスペシャリストとして国内外できわめて評価が高い。と紹介されていたが、素人目にも手術の手際とわかりやすい説明には、職人技を感じた。

 3人のそれぞれの立場からの話の後は、おなじみの毎日新聞専門編集委員である近藤勝重氏の司会進行で3人によるパネルディスカッション。

 むずかしい話に疲れた頭を♪デュークエイセス・スペシャルコンサート♪でほぐしてもらった。昭和30年結成。57年のキャリアをいかんなく発揮された40分であった。

 分野こそ違え“精進する”ことの素晴らしさを感じた半日となった。

 ただ、行き帰りの電車で読んでいたのは中村仁一さんの『大往生したけりゃ医療とかかわるな~「自然死」のすすめ』(幻冬舎新書)という真逆の本。私流のバランスのとり方。いろいろな立場からの話を聞く中に、見えてくるものがある。それを大切にしたい。
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