素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

映画『鬼に訊け』をシネマサンシャイン大和郡山で

2012年02月24日 | 日記
 映画館のあるイオンモール大和郡山は国道24号線沿いにあり、我が家から小1時間で行くことができる。新しくできたばかりで4200台の無料駐車場を持ちゆったりしている。

 2月8日の夕刊で山崎佑次監督がインタビューに答えて語っている。

 「『テレビは嫌いですね。1週間ほど来て斑鳩の匠とか美辞麗句を並べ立てる』と言われました。しかし企画書を読み、よう勉強しなはったと受けてもらえたときは震えるほどうれしかったですね。」

 そして、撮影は亡くなる5年前から始まった。「私にとっても最後の作。こういう時代、伝統文化の深淵を生きた人の新鮮さに触れてほしい。」
 技術の伝承、とりわけ宮大工 の奥儀は、言葉ではなく体で覚えるもの、技術は盗むものといわれ長い時間をかけ、厳しい修練の後にごく一握りの者だけが獲得できるものである。しかし、西岡さんは宮大工の経験と技術、研ぎ澄まされた感覚を若い人たちに最後の力を振り絞り、残された時間と戦いながらあえて言葉で伝えようとしていた。 西岡さんの歩んできた道程を証言と写真と記録映像をまじえながら最晩年の西岡さんの姿と言葉をドラマッチクに仕立てることなくていねいに追っている。“かつて鬼と言われた男”の言葉は、近代化の中で失って来た大切なものを思い起こさせるものが詰まっていた。

 映画を見た後、むしょうに薬師寺に寄りたくなった。東塔が修理のためシートですっぽり覆われ、閉門まで1時間だったので訪れている人もまばらで静かな境内を歩きながら映画の余韻にひたった。こういう時、主観的な感情を、一時客観の網にくぐらせることができる「五七五七七」の定型の果たす役割リをあらためて思う。
 

 何度も訪れたが、今日は柱一本一本、壁にいたるまで感じ方が違った。

 千年の未来を見つめこめた技春待つ里に物言わぬ塔

  
木の中に宿る個性をいつくしみ愛でて匠はやりかんな持つ

 時を越え心つないで宮大工明日に向かいて独り研ぐ夜

   
千年のいのちの中にまた生命注ぐ槌音姿なき塔
コメント
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