続・知青の丘

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杉田久女名誉回復・展

2011-12-10 10:48:54 | 俳句
12月8日毎日新聞によれば、

北九州市立文学館で
企画展「花衣 俳人杉田久女」が
12月25日まで開催中だそうだ。

「足袋つぐやノラともならず教師妻」や
「谺して山ほとゝぎすほしいまゝ」  
で、知られる久女(1890~1946)。
彼女の高浜虚子に宛てた手紙が初公開されているそうだ。

手紙の一部が同新聞に掲載されているが、
虚子が過剰反応したとしか思えない。

「只しづかに御高恩を心にほりつけつゝ
一九年間の俳句の思出をたのしみしづかにこもり暮します」
とか「三世迄も師に御従ひ申上ます」の手紙の文言に、
きっと、「どきっ」としたんじゃないかな。
古い時代の感覚で。

それとも、たちの悪いいじわるか!
ホトトギスひいては当時の俳句界の絶対的権力者は、
自分があれだけ久女を追い込んでいるのがわかっていて

久女が句集の序文を書いてくれるように懇願しても黙殺を続けて~。
久女の能力もわかっていて~
わかっていたからなのか・・・・

なんともパワハラめいていて、気分が悪い。

秋桜子のようにホトトギスを出ていけばよかったのに。
自分の方から虚子を「斬る」ことをすればよかったのに。


手持ちの『昭和の名句集を読む』(本阿弥書店・平成16年)
の中で、宗田安正は、

なによりも、『杉田久女句集』一巻が、
彼女の精神の高貴と健全を証する最大の答えだと思う。
同書の毅然とした完成度の高い作品群は、
どんな伝説や噂も無化して燦然と輝く。
と言う。

同書から、好きな句を孫引きする。

春寒や刻み鋭き小菊の芽
花衣ぬぐやまつわる紐いろゝ(いろいろ)
夕顔を蛾の飛びめぐる薄暑かな
朝顔や濁り初めたる市の空

紫陽花に秋冷いたる信濃かな
芋のごと肥えて血うすき汝かな

灌沐の浄法身を拝しける
ぬかづけばわれも善女や仏生会
羅に衣(そ)通る月の肌かな

大いなる春の月あり山の肩
蝶追うて春山深く迷いけり

虚子は、次元の低いところで反応し、
「をかしい」として除名したのではなかったか。

師として、
久女の才能を受け止めるほどの包容力も
芸術も持ち合わせていなかったのではないのか。
それとも我が娘可愛さでか。
要するに、虚子はGREATじゃなかった!
と言ったら、言い過ぎか!?

久女は、並々ならぬPASSIONと知的好奇心とを持ち、
ただただ純粋に一途に
至上の芸術をもとめてやまなかった!

と思う。

ただされる皆既月食久女の忌  知青






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