現代俳句くまもと 第22号
俳句も守破離 熊本県現代俳句協会会長
加藤 知子
宗教関連のニュースなどを見聞きしていて、思うことがあります。俳句は、宗教ではありませんが、宗教的な面があることを否定できません。私達俳句をものする者は、俳句という一つの表現方法を持った自立独立した人間です。誰それに傾倒するのは大変有意義ですが、575形式や季語に対して、教条主義的なお守りとするのは如何なものか、仲間意識は心地よいものですが、同調圧力に従ってしまうのは如何なものか、と思うのです。
俳句の師を宗教のようには妄信せず、常に自分自身に俳句とはなにかと問いかけながら、歩みたいものです。
芸事に守破離(しゅはり)という言葉があります。俳句も因襲的伝統の上に胡坐をかかず、575の音数律を鍛錬し、伝統を繋ぎながら破りながら、新しい伝統を作っていく。そのためにも、自分独自のスタイルを模索しながら歩を進めていけたらいいなと思うのです。
勿論、句座を楽しむことに異論はありません。
祝・三十年永年会員作品
紅葉して折々捨てしものはるか 汀 圭子
2022年度総会・句会のご案内
総会及び総会後の句会を、 次のとおり実施します。議題は、活動報告・決算報告・活動報告案・決算案についてです。九州現代俳句大会に関する説明もいたします。
総会への出欠は、同封のハガキ(委任状)にてご回答下さい。ご回答がない場合、「会長に一任」とさせていただきます。同ハガキは、投句用にもなっており、句会出席の場合は5句を、不在投句の場合は3句を、ご投句下さい。
締切は、3月29日(水)消印有効
総会・句会 期日 本年4月8日 (土)
〃 場所 くまもと森都心プラザ 6階 Ⅾ会議室
開場 午後1時 総会 午後1時10分~
総会後の句会 午後2時 ~午後4時50分頃まで
なお、句会終了後、熊本駅周辺にて、夕食会を計画しています。
参加できる方はご参加ください。
第14回 九州現代俳句大会ご案内
主 催 現代俳句協会九州地区連絡会
期 日 2023年10月21日(土) 受付 午後1時~
大会場所 紅蘭亭下通本店 熊本市安政町
講演 講師:高岡 修 先生(俳人・詩人)
演題:「詩としての俳句」
投句締切 2023年7月20日 (木)消印有効
◎詳しくは、4月中旬頃、実施要項・投句用紙を郵送しますので、多くの方々の投句をお待ちします。
< ’23現代俳句年鑑参加者一句抄>
錆び針にまた提げ掛くる初暦 青島玄武
乾坤の空の青さよ終戦忌 (京鹿子)荒尾かのこ
暗(くら)河(ごう)のように母たりもがり笛 (We)加藤知子
そぞろ寒 百鬼夜行のうわさ立つ(霏霏Ⅱ)志賀孝子
木枯しの吹き抜け母の声おぼろ (夜行) 徳山直子
郵便配達が揺らす稲穂の火傷あと(霏霏Ⅱ)中山宙虫
納豆のねばならぬかな秋の暮 (連衆) 萩 瑞枝
雲の峰その向こうから来る男 (花組) 林よしこ
保護法をしかと詠み込む寒夜かな(小熊座)右田捷明
ことは抑(そも)いのちあっての青葉旅 海原)汀 圭子
<第59回現代俳句全国大会参加作品抄
老いるとは自由研究秋休み 加藤知子
夕焼の空楽天地重信忌 佐藤惠美子
炎天の疫禍戦禍のこの世かな 徳山直子
民主主義が溶け新色のソーダ水 中山宙虫
大工らの大声ひびく大西日 西田和平
揚羽蝶プロパガンダの明るさよ 西村楊子
バッタと呼ばれ呼ばれるからに飛んでるの 林よしこ
真夏日や観覧車とて真夏日よ 右田捷明
腐草螢となる戦百日目 若松節子
<現代俳句くまもと吟行句会(2022・10・29)>
リデル、ライト両女史記念館との共催で開催。同記念館からテントと椅子を準備していただき、また俳人協会熊本県支部の応援もあり、11名の参加者があった。秋晴れのなか、賑やかに有意義に終わることができた。
今後は、こういうふうに協会を超えた吟行句会も催したい。
<第44回県民文芸賞(俳句部門)>
一席 真弓ぼたん
愚直とは佳き言葉なり蟇
黒揚羽直感のごと通り過ぐ
黒鯉のますます太る終戦日
小鳥来る指紋認証開けゴマ
仏像となる木に揺れて鬼の子は
<第59回県俳句大会>
熊本放送賞・福永満幸選 特選
汗拭いてマスクの顔を取り戻す 生田一代(準会員)
薩摩仙台こころの文芸大会(2022年10月)
丸山真選 入選
星月夜友の訃報を友に告ぐ 西村楊子
友と泣き子と泣き知覧晩夏光 若松節子(準会員)
<第58回滔天忌俳句大会(2022年12月)>
服部たか子選 佳作
凛凛とをとこの行路牡丹の芽 徳山直子
始まりの一枚はこの紅葉かな 荒尾かのこ
(参加者一句抄)
琉金のゆるゆる太る滔天忌 西村楊子
人はみな山河の冬を抱き立つ 林 紀子
穀倉へミサイル怒りの滔天忌 右田捷明
<第38回富澤赤黄男顕彰俳句大会(2023年2月)>
特選
白球を掴んだままの夏の雲 林よしこ
★『現代俳句』列島春秋 ★
(2022年 掲載)
4月 ひとひらの落花に浮かむ阿蘇五岳 青島玄武
5月 パンドラの箱に隠れし麦穂波 丘 菜月
6月 江戸の香の栄枯語らず肥後菖蒲 右田捷明
7月 夏草や阿蘇の赤牛長まつげ 汀 圭子
8月 夏雲へ土偶乳房を尖らせて 林 紀子
9月 阿蘇谷や案山子一体抱えゆく 田川ひろ子
10月 百年の雑談を吾と秋の亀 吉良香織
11月 大阿蘇の風引き連れて神の旅 田中順子
12月 赤酒の園に八千代の年の暮 加藤知子
(2023年 掲載)
1月 鳥居より望む教会踏絵伝 西村楊子
2月 潮騒がゆるむ臘梅たこ街道 中山宙虫
3月 素面(しらふ)の父らに越せない春の田原坂
西口裕美子
~~お知らせ~~
◎現代俳句協会費未納の方は、振込みをお忘れなく。
◎『現代俳句俳句年鑑 24』へのご参加をお願いします。
締切は、5月31日。5句掲載で参加費3千円。
◎皆さんの周りに、現代俳句くまもと句会へのご参加や現代俳句協会への入会を希望される方がおられましたら、事務局までご連絡ください。
熊本県現代俳句協会 会報 第22号
2023年(令和5年)3月10日 発行
発行人 会 長 加藤 知子
編集人 事務局長 西田 和平
メール:kumamoto_gendaihaiku@yahoo.co.jp
ああ、自分にとってなんと心強い言葉でありましょうか!
コメントありがとうございます😊
575を鍛錬しつつ、模索しつつ
ですね!
まずは「守破」まで
そして「離」に至れるよう
謙虚に努力したいと思っています。
ただ
三月いっぱいは
韓ドラにハマっていて
俳句からも
ブログからも少し遠いとこにいます。
なんちゃってー