空はなぜ青いか?:コスモス・セラピーの解釈

2008年06月25日 | 生きる意味

 あわただしく一週間が過ぎ、ブログ更新もままなりませんでした。

 H大の600点以上のレポート、M大の約160×2点の感想文の採点に、主な時間はほとんど取られています。

 自分の研究の時間が足りなくなるという意味では少しつらいのですが、しっかりと学んでくれているなと感じる文章を読むと、それでも今年はなんとかこの人数の若者たちとしっかりつきあおうと思います。

 先週、M大の授業の中で、「なぜ空は青いか、知ってる?」という話をしました。

 ご存知のように、白く見える太陽光線が実は7色の光線が集まったもので、それが水やプリズムといったもので屈折すると、屈折率によって赤・オレンジ・黄・緑・青・紺(深い青)・紫に分かれますが、この並びは光の波長の長い順になっています。

 太陽からやってきた光の中の青から紫にかけての短い波長の光は、大気中の光の波長よりも小さい微粒子にぶつかると大きく屈折して、散乱するのです。

 その小さな微粒子とは、小さなホコリや水滴だという説もあるようですが、青い散乱光をだす粒子は光の波長より小さくなければならないので、むしろ空気中の酸素分子や窒素分子だと考えたほうがいいらしいのです。

 酸素や窒素の分子が、青い光を空いっぱいに散乱させてくれるから、空が青く見える、ということのようです。

 そして、中でも特に酸素があるから、私たち酸素を吸って生きている動物が生きることができるのですね。

 さらに、酸素はふつう原子2個が結合したO₂という酸素分子のかたちで存在しているのですが、私たちの頭上20~30キロメートルの上空で太陽の紫外線によって分解されていったん酸素原子1個Oになり、それらがまた結合することでO₃、つまりオゾンができるのだそうです。

 このオゾンが太陽から降り注ぐ強烈な有害紫外線を吸収してくれていることは、よく知られているとおりです。

 きわめて波長の短い――紫よりも短いので紫外線というわけですが――紫外線は、細胞膜を壊し、その結果生命体を殺します。

 オゾン層に守られているから、私たち生命――すべての生命は細胞から成っています――が地上で生きることができるのです。

 O₂があるから、息をすることができる、生きることができる。

 O₃があるから、生命が守られる。

 その酸素を発生させ、かつて分子酸素のほとんど存在しなかった地球大気に15億年以上もかかって徐々に増やしてくれたのが、私たちのはるか遠い祖先の親戚である光合成微生物とそれが進化した植物であることは、すでにお話ししました。1) 2) 3)

 そうした光合成微生物や植物のおかげで、酸素のたくさんある現在の地球大気ができたのです。

 そして、その地球大気のおかげで、私たちは生きていることができるのですね。

 空の青さは、空にたくさんの酸素がある証拠です(もちろん窒素もです)。

 だからそれはつまり、生命が地上で安全に生きることができる、生きていていいという印だといってもいいでしょう。

 ちょっとロマンティックに表現すると、「空の青さは、きみは生きていていいんだよ、という空からのメッセージなのだ」ともいえるでしょう。

 空の青さは、生命への青信号です。

 だから、私たちは、青空を見上げるとすがすがしい、生き生きとした気持ちになるのだ、と私は解釈しています。

 ちなみに、最初に「空がなぜ青いか」を明らかにした科学者は、イギリスのジョン・ウィリアム・ストラット、第三代レイリー男爵(1842―1919) で、光の散乱の研究から空が青くなる理由を示した「レイリー散乱」 などの業績があり、1904年、ノーベル物理学賞を受けています。

 (大学でここまで話した後で、今日記事を書きながら気づいたのですが、空中窒素はバクテリアによって固定されて植物の栄養になり、その植物を私たち動物が食べて生きることができているのですから、たくさんの窒素大気があることも、私たち動物が生きることのできる条件になっているわけですね。おどろき! ふしぎ! すばらしい! )


                         *

 そういう話をしたら、学生たちが、こんな感想を書いてくれました。


 「空の青さは地上に生命が暮らせるという信号だ」というお話が好きでした。

 今までも空を見るのは好きだったけど、↑この話を聞いてからはもっと愛しい気持ちで空が見れそうです。

 きれいな空を見て気持ちいいなあと思わない人がいない理由が分りました。」


 「青空が青信号だという言葉がすごく印象的でした。

 青空みたいに広くて大きなものに、君は生きていていいんだよ、って見守られていると思うと、頑張ろうって気持ちになる気がします。

 立ち止まらず、前を見て進んで行こうって気持ちになりました。

 また、先週、コスモスとジュピターをききました。

 コスモスは高校3年生のときにクラス合唱で歌った曲だったので、懐かしく思いました。

 コスモスの歌詞がすごく好きで、クラスのみんなで、気持ちを込めて歌った曲だったので、今回あらためてきいて、本当にいい曲だなぁと思いました。

 私はひとりじゃないんだって思いました。




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