猛暑の中、環境問題の根本問題について考える

2010年08月25日 | 持続可能な社会

 65年前の暑い夏、日本は敗戦しました。

 65年後のさらに猛烈に暑い夏、日本は財政破綻などなどの危機にあります。

 なかでも、環境問題はもっとも基本的な大問題でしょう。この暑さは気候変動・温暖化によるものと考えてまちがいないのではないでしょうか。

 2007年4月、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が、

 2020年代(気温上昇幅 0.5~1.2度程度)

 ・ 数億人が水不足による被害にさらされる
 ・ サンゴ礁の白化現象が広がる
 ・ 生き物の生息域が変化し、森林火災の危険性が増す
 ・ 洪水と暴風雨の被害が増える
 ・ 栄養不足、下痢、呼吸器疾患、感染症による負担が増える
 ・ 熱波、洪水、干ばつにより病気になったり、死亡したりする確率が増える
 ・ 感染症を媒介する生物の分布が変わる
 ・ 北米では、河川の流量が減り、現在のような水需要は満たせなくなる

という近未来予測と警告を公表していました。

 これらの予測は、すでに顕著に予測以上のスピードで現実化していると見えます。

 しかし、「今年も暑いね」という反応が多いようです。

 このままでは、日本人は確実に「茹で蛙」です。

 その先触れである「熱中症」について検索してみると、「熱中症で搬送、4万人突破 今夏の死者145人」「統計を取り始めた2008年以降で最悪のペース」ということでした。

 戦前の日本人は、一丸となって米英という大きな敵と戦うことができました。結果が敗北だったこと、あまりの犠牲の多さ、そもそも戦争の是非といったことはおいて、戦いぶりについてだけいえば、ともかく日本人は実によく戦ったといえるのではないでしょうか。

 もし、現代の日本人がかつてのように一丸となって環境問題という大問題と適切なアプローチで戦うことができれば、今回は敗北ではなく、大勝利・大成功できることはまちがいありません。

 そして、私たちの考えでは、何が適切なアプローチであるかも、大筋はすでに明らかです (持続可能な国づくりの会「理念とビジョン」参照)

 しかし、現状の問題はそもそも、現代の日本人は一丸になれないし、戦えないというところにあるのではないでしょうか。環境問題を真剣に考えている人同士でさえなかなか一丸となれないようです。

 この根本問題を放置しておいて、どれだけ環境問題を論じても、提案をしても、運動をしても、目標の達成・勝利は不可能ではないかと思われます。

 なぜ、戦前の日本人が一丸となって戦えたか、なぜ現代の日本人が一丸となれないか・戦えないかは、どういうコスモロジー・世界観が共有できていたか、今はできていないかというところに根本的原因がある、と私は考えています。

 最近読んだ以下の二冊は、そのあたりの問題――国家神道・天皇教というコスモロジーの成立から浸透そして崩壊まで、そしてその後、日本人が陥った急性アノミー(規範と連帯の喪失)――について、非常に豊富なデータをベースにしかも明快な分析をしていて、私が「森を見て木を見ず」風に大まかに捉えていたことの詳細な裏付けができた感じで、とても参考になりました。

(しかし残念ながら、それぞれの本のテーマではないのでやむをえませんが、代案になるコスモロジーに関する提言はありません。私の分析と代案は、『コスモロジーの創造』〔法蔵館〕や本ブログ全体で提言してきました。特に最近のものとしては、 「環境問題と心の成長」参照)



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