妥当ではない判断:大飯原発再稼動

2012年04月14日 | 原発と放射能
 持続可能な国づくりを考える会のブログに書いた記事を転載します。


 運営委員長の岡野です。

 今朝、野田政権が大飯原発の再稼動を妥当と判断したというニュースを聞きました。

 きわめて非合理で妥当でない判断だ、と私は思いますので、運営委員長個人として一言ポイントだけでも発言しておきたいと思います(会員のみなさん、会員以外のみなさん、コメントをください)。

 まず、原発は、入り口で資源としてのウランは有限であり(核燃料のリサイクルはうまくいかない)、出口で処理の方法がまったく確立していない放射性廃棄物と熱排水を大量に出すという点で、エコロジカルに持続不可能な技術です。

 全地球的なエコロジカルな危機の切迫性を考えれば、一日も早く止めるべきです。

 そういう意味で、福島の事故以降、原発が停止しはじめており、5月にはすべてが停止するというのは、原発をすべて止めていくためのスタートとして非常にいい機会です。

 原発を止めることで得られる国民全体、特に次世代の生命の安全性の確保――放射性物質をこれ以上蓄積しない、放射能汚染のリスクをこれ以上増やさない――という長期のメリットと、今年の夏の電力を足らせるという短期のメリットを秤にかけたら(それも本当に不足するのかどうか疑わしい)、どちらが重いかは合理的に判断すれば明らかだと思われます。

 短期の利益のために長期の利益を無視するというのは、合理的でも妥当でもありません。

 ほんの数人で決めて、妥当でない判断を妥当だと言い募るような政治家は、民主主義=人民の人民による人民のための政治のリーダーとしてまったく不適格だと言わざるをえません(「民主党」という名前が悪い冗談に思えてきます)。

 ちゃんと理性を働かせて判断を変更するか、でなければ、人民・国民とりわけ次の世代の生命の安全性を最重要視する真に民主的なリーダーに交代してもらいたいと強く希望します。


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5 コメント

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妥当ではない判断:大飯原発再稼働 (神田隆義)
2012-04-14 22:03:37
原発の安全神話を作り推進してきた国と電力会社は、福島原発事故の検証が出来てないのに、どうして再稼働妥当と言えるのか。再稼働させてはならない。
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まったく同意です! (おかの)
2012-04-14 23:26:30
>神田隆義さん

 コメント有難うございます。
 まったく同感です。

 再稼動をなんとしてでも阻止したいですね。
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再稼働反対! (kamioka)
2012-05-08 09:32:59
私も再稼働反対の意見に同感です。
福島第一原発事故の検証も終わっておらず、
また最近は竜巻や雷雨といった異常気象が多く起こっています。それに依然として各地で地震が起こっているにもかかわらず、短期な利益を重視して再稼働の判断をするなんてとても愚かだと思います。
日本の主権者は国民なのだということを政治家は忘れているのではないでしようか。
主権者の長期的利益を重視してくれる政治的リーダーが早く現れてくれることを痛切に願います。
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国民の長期的利益を (おかの)
2012-05-08 10:03:21
>神岡くん

 コメント有難うございます。元気ですね?

 気候変動―異常気象の進み方はほんとうに恐ろしいですね。
 安定した気候なしには人間も含む全生命は安定したいのちの営みを続けることができません。
 すべての生命の長期の利益のために働くリーダーの登場が望まれますね。危険なリーダーは要りませんが。
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Unknown (kamioka)
2012-05-16 16:40:10
岡野先生コメントありがとうございます。
はい。何とか元気にやっています。
そうですね。独裁者になりそうな危険なリーダーはいりませんが、国民の長期的利益を優先してくれるリーダーが出てきてくれることを願っています。
またただ願うだけでなく、自分も庶民から市民へと変わるために色々と知識を身に付けて政治に関わっていければいいなと思います。
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