宇宙即神?
以上1―3の記事で述べたポイントで、ニヒリズムの克服はほぼ完了したと言ってもいいのですが、あえて②の「神(精神的で絶対な存在)はいない」というポイントについても一言だけ付け加えておきます。
かつて筆者のコスモロジーの授業を受けた学生たちが、レポートの感想に「宇宙ってまるで神みたいですね」といった言葉を書いてくることがよくありました。
それに対して筆者は、「まるで……みたい」ではなく、「宇宙はそのまま神だと言ってもいいんじゃないかな」と答えたものです。
エネルギーから物質を、物質から生命を、生命から心を、心からさらに覚り・霊性を創発し続けている「全体としての宇宙」は、キリスト教の「万物の創造主」である「神」とまるでそっくり――神話的表現を丸呑みにせず象徴的に解釈すれば――いや、そのままそうだと言ってもいい、と筆者は考えています。
近代的理性・科学が殺した、というより見失った神=絶対なるものを、現代的理性・科学は復活させようとしている、というより再発見しようとしている、と思われます。
(もちろん神学的・哲学的・宗教学的に言えば、より詳しく厳密にいろいろ論じることができるのですが、ここではそういう必要以上に複雑になりがちな専門的議論は避けておきたいと思います。)
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